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ロードレイジは続くよどこまでも

 前回ロードレイジのことを書いたのですが、たまたま知っている人が目の前で交通トラブルに巻き込まれていたのでちょっと思った事を書きます。一方が私の知っている人で、もう一方が知らない人ですので多少気持ちに偏りはあるかもしれませんができるだけ公正な視点で書いてみようと思います。

きっかけは路上駐車

 学童野球の練習中、チーム関係者の親族の方が、グラウンド前に車を停車して、降車し、練習を見ていました。道路は片側一車線、道幅としては両車線合わせて7メートル程だと思います。停車していたのはグラウンド側の車線です。グラウンドから道路を挟んで反対側は住宅地です。ここでその住宅地のうちの一軒の家の方が車を発進させようとしました。ちょうど車を停車させていた場所の正面にあたる家です。つまり、車庫の向こう5~4メートルほどの場所に停車車両があります。車庫は道路と垂直にあり、前向きに発進する状態での駐車です。この状況で車を出したいと思った場合どうするでしょうか。私はわりと狭い場所での運転に自信があるのでまず出てみると思います。やってみて無理そうなら声をかけて車を動かしてもらうでしょう。実際この家のドライバーがとった行動は以下のような感じです。
 我々が野球の練習をしていると、かなり長い音の警笛が聞こえました。かなり長く感じましたが、おそらく2秒から3秒程度だと思います。すぐに運転者がそちら方向に手を上げ謝る素振りを見せながら運転席へ回り込んでいきます。が、その後同様の警笛が2回鳴らされます。車を前方に移動させると、出庫した車は移動した車を追い越すように反対車線に入ります。そして移動した車の隣で停車します。どうやら窓からなにか言っているようです。状況からして穏やかに話しているわけではないでしょう。対向車が来ていましたが、その場で10秒程度やり取りをしたようでした。そして対向車を待たせた後、移動した(路上駐車していた)車を追い越し消えていきました。

正しいのは私、悪いのは相手。よって制裁を加える

 前回の記事で書いた、正義感による行動だと思います。おそらく今回の場所は駐停車禁止場所には該当しないと思いますし、せいぜい1回切り返す程度で出られますので、そのまま出ていくか、声をかける、または警笛を鳴らすにしてもごく短く鳴らす程度にしておけば良かったと思います。ですが、こちらは正義なのです。相手は人に迷惑をかける行為をしています。私はあなたのせいで非常に迷惑を被っている。見知らぬ他人の車が家の前に停車しているなんて気持ち悪いし、さらに出庫にも支障がある。これは思い知らせ反省させる必要があります。なので強く警笛を鳴らし、なおかつ車を横につけて言葉で教える必要があります。冷静に考えればそこまでする必要はないと思うでしょうが、正義と怒りのコラボは人を攻撃的にさせます。
 正義と怒りのコラボはネット炎上のときにもよく効果を発揮していますが、今回はロードレイジなので置いておきます。

他人を攻撃しても実益はない

 怒りは湧いてきてしまうので、とりあえず仕方ないのですが、その怒りをぶつけることで実際に得られる利益というのは基本的にはほとんどの場面でないと思っています。いくらオラついて相手を萎縮させても、1円にもならないです。時間もかかります。むしろ自宅前でのトラブルは周囲に「トラブルに関与する人」が住んでいると思われる可能性があり、今後その家で暮らしていくのに暮らしにくくなる可能性すらあります。武力による恐怖政治で周囲の家を支配するなどの目的がない限りは、あまりしないほうが良い行動です。

自分の攻撃性を自覚する

 正義感というのは本当にやっかいで、正しいからこそ攻撃的になるという側面を誰しも多かれ少なかれ持ち合わせていると思います。誰しも持ち合わせていながら実は見過ごしている部分でもあります。少なくとも私は自分が正義感と怒りのコラボで強い攻撃性を発揮するということに無自覚というか、正しいからこそ責められるべきでなのは相手であり、私が攻撃することに正当性があると思っていました。
 つまり正義+怒りによる攻撃は、正しい攻撃だと思っていたので、制御すべき行動であると思っていなかったのです。
 正しければ攻撃しても良い、悪い人を攻撃するのは当然だ、という考え方もあるかもしれませんが、私は今はそう考えていません。ロードレイジをなくす、あるいは自分が巻き込まれないためには、自らの攻撃性を自覚しつつ、攻撃して得られる利益がないことを理解し、トラブルをなるべく遠ざけるような行動を取る必要があります。
 ロードレイジがなくなってほしいと願いますが、おそらくなくならないので自らが危険な目に合わないようにすることをこれからも心がけていこうと思っています。

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