見出し画像

すべての課題には解決すべきコミュニケーションがある。

クリエイターとは、
課題解決業である。

おそらく皆さんのクリエイターイメージは、キャッチフレーズを考えたり、デザインしたり、アイデアを考えたりする、“表現者”のイメージでしょう。でも、われわれの仕事の本質は、何らかの課題の解決にあります。そしてじつはその課題の多くが、コミュニケーションの活性化で解決できます。では、われわれは日ごろどうやってコミュニケーションを活性化しているのでしょう。そんな例を紹介します。


(よくある課題の例)                           モノが売れない。

認知度があがらない。

ブランドイメージが構築できない。

言いたいことが伝わらない。

ターゲットに届かない。

インパクトが足らない。

地域を活性化できない。

(ミッションの再定義ということ)      

前述した課題は果たして本質的な問いなのか?

(課題を再定義してみると)                        モノが売れない。 →本当の魅力が伝わってないのでは?

認知度があがらない。 →記憶に残っていないのでは?

ブランドイメージが構築できない。 →イメージの総体ができていないのでは?

言いたいことが伝わらない。 →コンセプト(What to say)が良くないのでは?

ターゲットに届かない。 →ターゲットの興味を喚起できていないのでは?

インパクトが足らない。 →鮮度が足りていないのでは?

地域の活性化が進まない。 →モチベーションを創造できていないのでは?

                                     (考えていくと、どの課題もコミュニケーション上の問題に突き当たる。)

このように、すべての課題には解決すべきコミュニケーションがある。
課題の捉え方は適切か?→ミッションの再定義
課題とはしばしばバイアス(先入観)がもたらしている→バイアスをブレークする
広告がやっていることはコミュニケーションそのもの→広告的に機能させる

(行政発のコミュニケーションに関わって思う問題点)            

一個人としての本能的ジャッジメントができない。
→みんな一個人の感覚を持つはずなのに、なぜか“行政の感覚”で判断していないか?

毎回のコンペはいかがなものか。
→はたして公正は正義か?コンペの繰り返しの結果、継続性がないために効果が出ない。

ネガテイブへの過剰な反応(過剰な事前ケアがエッジを丸くする)。
→ターゲットよりも上司の顔色を見ていないか?

“伝える”と“伝わる”は違う。
面白がらせないとコミュニケーション(伝わる)できない。インフォメーション(伝える)のみになっている。


(コミュニケーションの見直しによる課題解決例1:菊太屋米穀店)

依頼内容は
ブランディングしたい。

→ミッションの再定義
本来持つべきシズル感を持たせること。

菊太屋パッケージ全


(コミュニケーションの活性化の効果)

◎売り場スタッフとお客さまの会話が増えた。
 販売機会の創造→売り上げの増大

◎有名雑誌をはじめTVまでが取材に来た。
 マス広告をしなくても大きな広告効果を得ることができた。

◎世界観を形成できた。
 トーン&マナーが角立できたことで、おのずとブランディングできた。

(コミュニケーションの見直しによる課題解決例2:神戸親和女子大学)

依頼内容は
キャッチフレーズを持ちたい。

→ミッションの再定義
他校にないストロングポイントの発見。

画像7

(コミュニケーションの活性化の効果)

◎初年度には志願者が倍増した。
コミュニケーションが点から立体になった。→キャンペーン効果をもたらした。

◎“先生になれる大学”のイメージが定着した。
親和=先生と記号化することができた。

◎他校を悔しがらせることができた。
同じ特長は他校にもあるが、言ったもの勝ちは広告の常套手段。(他校は言えない)


(コミュニケーションの見直しによる課題解決例3:京阪電車)

依頼内容は
若いひとにリーチするタレント広告の提案。

→バイアスのブレーク
タレント広告をやる必要はない。

おけいはん初年度


(コミュニケーションの活性化の効果)

◎「京阪電車」=「おけいはん」になった。
「おけいはんで京都へ行こう」みたいに言われるようになった。

◎他の電鉄会社に追従を許さない。
同じように社名をキャラクター化することは他社には真似できない。

◎20年以上続くキャンペーンとなった。
新しいアイデアを必要としないくらい定着してしまった。

(コミュニケーションの見直しによる課題解決例4:フットクリエイト)

依頼内容は
じぶんが言いたいことが伝わらない。


→ミッションの再定義
コンセプトに問題があるのではないか。


ハンケイ1
新看板 (1)


(コミュニケーションの活性化の効果)

◎顧客が若返ってきた。
  健康訴求へ傾注すればするほどターゲットは高齢化する。(若い客は来ない)

◎コロナ禍ではあるが以前の客が戻りつつある。
  リージョナル誌への出稿効果がじわじわと出ているということ。

◎コンタクトポイントへの活用が増えている。
  事業規模に合わせて、長く使うことが大切。そのための錆びない言葉。


(コミュニケーションの見直しによる課題解決例5:ぼのほーむ)

