見出し画像

ヨーロッパカーリング選手権2023がいよいよ開幕!

ヨーロッパカーリング選手権2023のAディビジョンが、スコットランドのカール・アバディーンで現地時間11月18日から25日までの日程で開催される(日本との時差は−9時間)。
2024年の世界カーリング選手権は、まず女子が3月にカナダ・ノバスコシアで、さらに男子が3〜4月にスイス・シャフハウゼンで開催されるが、この大会はヨーロッパ地域の世界選手権予選も兼ねている。
ヨーロッパ以外の地域は、ひと足先に行われたパンコンチネンタルカーリング選手権で出場国が決定。日本は男女とも出場権を得た。パンコンチネンタルは出場枠が5ヵ国(女子は開催国カナダも含めて)だが、ヨーロッパの代表枠はこの大会の上位8ヵ国(男子は開催国スイスを含めた8ヵ国)。
なお、Bディビジョンはパースのデュワーズ・センターで同時期に開催される。また、Cディビジョンは4〜5月にスコットランドのダンフリースで開催され、男子は🥇ウクライナ、🥈リヒテンシュタイン、🥉ポーランド。女子は🥇ポーランド、🥈スロバキア、🥉アイルランドという結果だった。

昨年のAディビジョンはスコットランドとデンマークが優勝

ここで、昨年の大会でのAディビジョンの結果を振り返っておこう。昨年はスウェーデンのエステルスンドで、A・Bディビジョン合同で開催された。
男子は、ラウンドロビンで8勝1敗の成績で3ヵ国が並び、DSCの結果により1位スイス(スキップ/シュワラー)、2位スコットランド(ムアト)、3位イタリア(レトルナス)となり、6勝3敗で4位のスウェーデン(エリクソン)と合わせて4ヵ国がプレーオフに進出。
準決勝でスイスとスコットランドが勝ち、決勝では5-4でスコットランドが勝ち優勝した。2位にスイス、3位はイタリアだった。
女子は、ラウンドロビンで8勝1敗のデンマーク(デュポン)が1位。6勝3敗で並んだ2ヵ国は、直接対決で勝ったイタリア(コンスタンティーニ)が2位で負けたスイス(ティリンツォーニ)が3位。さらに5勝4敗で4ヵ国が並んだが、4ヵ国間の直接対決の成績でスコットランド(モリソン)が4位となった。
準決勝でデンマークとスイスが勝ち、決勝では8-4でデンマークが勝ち優勝。2位にスイス、3位はスコットランドだった。

それでは、Aディビジョンに出場する男女各10ヵ国を紹介しよう。国名の横の順位は国別ランキング、カッコ内はチーム別ランキング。(S)はスキップ、(V)はヴァイススキップ。ヴァイススキップを2人おいているチームがいくつかある。
デンマーク女子は事前のメンバー登録で入っていなかったマドレーヌ・デュポン選手が直前でメンバーに加わり、今まで通りスキップを受け持っている。

男子は連覇を狙うスコットランドなど10ヵ国

🥌チェコ🇨🇿 12位【77位】
4:ルーカス・クリマ(S)
3:マレク・チェルノフスキー(V)
2:マルティン・ジュリーク
1:ルーカス・クリパ
A:ラデク・ボハーチ

🥌フィンランド🇫🇮 15位【137位】
4:カレ・キスキネン(S)
3:ティーム・サロ(V)
2:レオ・オウニ
1:パーヴォ・クオスマネン
A:ジェルム・ポエネン

🥌ドイツ🇩🇪 9位【80位】
4:シクステン・トツェク(S)
3:ジョシュア・ストール(V)
2:マグナス・ストール
1:ヤン・ルカ・ハーグ
A:ベンジャミン・カップ

🥌イタリア🇮🇹 5位【1位】
4:ジョエル・レトルナス(S)
3:アモス・モサネル
2:セバスティアーノ・アルマン
1:マティア・ジョバネラ(V)

🥌オランダ🇳🇱 14位【22位】
4:ウーター・ゲスゲンス(S)
3:ローレンス・フックマン
2:ヤープ・ファン・ドルプ(V)
1:トビアス・ファン・デン・ハーク
A:アレクサンダー・マガン

🥌ノルウェー🇳🇴 7位【11位】
4:マグナス・ラムスフィエル(S)
3:マルティン・セサケル(V)
2:ベンディク・ラムスフィエル
1:ガウテ・ネプスタード(V)
A:ヴィルヘルム・ネス

