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システム上の安全を確認、5日より再開!

おそらく、3日の午前9時の段階ではとくに問題が起こってはいなかったと思われる。

3日から松戸競輪場で行われるはずだった「滝澤正光杯in松戸」の告知ツイートが行われていたからだ。ちなみに、千葉競輪開設70周年記念なのだが、現在千葉競輪場は改装中のため、今年は同県内の松戸競輪場で代替開催となっている。
しかし、その39分後。

突然、デイ開催の松戸を含む3場について、システム障害のため中止・順延が発表されたのだ。
ある選手は「なぜ競輪ばかりトラブルが起きるのか」と首を傾げたそうだが、4年前には前橋競輪がシステム障害で中止になったことがある。また8年前には14競輪場が途中で打ち切りになり、1競輪場が全レース休止という事態になったこともあり、システム障害はこの10年で3回目となるわけで、たしかに競輪ばかりなっている印象はある。

北松戸駅では若干の混乱も?

元ガールズ競輪の選手で現在は競輪記者の岡崎さんによると、ほとんどの人が携帯を持っていないであろうお年寄りが早くから競輪場まで来てしまっていたようだ。まあ、持っていたとしてもTwitterに情報が出てきたのが9時半過ぎだから間に合っていないかもだが。
おそらく北松戸駅に開催中止が掲示されたのはもっと遅くなっただろうから、駅に怒りの矛先が向かったのか、駅で乗客のトラブルが発生したという話もある。ただ、その時間に来るような古株の人なら「またか」という感じで案外大きなトラブルにはならなかったのかもしれない。
滝澤正光杯はAbema TVの競輪チャンネルで生中継されることになっていたが、なかなか中止の表示がされず、事情を知っている視聴者がコメントの書き込みで中止を説明するひと幕もあった。

関心の薄さが浮き彫りに…

NHKのニュースサイトでは12時前に第一報が出た。

しかしお昼の全国ニュースでは取り上げられなかったようで、なかなかこのニュースは拡散する気配がなかった。Twitterのトレンドに上がることはなく、ヤフーのワードランキングでも50位くらいまでしかあがってこなかった。
Twitterをやる層と競輪ファンの層があまり重ならないというのが大きな理由だろう。しかしそれでも結構衝撃的な話題だと思うのだが、世間の関心の薄さには逆に衝撃を受けた。もし同じ会社のシステムで動いているJRAにこんなトラブルがあったら大騒ぎだろうが、感覚で言えば40代から下くらいは競輪に関心がない人が多いのだろう。
16年前の作品「茄子 アンダルシアの夏」では、競輪選手とロードレース選手が対照的に描かれていた。今も金銭的な面では競輪選手のほうが儲かっているのだろうが、世間の関心は逆転しているかもしれない。
と、横道にそれたので元に戻ろう。その後、ナイター開催の別府は15時過ぎに、ミッドナイト開催の伊東と小倉も18時過ぎに中止が決まった。デイ開催の西武園と豊橋、ナイターの別府とミッドナイトの小倉は最終日を打ち切る形にしたが、まだ2日目だった伊東も2日を残して打ち切るという極めて珍しい対応となった。
ミッドナイトの2場のうち、先に中止が判明したのは小倉だった。公式発表の前に、小倉ミッドナイト中継のMCと実況を務める橋本悠督(ゆうすけ)氏がツイートした。

発売システムを構築している会社がよりによって社杯の日にトラブルとは。痛恨の極みであろう。
その後も伊東競輪に関しては中止発表はなく、地元の専門紙「ひかり」による並びの予想や買い目の表示もされたので、もしかしたら? と期待を抱かせたが、19時半頃に中止の表示に変わり、不正確なオッズ表示とともに並びの予想なども消えてしまった。
その後、4日の全開催も中止になることが発表され、2日連続で開催中止という初めての事態を迎えることになった。このことで、選手への影響が出てきている。

