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【CBC賞(G3)回顧~その先へ】血統篇

【CBC賞の結果】
レースは、逃げたジャスパークローネ(7人気)が、好位から直線で脚を伸ばしたサンキューユウガ(8人気)に1/2馬身差をつけ優勝した。さらに2馬身差の3着にスマートクラージュ(4人気)が入り、大波乱決着!?

傾向面からみると、「5歳馬」に関しては、今年出走馬12頭中1頭(ヨシノイースター)は10着。「馬体重500㌔超え」は、今年出走馬12頭中3頭内1頭(サンキューユウガ514㌔)が2着入線。さらに「格上挑戦馬」は、今年出走馬12頭中2頭内1頭(サンキューユウガ3勝クラス)が2着と馬券に絡んだ。

血統面からみると、母父ノーザンダンサー系に絞ると今年出走馬12頭中3頭内2頭(1着ジャスパークローネ/3着スマートクラージュ)が馬券に絡んだ。さらに、夏の中京芝1200㍍で要注目なのが、ディープインパクト産駒。中距離で多くの実績を残すが、CBC賞が中京開催だった2017~19年は【2-4-0-4】と連対率は驚異の60%。回収率も単勝148%、複勝138%を誇る。年々減少してはいるが、今年出走馬12頭中1頭(スマートクラージュ)が3着入線。

トラックバイアスからみると、土曜に同コースで行われた特別3レース(芝2000、1200、1600㍍)で馬券に絡んだ9頭中8頭が4角5番手以内、ちなみに残り1頭は6番手で通過。さらに日曜に同コースで行われた特別2レース(芝2200、1200㍍)で馬券に絡んだ6頭中5頭が4角5番手以内、ちなみに残り1頭は7番手で通過した。

【血 統 傾 向】
*4年ぶりに中京1200で行われるCBC賞
デインヒルとロベルトのパワー

2023年(中京)
1着ジャスパークローネ
父Frosted(ナスルーラ系/米)×母父ノーザンダンサー系/米
2着サンキューユウガ
父ロードカナロア(ミスプロ系/欧)×母父ナスルーラ系/欧
3着スマートクラージュ
父ディープインパクト(サンデー系/日)×母父ノーザンダンサー系/欧
2022年(小倉)
1着テイエムスパーダ
父レッドスパーダ(ヘイロー系/米)×母父ナスルーラ系/欧
2着タイセイビジョン
父タートルボウル(ノーザンダンサー系/欧)×母父サンデー系/日
3着アネゴハダ
父キズナ(サンデー系/日)×母父ミスプロ系/米
2021年(小倉)
1着ファストフォース
父ロードカナロア(ミスプロ系/欧)×母父ナスルーラ系/欧
2着ピクシーナイト
父モーリス(ロベルト系/欧)×母父ノーザンダンサー系/欧
3着アウィルアウェイ
父ジャスタウェイ(サンデー系/日)×母父ミスプロ系/欧
2020年(阪神)
1着ラブカンプー
父ショウナンカンプ(ナスルーラ系/米)×母父ミスプロ系/欧
2着アンヴァル
父ロードカナロア(ミスプロ系/欧)×母父ノーザンダンサー系/米
3着レッドアンシェル
父マンハッタンカフェ(サンデー系/日)×母父ノーザンダンサー系/米
2019年(中京)
1着レッドアンシェル
父マンハッタンカフェ(サンデー系/日)×母父ノーザンダンサー系/米
2着アレスバローズ
父ディープインパクト(サンデー系/日)×母父ナスルーラ系/欧
3着セイウンコウセイ
父アドマイヤムーン(ミスプロ系/欧)×母父ナスルーラ系/米

【血 統 背 景】

ジャスパークローネ(牡4、栗東・森秀行)は、父Frosted×母Fancy Kitten(母父Kitten’s Joy)。
母は米国大種牡馬のキトゥンズジョイ産駒で、デピュティミニスター、エーピーインディ、ストームキャットを持つ米国血統。父はタピットの後継のフロステッドで現役時代はダート8~9Fで活躍。スピード色が強いので短距離に出るのは順当で、デピュティミニスターのクロス、ロベルトのクロスなどが入り小回り向きの機動力が強い構成で、道悪巧者。時計が掛かる決着になってこその1頭。

開幕週の中京は週中の雨の影響を受け、土曜日は不良馬場、クッション値6.3でスタートし、その後は真夏のような蒸し暑さと中京芝の水はけのよさも手伝い、日曜朝には稍重、クッション値8.7まで回復し、正午には良馬場になった。こうなると開幕週らしい時計勝負。当然、先行勢に利があった。実際、日曜8Rの1勝クラスはアドマイヤラヴィが逃げ切っている。当レースは先行勢のなかに積極的に逃げる馬がいない状況を逆手にとり、同馬が前が止まらない開幕週を考慮して押して、押してハナに立つと前半3ハロン33秒7のマイペースで運ぶ。直線に入っても脚色は衰えず、後半3ハロンも33秒5でまとめて半馬身差で押し切り重賞初制覇!?

サンキューユウガ(牡7、栗東・西村真幸)は、父ロードカナロア×母マイネアンティーク(母父サクラバクシンオー)。
祖母のスターアルファはJRA5勝馬で、曾祖母からはベガが出るので、アドマイヤベガやアドマイヤボス、アドマイヤドンなどが近親。ロードカナロア×サクラバクシンオーはファストフォースやキルロードなど中京1200㍍で良く走る配合。超高速決着よりは時計の掛かるタフな馬場に向くのでこの時期はよく、このクラスでの追走がスムーズに対応出来れば面白い。

同馬は、中京芝【1-2-1-0】のコース巧者だったことも大きい。シンプルにブリンカーを装着し、ハンデと馬場を味方につけようという作戦が見事に功を奏した。やはり、高速馬場のスプリント戦でロードカナロア産駒は軽視できない。

スマートクラージュ(牡6、栗東・池江泰寿)は、父ディープインパクト×母レジェトウショウ(母父キングヘイロー)。
母のレジェトウショウはJRA3勝で、スマートルシーダの全兄。ファルコンSを勝ったトウショウドラフタの甥にあたり、近親にスイープトウショウのいる血統。ディープ×キングヘイローでヘイローの3×4、リファールの4×4と高速決着向き。前走は不良馬場でも3着と好走は地力の高さで、本質は良馬場。中京での実績も、こなせる範囲で、ベターは京都の平坦。

同馬は、前が楽な流れを察知し、好位から早めに差を詰めに行ったが、馬群から抜け出す時に前の馬を避けて外側に進路へ変えるのに手間取り、2馬身差とちょっと離された3着入線。京阪杯に続く重賞3着と力はあるが、やはり重賞を勝つには少し決め手が足りない。


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