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北海道サッカーリーグ開幕戦「北海道十勝スカイアース×札大GP」現地レポート

8月23日、ようやく第43回北海道サッカーリーグが開幕した。8チームが参加する同リーグは、今年は10月4日までの毎週日曜日に試合が行われる1回総当たりで争われる。
開幕戦4試合のなかから、元コンサドーレ戦士の出場も話題となった北海道十勝スカイアース×札大GPの試合を帯広の森球技場で現地観戦した。観客の熱気が凄く、期待の高まりを強く感じた試合の模様をお届けする。

コロナ対策もしっかり取っての開幕戦

帯広駅バスターミナル12時発の白樺学園行きバスに乗って帯広の森へ。現地に近づくとバスは渋滞の列にハマり、到着が予定より少し遅れた。
23日は陸上競技場でも陸上の記録会が行われていたようで、交通量はかなり多かった。会場となる球技場の周辺では、スタッフが入り口に観客を誘導していた。
まず、受付で氏名と連絡先の電話番号、さらに当日の体温を記入する紙を渡された。記入の際は、使い捨てのポリ手袋を使うよう求められた。当日の体温は測ってきていないと告げると、係の人が非接触型の体温計を額にかざして体温を測ってくれた。ちなみに36.2℃だったらしい。
その紙を入り口の係員に渡すと、マッチデープログラムがもらえた。入場は無料である。

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帯広の森球技場はピッチが2面分あり、それぞれに200席程度の椅子席が設けられている。試合では南側のピッチを使った。この日の試合は「めむろサンクスマッチ」と題され、先着300人には芽室町提供のエコバッグがプレゼントされたが、それはおそらく入場開始直後に配布を終えたと思われるくらいの観客が来ていた。
マッチデープログラムには「観戦の皆様へお願い」という項目があり、十分な間隔を開けての観戦や、Jリーグに準じて手拍子やタオルマフラーを振ったり回したりしての応援の禁止などが書かれていたが、それとともに最大観客数は2000名と記されていた。そこまでは達しなかったが、千人ほどは訪れていたと思われる。

戦力がますます充実のスカイアース

ここで、今季の北海道十勝スカイアースの戦力を紹介しよう。北海道リーグ3連覇を果たしながら、全国大会の壁を乗り越えられず、なかなか悲願のJFL昇格を達成できないスカイアースは、今季を前に新たに14名を補強し、31名の選手で臨む。
今季より加入してキャプテンを任されたMFの堀河俊大選手は、4シーズンをカマタマーレ讃岐でプレーした元Jリーガー。前所属の鈴鹿アンリミテッドFC(現鈴鹿ポイントゲッターズ)時代にキャプテンとしてJFL昇格を果たした"地決を知る男"。
北海道コンサドーレ札幌に所属していたGKの曵地裕哉選手やDFの内山裕貴選手も獲得。昨年加入したDFの永坂勇人選手も含め、即戦力として必ず貢献できるはずだ。また、コンサドーレユース出身者も数名いる。
さらに、帯広北高校出身でグルージャ盛岡などでプレーしてきたFWの高瀬証選手(INACの高瀬愛実選手は妹)、昨年まで水戸ホーリーホックにいたMFの中川洋介選手といった元Jリーガーも新加入。
戦力はJFLのクラブにも負けないくらい充実してきている。昨年から指揮を執っている高勝竜監督のもと、まずは北海道リーグ4連覇を狙う。

初戦の相手は札大GP

初戦の対戦相手は札大GP。GPは「GOAL PLUNDERERS」の略。plundererとは略奪者あるいは盗賊という意味だ。札大GPは社会人登録のチームで、札幌大学サッカー部で出場機会がない選手がプレーしている。流通経済大学におけるサッカー部と社会人登録チームの流経大ドラゴンズ竜ヶ崎の関係と同じようなものと考えればよさそうだ。かつては札大の学生以外の社会人も所属していた時期があり、元コンサドーレの池内友彦選手がプレーしていたことがある。
2018年は北海道リーグで7位となり昨年は2部の札幌ブロックに降格したが、そこで優勝して今年はまた北海道リーグに戻ってきた。以前、札幌大学はこのチームでJFL入りを目指すと発表している。

▼アウェーの札大GPの先発メンバー
GK 1志田祐大
DF 2村田悠貴、4山崎魁吏、3楠本竜平、25澤口大輝
MF 6井上雄辰、26池田和貴、51川村航哉、36濱田皓平、11森本優吾
FW 10小山輝

▼ホームの北海道十勝スカイアースの先発メンバー
GK 1曵地裕哉
DF 19佐藤瑠己安、24縄靖也、17田中正也、44永坂勇人
MF 7黒川聖平、30中川洋介、8高木俊輝、23渋谷亮、6石山大地
FW 10松尾雄斗
佐藤、縄両選手は今年新加入で登録はMFだが、DFとして出場していた。黒川選手もFW登録だが、中盤でプレーしていたようだ。

松尾選手が決定力見せ2ゴール!