S級特昇リーチで開催中止の高橋晋也選手

特に気の毒なのは、西武園競輪に出場していたA級2班の高橋晋也選手(福島県・115期)だ。デビュー2場所目から3場所連続で完全優勝(開催の3日間のレースですべて1着)を果たし、8月にA級3班から同2班に特別昇進したばかりだが、9月に入り川崎と松戸でまたも完全優勝して、次も完全優勝なら一気にS級へ特別昇進となる状況で西武園に出場。初日、2日目と連勝し、3日の最終日の決勝でリーチがかかっていたのだ。
この場合、次に出場する予定の別府競輪(10日〜12日)で完全優勝をしなければならないのか、初日を勝てば9連勝となり3場所完全優勝と同等とみなされて特別昇進が決まるのか、はっきりしない。彼の力なら別府でも完全優勝しそうだが、そうなると通算20連勝で一気にS級まで駆け上がるということになる。
もうひとつは、GIの寬仁親王牌が迫っていることで、滝澤正光杯に参加している選手の調整が微妙になることが心配されている。もし5日から無事に滝澤正光杯が開催されたとしても最終日は8日で、11日にスタートする寬仁親王牌とは中2日しかなくなる。実際には10日が前検日だから、中1日と言ってもよく、両方出場予定の選手は調整に苦慮しそうだ。

システム障害の詳しい状況は

スポニチによれば、JKAが伝えた話として「オッズデータの提供、競走成績、番組編成などの入力処理ができなくなった」「出走表の確定もできない状況になった」と。
また、東京中日スポーツによれば「番組関係者は17時、いったんはシステム復旧を確認したが、3レース分を打ち込んだところでまたも画面が動かなくなり、その後の復旧の見込みも不透明となった」そうだ。
さらに4日早朝のNHKの記事によれば、「競輪のオッズデータを提供したり、競争成績を入力したりする全国統一のシステムを動かすデータセンターのサーバーで3日の朝から障害が発生し、利用できない状況になっている」という。「システム障害は一日たっても復旧のめどがたたない」とも。
競輪の情報システムに障害 全国で開催予定のレース中止に
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20191004/k10012111851000.html

1つの車券売り場での1日の場外発売の場数を増やすシステム改修をやったら昨日から障害が出たのでは、と見る人もいるが、ラ・ピスタ新橋ですでに8場同日発売が実現しており、信憑性はあまりない感じもする。
いずれにせよ、原因がわからないと対処のしようもないわけで、まずは早期の原因特定を期待したいし、速やかな完全復旧と5日からの再開ができることを祈りたい。

【続報】ホームページがメンテナンス入り

4日12時現在、keirin.jpがメンテナンスに入っている。しばらくは真っ白な状態だったが、12時前にメッセージが入った。

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同じ画面のようだが、12時過ぎの下では「安全ではありません」の文字が消えている。https:// あたりをいじっているのだろうか。いずれにせよ、今のところ明日の開催の可否は発表されていない。

【続報】松戸の滝澤正光杯は開催決定、ただし開催を打ち切られる競輪場も発生

その後、システム上の安全が確認されたとして、松戸G3(千葉代替)初日は2日間の順延。5日が初日の宇都宮、大宮、青森ミッドナイトは予定通り開催されることとなった。
一方、当初4日が初日で中止となっていた函館(ナイター)富山、玉野(ナイター)、武雄(モーニング7)は打ち切りとなった。

しばらく"メンテナンス中"になっていたkeirin.jpのホームページも復旧し、今まで通りの表示がされている。ひとつ気になったのは、けいマルガールズのリンクが外されていたこと。若い層にもアピールしようという企画で今月より7人の候補から3人を選ぶ投票を募っていたが、メンテナンスを境にリンクが切れてしまっている。なんらかの影響があったのかどうか。
とにかく、今日の競輪が無事に開催されることを祈りたい。

地元網走に帰ってきて5年半経ちました。元競馬専門紙編集部員。サッカーや野球、冬はカーリングなどスポーツ観戦が好き。もちろん、競馬も話題にしています。時事ネタや網走周辺の話題なども取り上げます。よろしければ、サポートもお願いいたします。