仮想通貨で10円のアービトラージしてたら1年後に300万円降ってきた話

はじめに

solanaで実際に起こった嘘みたいな本当の話。
ポロリもあるけど、今はもう廃れてほとんど旨味ないから安心してね。
私の大好きなアビトラ戦記 第1項に書かれているテクニックの実践編になります。

題材:C98

みなさんはC98というプロジェクトをご存知でしょうか。
私も詳しく知っているわけではありませんし、読者の中には私より詳しい方もいらっしゃると思います。
何をしているプロジェクトなのかというと、メインはウォレット業ですかね?他にもDEXや、ブリッジなどをやっている。それくらいの認識です。

ご存じの方がどれくらいいらっしゃるかわかりませんが、C98は独自のステーブルコインを発行しています。
CUSDというコインです。

Market Cap:$4685!!

自前のコインを報酬でいっぱい出すから、みんないっぱい使ってね。
という偽札業あるあるでした。流行りませんでしたが。

性質としては、公式の機能で
①:ユーザーは1USDCを預けることで1CUSDがmintできる
②:USDCに戻すときは0.5%の手数料を引かれてredeemできる
となっています。

C98 USDを使ったアビトラ

ここから少しアビトラ観点での説明になりますが、簡略化のためUSDC=$1.000で話を進めます。

上記の公式鋳造ルールは読み替えると以下と等価です
①':1CUSD>$1.000となっていればアビトラ可能
 (CUSDを公式でmintしてそのまま市場で売ればいい)

②':1CUSD<$0.995となっていればアビトラ可能
 (CUSDを市場で安く買って、公式でredeemすればいい)

となります。
一回でわからない人は何回か見比べてみましょう。

①'と②'をまとめるとCUSDの価格は
$0.995≦ CUSD≦$1.000
のレンジの中に存在しないといけません。
外れると公式ルート①または②を使ったアビトラが可能です。

「いやいや、そんな都合よくペグ外れすることなんて…」

あるんですよこれが。

1CUSD=0.987224 USDC
2/27 ほぼ丸一日鞘開きっぱなしでした

最近でも相応のペグ外れが発生していました。
加えて、このアビトラの強さは、
swap一回成功させればよい
という点にあります。競合もほぼおらず、初心者アビトラマンにはめちゃくちゃ良い環境でした。

ただ、1度のアビトラで取れるのは$100をswapして取れるのが$0.1とかなので、わりと胆力はいります。当時もTVL小さかったから、一撃数十ドル、とかは不可能でした。
また、ガス代を無視できるsolanaだからこそできる立ち回りでもあります。
(他チェーンでもCUSDは発行されていましたが、ガス代考えると現実的にはアビトラに適さない)

1swapで10円拾えるので、暇なときにちらっと見て、鞘があれば文字通りお金拾いですが、このレベルの鞘を拾うかは好みが分かれるかもしれません。

当時の私は全然資産なくて、このレベルの鞘でも喜々として拾っていました。
当時のswap履歴を見ると1回で$500swapして取ればいい鞘に対して、資金不足で財布にある全USDを何回も当てている様子がありました。かわいいですね。
チンタラ分割して取っても誰も邪魔しない聖域でした。

最終的にこの通貨だけで、100ドルくらいの利益を上げることができたと思います。たぶん何百回とswapしました。
その後、どんどんと規模は小さくなり、鞘ができる頻度も下がって、次第に足は遠のいていきました。

このアビトラは今でもできます。

solana復活後のエアドロ

時は流れて2023年の年末。間にはsolana冬の時代もありました。
ここまでの話の流れで、どうやって300万円が降ってきたのか。
solanaに詳しい方ならなんとなく察しはついたでしょう。

最大手のアグリゲーターJupiterが過去にスワップした人を対象に、エアドロを発表したのです。
また、solanaでCUSDを取り扱っていた数少ないDEX。C98の息がかかったsarosも続いて遡及エアドロを発表しました。

いずれも過去にswapされた金額が評価されたのですが、先の説明の通り、CUSDアビトラは$0.1の鞘を抜くのに$100のswapが発生していました。
最終的にアビトラで得た利益は100ドル程度でしたが、その裏側では十万ドル超(1千万円超)のswap出来高が蓄積されていました。

もちろんアビトラしていた当時はswapの出来高なんて考えてもいませんでしたし、jupiterやCUSDでエアドロがもらえるとも思わず、目先の数十円のお金を拾って満足していました。

当該ウォレットに割り当てられたエアドロは以下の通りです。
厳密にはその他のアクティビティも含まれていますが、使いにくいC98の独自ウォレットなので、他の目的ではそんなに使っていないはず。
Jupiter: Tier2(20,000JUP = $14,000)
saros: Tier2(160,000SAROS = $7,000)
いずれも売却済みで、合わせて2万ドル超。日本円で300万円くらいが2024年に降ってきました。

エアドロはオマケ

今回の例はたまたま運が良かっただけです。
ピンポイントでエアドロを狙うのは実際難しいです。
エアドロを公言しているプロジェクトでは札束の殴り合いになるし、期待通りになるとも限らない。

エアドロ抜きにして儲かるプロトコルを片っ端から、手数で殴りまくって、結果として降ってくるものに価値が付く。
と考えるようにしています。

もちろん、期待値のあるプロジェクトは積極的に触りに行きますが、儲かるプロトコルをひたすら触りまくる。
冬の時代を生き抜くためには自分の性格的にエアドロ一本では厳しい。
最近人のエアドロを羨ましいと思うことも増えましたが、基本姿勢はこれだぞ、と自分に言い聞かせています。


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