13時キックオフ。この試合は地元のOCTVで生中継され、映像はYouTubeでも同時配信された。25日0時の段階で、YouTubeの視聴回数は2350回に達している。
立ち上がり、スカイアースは自陣で相手のフリーキックのピンチを迎えたが、落ち着いて対処すると徐々に流れをつかみ始めた。
そして14分、左サイドを突破してのクロスボールを中川選手が合わせ、こぼれ球を松尾選手がスライディングしながらシュート。これが見事に決まってスカイアースが先制! 松尾選手はお約束のMポーズを決めてみせた(芽室町のM)。
その後は札大GPの堅い守りに手を焼いてなかなか追加点を奪えなかったが、前半終了間際にやはり左サイドの突破からチャンスをつかみ、中川選手のシュートのこぼれ球を今度は渋谷選手が押し込んで追加点! まさにいい時間帯の追加点で、2-0で前半を折り返した。
私を含めてコンサドーレサポーターも現地を訪れていたと思われるが、歓喜の場面は65分に訪れた。高木選手が蹴った左コーナーキックのボールを直接永坂選手が頭で合わせてゴールに叩き込んだのだ。打点が高い素晴らしいヘディングシュートだった。
後半立ち上がりからしばらく膠着状態が続き、「2対0は危険なスコア」といった言葉が頭をかすめ始めた頃合いだっただけに、ここで3点目を取れたのは大きかった。80分には、松尾選手がこの日2点目のゴールを頭で決めて4-0としてダメを押した。

上々の内容の開幕戦

初戦はまず勝つことが大事とはいえ、先々を考えるとやはり内容も伴わないといけない。その意味では、攻撃だけでなく守備も大きな破綻なく無失点で終われたのは良かったと思う。カウンター狙いの相手をしっかり封じ込めたし、セットプレーも落ち着いて守れていた。
攻撃面では、この日の攻撃の核となっていたサイド突破から何度もチャンスを作り出し、こぼれ球に対する反応も早かった。セットプレーからも1点決めたのも好材料と言えそうだ。試合後にMVPが発表され、2ゴールを決めた松尾選手が受賞したが、決めるべき人が決めたのも勢いがつくきっかけになるだろう。

スタジアムグルメにも注目!

めむろサンクスマッチだけに、入り口付近にはなまら十勝野の「芽室の新鮮な野菜を味わえるカレー」などのキッチンカーが並んだ。

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なまら十勝野は、芽室の美味しい野菜を全国に届けたいと、芽室町の13軒の農家で結成された。トマトや茄子、コーンがたっぷりの甘めのカレーはなかなか美味しかった。

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芽室町観光物産協会も、幻のじゃがいも「マチルダ」を使ったマチルダコロッケなどを販売し、こちらも好評のようだった。

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もう一品、買ってみたのは「スカイアースブルー味のかき氷」。鮮やかなブルーのシロップがかかったかき氷は、氷の粒が小さく冷たくて美味しかった。
ちなみに、飲み物の自動販売機も2台設置されていて、水分補給のために買い求める客がひっきりなしに訪れていた。

北海道リーグ 第1節の結果

▼帯広の森球技場
日本製鉄室蘭サッカー部
6-0 新得フットボールクラブ
北海道十勝スカイアース 4-0 札大GP

▼SSAP(天然芝)
ノルブリッツ北海道FC 
11-1 北蹴会 岩見沢
札幌蹴球団 7-0 日本通運FC

札幌蹴球団の畠山直人選手が前半に4点目のゴールを決めて、北海道リーグ通算120点目を記録し、ゴール数歴代単独1位となったとのこと。北海道栄高から札幌大学と早くから頭角を現していた畠山選手は息の長い活躍を続けている。札大GP時代には第47回全国社会人選手権に出場し、2試合で3ゴールを決めたことがある。さらなる活躍を期待。

北海道リーグの今季の日程

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今年は短期決戦だけに、終盤までに戦力をどれだけキープ出来るかも鍵。ソーシャルディスタンスを守りつつ、札幌、室蘭、岩見沢、幕別で行われる試合に足を運んで北海道の頂点を目指す戦いを楽しもう。また、OCTVではスカイアースのホームゲーム残り3試合も生中継を決定。映像を通じても声援を送りたい。
※投稿後に情報をいただき、勘違いしていた観客席の点や札大GPの状況について加筆修正をしました。ありがとうございます!


地元網走に帰ってきて5年半経ちました。元競馬専門紙編集部員。サッカーや野球、冬はカーリングなどスポーツ観戦が好き。もちろん、競馬も話題にしています。時事ネタや網走周辺の話題なども取り上げます。よろしければ、サポートもお願いいたします。