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針と鍼 鍼治療が私のpeace of mind

著:御手洗ケール

小さい頃から注射は嫌いではなかった私。怖いと思ったことも、痛いのは嫌と思った記憶もありません。20代の頃、血液検査の際に「いい血してますね」と褒められたのをきっかけに、献血に勤しんでいた時期もありました。

針への恐怖心がないのが、中国鍼にピタリとはまった理由かもしれません。長年膝と腰が悪いのに加え、昨年坐骨神経痛を患い、もう駄目かもと思った時に紹介されたのが台湾出身のドクターN。いつも的確な鍼治療を施してくれる頼もしい味方で、様々な体の不調の緩和、メンテナンスのため、今でも月に1〜2回通っています。ギックリ腰も、痛〜い鍼に耐えて1発で完治。まさにゴッドハンドとは彼のためにある言葉ではないかと密かに思うほど、自分に合っているようです。

今や鍼の時間が癒やしの時間。鍼を刺したまま静かにベッドに横たわっていると、時々手や足がどこにあるのかわからない不思議な感覚に陥ります。その姿は、頭の中では某映画の中のマドンナと重なるのですが、実際はきっと違うと思います。

そんな私に、先日こんな出来事が。

血液検査のために某クリニックに行ったところ、担当となったのが、ひと目で新人と分かる採血の女性でした。一抹の不安を覚えるも、お任せするしかありません。しかしゴムバンド(駆血帯)も結べないほど緊張していて、残念ながら2度失敗。注射器と腕を変え、3度目にようやく採血に至りました。

しかし採血後、「待っててくださいね」と言い残したまま、しばらくしても戻って来ないので、他のスタッフに声をかけようかと思ったところ、ベテランっぽい別のスタッフがやってきて、「彼女が誤って自分の指に注射針を刺してしまったので、念のためにHIV検査をさせてください。彼女のpeace of mindのためにも」と。かくして、本日4本目の注射針がわが腕に…。

終了後、「ご協力ありがとう。今日はもう針はなし、刺されるのもなしだから安心して」と言われたのですが、実はそのあと鍼の予約が入っていたというオチがあり。心の中で「いや、まだまだ!これからが私のpeace of mindだから」とツッコミをいれたのは言うまでもありません。

誰でもキャリアのスタートがあり、多くの失敗や経験を経て、成長していくもの。多分ドクターNだって、はじめの頃は大変な思いをしたはず。この経験を糧にして(大げさですが)、彼女が少しづつでも自信が持てるよう、今後の成長を願うばかりです。


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