依頼内容は
デイケアサービス施設のネーミング。

→バイアスのブレーク
送迎車を大切なコンタクトポイントと考え、
デイケアサービスらしくない名前を持つ。

ぼのほーむ車写真D121223


(コミュニケーションの活性化の効果)

◎近所でウワサになった。
どこかの大きな資本が入っているのではないかと囁かれていた。

◎このマークをよく目にすると人伝に聞く。
毎日近所を走る送迎車が広告効果をもたらすであろうという計算通りの結果。

◎早くも3店目の出店を果たしている。
ターゲットと家族だけではなく、ケアマネージャーの記憶に残ることが大切。


(コミュニケーションの見直しによる課題解決例6:阪神百貨店のクリスマス)

阪神百貨店(2008年クリスマス)ポスター
阪神百貨店(2008年クリスマス)ペーパーバック


(コミュニケーションの活性化の効果)                    

阪神百貨店のクリスマスは、ファッションやギフトでは阪急うめだ本店に勝てないので、なんとか話題喚起につなげたい。

・リース制作のカルチャーイベントと連動した展開。
・じぶん達のカラーに似合うリースを手に持った素人モデルを多数起用した。
・予想もしなかったことが起きた。モデルに起用したひと達が連日、友達を連れて来店。→じぶんのポスターを探したり、じぶんのバッグをくれという人まで現れて大騒動。



(コミュニケーションの見直しによる課題解決例8:姫路広告と販促の学校)

画像1


(コミュニケーションの活性化の効果)

姫路で「広告と販促の学校」を開校、
半年後に卒業制作展を商店街で開催した。

・じぶんのキャッチフレーズがはじめて人目に触れることを体験できた。
・卒業の記念を共有することができ、強い結びつきができた。
・商店街の活性化に多少なりとも寄与することができた。
・朝日新聞などの地域版に掲載された。
・姫路城の大改修終了時に、プロモーションとして第2段を展開することができた。

(行政系の過去の仕事の事例1:兵庫県靴下工業組合)

田中有史オフィスの仕事(2020.02)(ドラッグされました)


(コミュニケーションの活性化による変化と課題) 

実際のプロダクトをキャラクターにすることで、“面白い産地”であると言うイメージを醸成すれば、メーカーからの受注が増えるのではないかと考えた。そして、加古川市内のたくさんの女子高生が履いてくれると、広告効果が生まれると期待していたが、そこまでのプロモーションにすることができなかった。

◎市長が来庁者へのお土産にしてくださった。

◎いまでもパイロットショップで使用されている。

◎ただし、補助金で立ち上げたので続編がない。



(行政系の過去の仕事の事例2:神戸市立須磨海浜水族)

新聞広告賞07_02


(コミュニケーションの活性化による変化と課題)

兵庫県南部に住む人間にとっては、小学校の遠足と言えば“須磨の水族館”であった。しかし、さまざまな娯楽施設の増加で影が薄くなっていた。面白い広告を打つ施設は重白いというイメー時に繋がるので、神戸新聞の題字下に4年間毎週土曜日に出稿した。イラストもやや毒のあるタッチを選んだ。結果、毎週の出稿を楽しむ読者の声が新聞紙上に多く寄せられるようになった。新分広告賞というビッグな賞を受称した。

◎イラストは施設内にも広がりスマスイワールドができた。

◎イラストレーターのワークショップなどイベントへも広がった。

◎新聞広告賞という大きな賞を受賞した。

(行政系の過去の仕事の事例3:鳥取県中部発信プロジェクト)

B2poster_イメージ
画像13


(コミュニケーションの活性化による変化と課題)

コンサルタントからの依頼は「鳥取セレクション」「鳥取五つ星」というようなコンセプとであった。それでは、マークとシールをつくって商品に貼って終わり。そういう考え方の地域ブランド商品は全国に山ほどあるが、みな、何も効果をうみ出していない。それでは、地域の活成果にはならないので、まずネーミングを提案することからやりたいという条件でプレゼンした。結果、大好評を得ることができた。徐々にではあるが効果を出している。

◎ネーミングに参加事業社のモチベーションを表現した。

◎展示会や商談会でブランドイメージ管理への評価が高い。

◎いままで取り扱いがなかったチャネルとの商談ができている。


(コミュニケーションを活性化させるヒント)

1:広告脳で考える。

2:広告をしなくても広告効果は出せる。

3:コンタクトポイント(消費者との接点)をメディア化する。

4:キャンペーン発想で考える。(コンタクトポイントをリンクする)

5:コンタクトポイントをリンクするコアアイデアを持つ。

6:おもしろがるチカラとおもしろがらせるチカラ。

7:アイデアはどこまで行っても鮮度である。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?