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【ユニコーンS(G3)回顧~その先へ】血統篇

【ユニコーンSの結果】
レースは、道中好位の内で運び直線で脚を伸ばしたペリエール(1人気)が、2番手から運んで粘り込んだサンライズジーク(7人気)に3馬身差をつけ優勝。さらに1.1/4馬身差の3着にブライアンセンス(2人気)が入り、中波乱決着!?

傾向面からみると、「距離短縮馬」から優勝したペリエール(UAEダービー/ダ1900/3着)、2着サンライズジーク(兵庫チャンピオンシップ/ダ1870/4着)とワンツー決着。また、「加藤征厩舎」から参戦馬ハードワイヤードは10着。さらに、「M.デムーロ騎手」騎乗馬オマツリオトコは6着に敗れました。

血統面からみると、近年はヘニーヒューズ産駒(StomCat持ち)が人気不問で上位を賑わす傾向にあり、なかでも「StomCatの血を引く馬」に注目すると、出走馬15頭中3頭内1頭(ペリエール)が優勝。さらに、「父米国型×母父サンデー系」から出走馬15頭中4頭内1頭(ペリエール)が優勝。

【血 統 傾 向】
後継種牡馬も活躍するゴールドアリュール、ヘニーヒューズも人気不問で上位を賑わす!! ストームキャットの血が毎年好走。
サンデー系(大系統)と米国型またはミスプロ系(大系統)の組み合わせ。

2023年
1着父ヘニーヒューズ(ノーザンダンサー系/米)×母父サンデー系/日
2着父エピファネイア(ロベルト系/欧)×母父ノーザンダンサー系/米
3着父ホッコータルマエ(ミスプロ系/欧)×母父ロベルト系/欧
2022年
1着父エスポワールシチー(サンデー系/日)×母父ニアークティック系/米
2着父ヘニーヒューズ(ノーザンダンサー系/米)×母父ミスプロ系/欧
3着父イスラボニータ(サンデー系/日)×母父ミスプロ系/欧
2021年
1着父マジェスティックウォリアー(ナスルーラ系/米)×母父ミスプロ系/欧
2着父アイルハヴアナザー(ミスプロ系/米)×母父ロベルト系/欧
3着父ヘニーヒューズ(ノーザンダンサー系/米)×母父ノーザンダンサー系/米
2020年
1着父アメリカンファラオ(ミスプロ系/米)×母父ヘイロー系/米
2着父デラクレーションオブウォー(ノーザンダンサー系/米)×母父ナスルーラ系/米
3着父パイロ(ナスルーラ系/米)×母父ミスプロ系/米
2019年
1着父ヘニーヒューズ(ノーザンダンサー系/米)×母父サンデー系/日
2着父ダイワメジャー(サンデー系/日)×母父ノーザンダンサー系/欧
3着父ルーラーシップ(ミスプロ系/欧)×母父サンデー系/日

【血 統 背 景】

ペリエール(牡3、美浦・黒岩陽一)は、父ヘニーヒューズ×母ソフトライム(母父フジキセキ)。母母アスピリンスノーはフローラS3着。その母スキーパラダイスはムーランドロンシャン賞(仏G1・芝1600m)勝ち馬で、ここからキャプテントゥーレ、エアトゥーレ、シルヴァーソニック、アルティマトゥーレ、ゴールデンチケットといった活躍馬が出る。ヘニーヒューズ×フジキセキ×エルコンドルパサーはドンフォルティスと同じ。

UAEダービーは少し距離が長かったが、脚長でヒヤシンスS快勝の東京マイルはベストコース。毎年、素質馬がそろうヒヤシンスS(リステッド・東京・ダート1600㍍)を快勝。前走のUAEダービー(G2・ダート1900㍍)でも4着に入るなど、世代トップクラスの力を示している。今回はヒヤシンスSと同舞台。重賞初制覇のチャンス!!

レースは、ニシノカシミヤが離し気味に逃げる変則的なハイペースは動きづらいレース展開も、同馬はレースで勝てる位置、どんな流れでもどこからでも動けるポジションを確保。最後は前を行くサンライズジークをとらえれば勝てるというシンプルな競馬に持ち込み優勝。

サンライズジーク(牡3、栗東・矢作芳人)は、父エピファネイア×母プロヴィナージュ(母父フレンチデピュティ)。母のプロヴィナージュはJRA4勝馬で重賞戦線でも活躍。メンターモードの半弟で、エデンロック、ナリタスターワンの甥。父エピファネイアは菊花賞とジャパンCを制したロベルト系種牡馬。母父フレンチデピュティの影響もあってダート志向が強くなり東京ダート1600mで2勝とこの舞台に相性がいい1頭。

前走の兵庫チャンピオンシップ(JpnⅡ・園田・ダート1870㍍)は離された4着だったが、初めての競馬場に加えて、小回りコースの適性の差も出た印象。今回は2戦2勝の東京・ダート1600㍍に条件が好転。スムーズに先行出来れば面白い1頭??

残り400mで逃げたニシノカシミヤは一杯になり、そこから12.7-12.4とスタミナを試される流れを、離れた2番手から早め先頭に立った同馬は相当粘った。スタミナ寄りの流れに強く、東京ダ1600㍍2戦2勝のコース巧者を三浦皇成騎手が上手く流れに乗せ2着。

ブライアンセンス(牡3、美浦・斎藤誠)は、父ホッコータルマエ×母ヒラボクビジン(母父ブライアンズタイム)。母のヒラボクビジンは息の長い活躍をしてダートでJRA4勝。インカンテーションの甥で、エンデュミオンの半弟。父のホッコータルマエはキングカメハメハの後継で現役時代は長くダート王として君臨した名馬。メイショウフンジンやレディバグ、ブリッツファングなどの父。母系がブライアンズタイムにダンジグを持つパワー型。

2勝目となった前走の1勝クラス(東京・ダート1600㍍)は、好位から豪快に抜け出して完勝。同日の3勝クラス・立夏Sと同タイムで、数字上でも非凡さがはっきりとうかがえた。6月7日の1週前追い切りでは、美浦南Wコースでラスト1ハロン11秒7という力強い伸び脚を披露。同馬は、血統から成長力があり、好勝負になるだけの材料はそろっている。時計が速くなるよりは力のいるダートで渋とく脚を使った方が良い。

同馬は、1、2着馬から2列ぐらい後ろで少し下げた位置からレースを進めた。ただ、末脚を存分に発揮するも、前を行く2頭が強く3着まで。ハイペースでも東京ダート1600mは差しが効きにくいスピードコース。前々で流れに乗れる強さを身につければ、まだまだ上を目指せるだけの器。


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