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【エルムS(G3)回顧~その先へ】血統篇

【エルムSの結果】
レースは、後方2番手から脚を伸ばしたセキフウ(6人気)が、2番手から4角手前で先頭に立ち押し切りを計ったワールドタキオン(4人気)を差し切り、1/2馬身差をつけ優勝。さらに2.1/2馬身差の3着にロッシュローブ(10人気)が入り、中波乱決着!?

傾向面からみると、「4歳馬」が[3-2-2-13]複勝率35%の好成績のなか、4歳馬セキフウ(6人気)が優勝。また、「前走マリーンS1・2着」に限定すると[5-3-0-5]連対率61.5%もペプチドナイル(マリーンS1着)が13着惨敗、ルコールセール(マリーンS2着)が4着まで。最後に、「横山和生騎手」([1-2-1-3]複勝率57.1%)騎乗馬タイセイサムソンが9着だった。

血統面で、「米国型ノーザンダンサー系の血を持つ馬」に注目も種牡馬に限定すると出走馬14頭中2頭内2頭(1着セキフウ、2着ワールドタキオン)のワンツー決着。「父ミスプロ系欧州型」に注目すると、出走馬14頭中3頭内1頭(3着ロッシュローブ)が該当。

トラックバイアスからみると、土曜の札幌は芝が稍重、ダートが不良→重だった。日曜も雨が降る予報なので、大きく回復することは無いなか、ダートはストームキャット系やエーピーインディ系など、米国血統が頑張っている。札幌にしては差しが決まっていた。

【血 統 傾 向】
米国型ノーザンダンサー系の血を持つ馬、
なかでもヴァイスリージェント系。

2023年
1着セキフウ
父ヘニーヒューズ(ノーザンダンサー系/米)×母父ミスプロ系/欧
2着ワールドタキオン
父アジアエクスプレス(ノーザンダンサー系/米)×母父ノーザンダンサー系/欧
3着ロッシュローブ
父ロードカナロア(ミスプロ系/欧)×母父サンデー系/日
2022年
1着フルデブスリーダー
父ヘニーヒューズ(ノーザンダンサー系/米)×母父ナスルーラ系/欧
2着ウェルドーン
父ヘニーヒューズ(ノーザンダンサー系/米)×母父サンデー系/日
3着オメガレインボー
父アイルハヴアナザー(ミスプロ系/米)×母父サンデー系/日
2021年(函館開催)
1着スワーヴアラミス
父ハーツクライ(サンデー系/日)×母父ノーザンダンサー系/米
2着オメガレインボー
父アイルハヴアナザー(ミスプロ系/米)×母父サンデー系/日
3着ロードブレス
父ダノンバラード(サンデー系/日)×母父ファイントップ系/欧
2020年
1着タイムフライヤー
父ハーツクライ(サンデー系/日)×母父ロベルト系/欧
2着ウェスタールンド
父ネオユニヴァース(サンデー系/日)×母父ミスプロ系/米
3着アナザートゥルース
父アイルハヴアナザー(ミスプロ系/米)×母父サンデー系/日
2019年
1着モズアトラクション
父ジャングルポケット(ナスルーラ系/欧)×母父ミスプロ系/米
2着ハイランドピーク
父トーセンブライト(ロベルト系/欧)×母父サンデー系/日
3着サトノティターン
父シンボリクリスエス(ロベルト系/欧)×母父ノーザンダンサー系/米

【血 統 背 景】

セキフウ(牡4、栗東・武幸四郎)は、父ヘニーヒューズ×母シヤボナ(母父Kingmambo)。高松宮記念を制したビッグアーサーや、ブロードスターの半弟で、父のヘニーヒューズはストームキャット系のダート血統。母系はキングマンボにサドラーズウェルズと欧州色が強い血統。北海道滞在で馬がグッと良くなり、滞在3戦目も札幌なら差し届かも?? 

前走・マリーンSは、8枠からスタート後、中団やや前の外6番手追走。3~4コーナーで前に並びかけようとしたが、直線に入るところで外へ持ち出して、直線でじわじわと迫ったが、横に並んだところで勢いが止まって3着。同馬は、トップスピードになった脚を長く脚を使える持続タイプなので、コーナー角度が函館より緩くなる札幌替わりはプラス。斤量面も、別定の57㌔になるのもプラス。展開に左右される面はあるかもしれないが、脚力はここでも上位!?

札幌替わりを味方につけた同馬は、武豊騎手のある程度ペースが速くなるという読みもあり、馬自身が馬群を好まないという特徴を踏まえ、近2走よりさらに後ろから競馬を進めた。札幌のコーナーを利用し、外を一気にまくり、抜群の手応えで最後の直線で一気に突き抜けて優勝!!今後は、計画的にローテーションを組めることは大きい。

ワールドタキオン(牡5、美浦・斎藤誠)は、父アジアエクスプレス×母アナコンダ(母父フサイチコンコルド)。近親に目立った活躍馬は無く、曾祖母からは京都金杯3着のマイネルメリエンダに繋がる血統。父のアジアエクスプレスはヘニーヒューズの後継で朝日杯FSとレパードS勝ち馬。母父フサイチコンコルドはカーリアンの後継のダービー馬。園田からの再転入後3連勝で一気にOP入り。持続力が高く、不利さえ受けなければそれなりに!? ストライド的には札幌よりも直線の長いコース向き。

前走の3勝クラス・甲州街道S(東京・ダート1600㍍)も2着に2馬身差をつける完勝でオープンクラス入りを決め、本格化の気配を漂わせている。今回は初の札幌コースに替わるが、先行力があるので期待したい!?

同馬の父アジアエクスプレス。その父はヘニーヒューズなので、勝ったセキフウに血統は近い。競馬の形は対照的で、息の入らない流れを前で展開し、最後まで粘り通し2着。とはいえ、中央再転入後の連勝は3で止まった。脚質的にもチャンスはまだいくらでもある1頭。

ロッシュローブ(牡6、栗東・田中克典)は、父ロードカナロア×母サンコロネット(母父スペシャルウィーク)。母のサンコロネットはJRA3勝馬で、近親にピエナエイムのいる血統。ロードカナロア×スペシャルウィークはサートゥルナーリアと同じ。母系のリファールからも軽い馬場向き、脚抜きのいいダートであれば警戒は必要!?

前走のマリーンSは、浜中騎手がしっかり位置を取りに行って好位馬群の中の5番手から追走。4コーナーで少し遅れて、直線は我慢するだけの着差1.8秒差6着。雨は歓迎で、使っての良化もあっていい!?

同馬は、休み明けだったマリーンSが好位から伸びきれず6着後、叩いて一変した。ロードカナロア産駒らしく、ダートなら時計が出るコンディションでさらに条件さえそろえば、再度狙える!?


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