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【アイビスサマーダッッシュ(G3)回顧~その先へ】血統篇

【アイビスSDの結果】
レースは、中団後方から脚を伸ばしたオールアットワンス(9人気)が、中団から脚を伸ばしたトキメキ(6人気)差し切り、1.1/4馬身差をつけ優勝。さらにクビ差の3着にロードベイリーフ(12人気)が入り、大波乱決着!?

傾向面からみると、新潟直線1000mと言えば「8枠」も今年は5着レジェーロ(8枠18番)が最高着順。そして、脚質別では「逃げ馬」が[3-7-0-6]連対率62.5%と驚異的な成績も今年は6着同着シンシティ(8枠17番)が最高着順。最後に、「森田直行厩舎」が過去10年で7頭の管理馬を送り込み[1-1-1-4]複勝率42.9%も、昨年14番人気で3着に激走したロードベイリーフが今年は12番人気で3着に激走した。

血統面で、「父欧州型」に注目すると出走馬18頭中7頭内2頭(1着オールアットワンス、2着トキメキ)が馬券に絡んだ。

トラックバイアスからみると、新潟は開幕週らしい高速決着。かといって極端な前有利ということはなく、特に外回りは決め手さえあれば差しが決まる。ちなみに、土曜に施行された新潟(芝)直線1000㍍「3歳以上1勝クラス」は逃げた馬が1着、先行5番手から差した馬が2着、先行2番手で粘った馬が3着だった。

【血 統 傾 向】
相変わらず外枠が、圧倒的に有利!?
父非サンデー系、特に父ノーザンダンサー系(大系統)。
父サンデー系(大系統)の場合、母父米国型。

2023年
1着オールアットワンス
父マクフィ(ミスプロ系/欧)×母父サンデー系/日
2着トキメキ
父アドマイヤムーン(ミスプロ系/欧)×母父ノーザンダンサー系/欧
3着ロードベイリーフ
父ヴァンセンヌ(サンデー系/日)×母父ミスプロ系/欧
2022年
1着ビリーバー
父モンテッソ(ミスプロ系/欧)×母父サンデー系/日
2着シンシティ
父サウスヴィグラス(ミスプロ系/米)×母父サンデー系/日
3着ロードベイリーフ
父ヴァンセンヌ(サンデー系/日)×母父ミスプロ系/欧
2021年
1着オールアットワンス
父マクフィ(ミスプロ系/欧)×母父サンデー系/日
2着ライオンボス
父バトルプラン(ミスプロ系/米)×母父サンデー系/日
3着バカラクイーン
父アドマイヤムーン(ミスプロ系/米)×母父ナスルーラ系/欧
2020年
1着ジョーカナチャン
父ロードカナロア(ミスプロ系/欧)×母父サンデー系/日
2着ライオンボス
父バトルプラン(ミスプロ系/米)×母父サンデー系/日
3着ビリーバー
父モンテロッソ(ミスプロ系/欧)×母父サンデー系/日 
2019年
1着ライオンボス
父バトルプラン(ミスプロ系/米)×母父サンデー系/日
2着カッパツハッチ
父キンシャサノキセキ(サンデー系/日)×母父ヘイロー系/米
3着オールポッシブル
父ダイワメジャー(サンデー系/日)×母父ヘイロー系/米

【血 統 背 景】

オールアットワンス(牝5、美浦・中舘英二)は、父マクフィ×母シュプリームギフト(母父ディープインパクト)。母のシュプリームギフトはJRA5勝。プレサージュリフトの半姉で、デアレガーロの姪。父のマクフィはドバウィの後継の欧州マイラー。牝系のスピードも合わさった超スプリンターとして完成。本馬は2年前のアイビスSD勝ち馬で、2連覇に挑んだ昨年も展開不利のなか6着と健闘。間隔を詰めて使えない体質面の悩ましさがあり、今回は約1年ぶりのレースとなるほどだが、全3勝を7~9月に挙げている夏馬。Dubawi直系の躍進ぶりを鑑みても軽視はできず、人気薄に甘んじるのであれば要注意の一頭。

昨年のアイビスサマーダッシュは、内枠(2枠3番)からのスタート。外ラチ沿いに馬群が密集するなか、内ラチ沿いを突き進んだ。併せる形にならず集中力をキープするには厳しかったが、最後までしっかり走り切り6着を確保。今回はそれ以来の実戦となるが、美浦トレーニング・センターでの追い切りでは、キビキビとした走りで好時計をマーク。得意の新潟で復活の走りを期待したい。

優勝した同馬は、2年前斤量とスピードを活かした競馬だったが、今年はスペースがあれば外へという意志を通し、3番枠から早々に外ラチから2頭目を確保した。当然、目の前は馬の壁が立ちはだかり進路がないが、ここしかないというタイミングで内に進路を見出し一気に突き抜けた。母(シュプリームギフト)から譲られた短距離適性と父マクフィの持続力を身につけた同馬だが、元々は脚部不安があるので、今後は調教で確認しながら注目!?

トキメキ(牝6、美浦・斎藤誠)は、父アドマイヤムーン×母リーベストラウム(母父ゼンノエシルド)。ストーミーシーの全妹でカヨウネンカの半姉でキタウイングの叔母。母リーベストラウムはJRA3勝(芝1600)。牝祖マウントソブリンの産駒に重賞3勝カネツクロスがいる。父アドマイヤムーンはエンドスウィープの代表産駒で、種牡馬としてはファインニードル、セイウンコウセイ、ハクサンムーンなど短距離の大物を輩出。パワーと粘りで走る大型スプリンターで、直千は3勝Cの勝利があり21年アイビスSD4着と走り慣れている。

前走のオープン特別・韋駄天Sは、中身のある敗戦。序盤は好位につけてタイミングをうかがい、早めにスパート。抜群の勢いから残り200メートル付近で先頭に立ったが、ゴール前でわずかに1、2着馬に差された。上位を後方待機組が独占したなか、積極的な仕掛けての3着。今回は3番人気で11着だった昨年のリベンジを期す。

2着同馬は、2年前4着、昨年11着と着順を下げていたが、韋駄天S3着が反転攻勢の合図だった?? 6歳で着順をあげてくるのは容易ではないが、今後は狙いづらい1頭である。

ロードベイリーフ(牡6、栗東・森田直行)は、父ヴァンセンヌ×母ショウナンアオバ(母父キングカメハメハ)。トンボイの半弟で、祖母のショウナンタイムはJRAの短距離戦で5勝。父のヴァンセンヌはノーザンテーストを持つディープ産駒。母父キングカメハメハは日本ダービーとNHKマイルCを制した変則2冠馬。昨年は3着に激走。速いラップになった方がいいタイプで今年も好走は可能。千直はいいし噛み合えば上位に。

ヴァンセンヌ産駒の同馬が12番人気ながら3着に飛び込んだ。ヴァンセンヌは父ディープインパクト、母フラワーパークという血統で、極端な緩急は得意ではなさそうだが、平坦で一定のスピードを試される舞台は得意。昨年3着のリピーターも、牡6歳馬だけに今後は狙いづらい1頭でもある。


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