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【京都2歳S(G3)回顧~その先へ】血統篇

【京都2歳Sの結果】
レースは、後方から徐々に進出し、直線で馬群を捌いて伸びたシンエンペラー(1人気)が、中団から脚を伸ばしたプレリュードシチー(10人気)を差し切り、1/2馬身差をつけ優勝。さらにハナ差の3着にサトノシュトラーセ(3人気)が入り、ヒモ荒れ決着!!

傾向面からみると、まずは「波乱の2歳重賞」も今年は「1→10→3人気」でのヒモ荒れ決着だった。次に「上がり最速馬」をマークした馬が6勝をマーク。今年の有力候補(ラスト3ハロン33秒8の上がり)シンエンペラーが優勝。最後に「友道厩舎」が[1-0-3-1]複勝率80%のハイアベレージ。今年はサトノシュトラーセを送り込み3着確保。

血統面で、「父欧州型」に注目すると、今年出走馬14頭中5頭内2頭(1着シンエンペラー、2着プレリュードシチー)のワンツー決着。また、「母父欧州型」に注目すると。出走馬14頭中7頭内3頭(1着シンエンペラー、2着プレリュードシチー、3着サトノシュトラーゼ)のワンツースリー決着。

トラックバイアスからみると、芝は道悪だった先々週以降、時計がかかっている。外回りを中心に、直線で外目に進路を取った馬の好走が目立つ。逃げ馬は苦戦傾向。ペース次第では外差しも容易に決まる。

【血 統 傾 向】
タフなレースになりやすく、欧州血統に注目!?

2023年
1着シンエンペラー
父Siyouni(ノーザンダンサー系/欧)×母父ノーザンダンサー系/欧
2着プレリュードシチー
父ハービンジャー(ノーザンダンサー系/欧)×母父ノーザンダンサー系/欧
3着サトノシュトラーセ
父ジャスタウェイ(サンデー系/日)×母父ノーザンダンサー系/欧
2022年
1着グリューネグリーン
父ラブリーデイ(ミスプロ系/欧)×母父サンデー系/日
2着トップナイフ
父デクラレーションオブウォー(ノーザンダンサー系/欧)×母父ノーザンダンサー系/欧
3着ヴェルテンベルグ
父キタサンブラック(サンデー系/日)×母父ノーザンダンサー系/米
2021年
1着ジャスティンロック
父リオンディーズ(ミスプロ系/欧)×母父サンデー系/日
2着ビーアストニッシド
父アメリカンペイトリオット(ノーザンダンサー系/米)×母父サンデー系/日
3着フィデル
父ハーツクライ(サンデー系/日)×母父ノーザンダンサー系/米
2020年
1着ワンダフルタウン
父ルーラーシップ(ミスプロ系/欧)×母父サンデー系/日
2着ラーゴム
父オルフェーヴル(サンデー系/日)×母父ミスプロ系/米
3着マカオンドール
父ゴールドシップ(サンデー系/日)×母父ナスルーラ系/欧
2019年
1着マイラプソディ
父ハーツクライ(サンデー系/日)×母父ノーザンダンサー系/米
2着ミヤマザクラ
父ディープインパクト(サンデー系/日)×母父ミスプロ系/米
3着ロールオブサンダー
父エピファネイア(ロベルト系/欧)×母父ミスプロ系/米

【京 都 2 歳 S 血 統 背 景】

シンエンペラー(牡2、栗東・矢作芳人)は、父Siyouni×母Starlet’s Sister(母父Galileo)。米BCフィリー&メアターフなどGI7勝を挙げたシスターチャーリーの半弟で凱旋門賞や仏ダービーなどを制した名馬ソットサスの全弟。父のシユーニはピヴォタルの後継の欧州マイラー。母父もガリレオと重厚な構成も、母系にミスワキの4×4を持ちスピード面も補填されたバランスの良い構成。新馬戦は若さ溢れる走りで完勝。血統背景的にもこの時期の京都は悪くなく、距離も問題ない。先々に繋がるレースを。

2022年のドーヴィル1歳セリにおいて210万ユーロ(約2億7300万円)で取引された。初戦は期待通り3馬身差の快勝。初コンビとなるJ.モレイラ騎手は、近5週で騎乗した重賞で〔3-2-0-3〕の好成績。非凡な素質は重賞でも通用するだけに、名手モレイラ騎手に託す!?

同馬は、後方から競馬を進め、直線では力強く馬群の真ん中を突き抜け優勝!? まさしく「モレイラマジック」としか言いようがないレース展開?? 2戦しか実戦を経験していない同馬は、まだまだ適性自体が不明であり、折合いが付けにくいだけに騎手次第(J.モレイラ騎手と同等クラス)で、今後の結果にも影響??

プレリュードシチー(牡2、栗東・高橋義忠)は、父ハービンジャー×母ソムニアシチー(母父メイショウサムソン)。母のソムニアシチーはJRA2勝。父ハービンジャーで、母父はメイショウサムソン、その奥がエルコンドルパサーと重厚な血統構成。未勝利勝ちは東京も、抜け出す一瞬の脚が良かった面からも内回りでこそのタイプ。馬群も割れて、母系にブライアンズタイムも持つので機動力もあるのは魅力。

同馬は、スタート良く位置取りが、前過ぎず、後ろ過ぎずの位置から最後までしっかりと脚を伸ばし2着入線。持久力戦に強い地道なタイプは、状況次第では重賞でも狙えるだけに、今後も注目!?

サトノシュトラーセ(牡2、栗東・友道康夫)は、父ジャスタウェイ×母ワンダーオブリップス(母父Champs Elysees)。母のワンダーオブリップスは独オークス3着馬。父はハーツクライの後継のジャスタウェイで、母父はデインヒルのラインのシャンゼリゼ。母系にロミタスを持つので血統構成自体はサリオスに似たイメージ。新馬戦はショウナンラプンタの2着で、2戦目の未勝利戦を快勝。500㌔を超える馬体で、まだまだ奥のありそうな感じも、本質は大箱向き、揉まれず流れに乗れればここでも上位!?

前走は2番手から抜け出し、5馬身差の楽勝。所属する友道康夫厩舎は、前回京都で行われた4年前の京都2歳Sをマイラプソディで勝利するなど、重賞昇格後の本レースで〔1-0-3-1〕と相性がいい。

同馬は、上位2頭より前で競馬を組み立て、外からねじ伏せにかかって3着入線。能力の基礎値が高く、レースセンスもあり、経験を積んで強くなっていきそうな1頭だけに、今後も注目!?


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