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ブランドブックの効用。

山口県防府市にある社会保険労務士法人「桑原事務所」のブランドブック。

ブランディングをスタートするにあたり、ワタシの場合はその企業の考え方と今後の活動の全体を貫くキャッチフレーズをつくる。そして、その企業の世界観を創出するためにコンセプトブックやブランドブックと呼ばれる冊子をつくる。
そうでないのは商品パッケージなどメディアになり得るのものが多い企業、もしくはメディア(SPツールも含む)を使う機会が多い企業である。この後者の企業群はブランドブックなどをつくらなくても世界観は自ずとできていく。なぜなら、コンセプトを表現化したりキャッチフレーズを露出する機会が多いからである。
社会保険労務士事務所という業態を鑑みると、コンセプトを表現で伝える機会やメディアの使用は少ない。そこで、まずブランドブックの製作を提案した。それがないと、ホームページをつくろうとしても世界観のないものしかつくれない。とうぜん、オリジナリティはないから、競合他社と差異化したものにはならない。webの世界を見渡すと、そんなホームページばかりだ。つくっている当人たちには他とは違うものをつくったという想いはあるだろうが、表現(ここでは見え方だけでなくものの言い方も含む)にオリジナリティがないと差異化はできない。差異とは「他との違い」つまりオリジナリティであるからだ。

さて、ここでこのブランドブックをこれからどう役立てていくかということをクライアントと話し合うために、コンセプトブックを因数分解してみた。
あるところで見て学んだのだが、企業スローガンをつくるにあたっては「vision」「mission」「value」そして「spirt」というものを制定しながらそれらの掛け算された「What to say」を表現するものらしい。
そこで、この説に従ってこのブランドブックを因数分解してみた。
なんと、12ページのこの冊子は見事に「vision」「mission」「value」そして「spirt」で構成されていることが証明できた。
先日、クライアントとそのことを話したら、ものすごく理解してくださった。そのことをスタッフに落とし込んでいけば、きっと内から変わっていけると言っていただいた。
ブランディングは見え方中心の時代からいまは「見え方(顔/表情/ファッションなど)」「行動(ビヘイビアー/動き方/行動内容など)」「発信(ものの言い方/発言内容/声色など)」でブランドイメージをつくっていくものになっている。
そのとき、企業の「vision」「mission」「value」「spirt」が言語化されていたら、こんな強いこと、スタッフにとってはわかりやすいことはない。経営者はすべてを伝えて具現化していかねばならないけど、スタッフはそれぞれが得意の分野でじぶんなりの方法論で「vision」「mission」「value」「spirt」のどれかを伝えることを担っていけば皆が参加できていくのでよいのではないだろうか。そしてそれぞれのやることをリンクしていけば、イメージの総体は強く明快なものになっていく。ブランドイメージとは、あちこちで出会うイメージの総体である。
コンセプトブックを来客用のデスクに置いておくだけでなく、スタッフ全員が「見え方(顔/表情/ファッションなど)」「行動(ビヘイビアー/動き方/行動内容など)」「発信(ものの言い方/発言内容/声色など)」で伝えていくことを担っていけば、すごく新しいブランディングになるのではないかしら。
どうしても、ブランドブックをどう使おう、どうバラ撒こうとばかり考えががちだけど、立体的に解決できる方法がこの理論から見えると思う。

さて、このコブランドブックのどのページが「vision」「mission」「value」「spirt」でしょう。当ててみてください。

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