🥌スコットランド🏴󠁧󠁢󠁳󠁣󠁴󠁿 2位【5位】
4:ブルース・ムアト(S)
3:グラント・ハーディ(V)
2:ボビー・ラミー
1:ハミー・マクミラン・ジュニア
A:カイル・ワデル

🥌スウェーデン🇸🇪 1位【4位】
4:ニクラス・エディン(S)
3:オスカー・エリクソン(V)
2:ラスムス・ラナー(V)
1:クリストファー・サングレン
A:ダニエル・マグナソン

🥌スイス🇨🇭 4位【6位】
4:ブノワ・シュワルツ(V)
3:ヤニック・シュワラー(S)
2:スヴェン・ミシェル
1:パブロ・ラハト
A:キム・シュワラー

🥌トルコ🇹🇷 17位【102位】
4:ウグルカン・カラゴズ(S)
3:ムハメット・ヘイダル・デミレル(V)
2:ムハメド・ゼキ・ウチャン
1:オルフン・ユス
A:ファルク・カヴァズ

女子は昨年優勝のデンマークなど10ヵ国

🥌チェコ🇨🇿 15位【58位】
4:アンナ・クベスコワ(S)
3:ミカエラ・バウディソワ
2:アネタ・ムレルノワ
1:クララ ・スヴァトノワ(V)
A:カロリナ・スンドワ

🥌デンマーク🇩🇰 9位【26位】
4:マドレーヌ・デュポン(S)
3:マチルデ・ハルセ(V)
2:ジャスミン・ランダー
1:マイ・ラーセン
A:デニス・デュポン

🥌エストニア🇪🇪 16位【72位】
4:マリー・カルドヴィー(S)
3:リーサ・ターマン(V)
2:ケルリー・レイドサルー
1:エリカ・トゥヴィケ
A:ハイリ・グロスマン

🥌ドイツ🇩🇪 12位【57位】
4:エミラ・アッベス(S)
3:ミア・ホーネ(V)
2:レナ・カップ
1:マイケ・ビール
A:ピア・リサ・ショーエル

🥌イタリア🇮🇹 10位【10位】
4:ステファニア・コンスタンティーニ(S)
3:マルタ・ロ・デゼルト(V)
2:アンジェラ・ロメイ
1:ジュリア・ザルディーニ・ラチェデッリ
A:エレナ・マティス

🥌ノルウェー🇳🇴 8位【19位】
4:クリスティン・スカスリエン(V)
3:マリアンヌ・ルヴィック(S)
2:ミッレ・ハスレフ・ノードバイ
1:マルティーヌ・ローディング
A:インゲボルグ・フォルブレグド

🥌スコットランド🏴󠁧󠁢󠁳󠁣󠁴󠁿 7位【13位】
4:レベッカ・モリソン(S)
3:ジェニファー・ドッズ(V)
2:ジーナ・エイトケン(V)
1:ソフィー・ジャクソン
A:ソフィー・シンクレア

🥌スウェーデン🇸🇪 2位【8位】
4:イザベラ・ヴラノー(S)
3:アルミダ・デ・ヴァル(V)
2:マリア・ラーソン
1:リンダ・ステンランド(V)
A:ジェニー・ワーリン

🥌スイス🇨🇭 1位【1位】
4:アリーナ・ペーツ(V)
3:シルヴァナ・ティリンツォーニ(S)
2:セリーナ・ウィッションケ
1:キャロル・ハワード
A:ステファニー・ベルセット

🥌トルコ🇹🇷 13位【62位】
4:ディルサット・ユルディズ(S)
3:オスナル・ポラット(V)
2:イファイエット・サファク・カリクス
1:バルフィン・シャングル
A:ミリバン・ポラット

Aディビジョンの日程

表記は日本時間。アバディーンとの時差は−9時間。

◆ラウンドロビン
18日18時(現地18日9時)からの女子セッション1からスタート。さらに、同日の23時30分(同14時30分)から男子セッション1が始まる。
ラウンドロビンは総当たりで行われ、女子は23日18時からのセッション9が最終試合。男子は同日23時からのセッション9が最後となる。

◆プレーオフ
ラウンドロビンの上位4ヵ国によってプレーオフが行われる。準決勝は1位対4位、2位対3位の組み合わせ。3位決定戦も行われる。

女子準決勝 24日04時
男子準決勝 24日18時

女子3位決定戦 24日23時
男子3位決定戦 25日04時

女子決勝 25日18時
男子決勝 25日23時

昨年の大会は準決勝から1試合ずつ行われたが、男子準決勝が日を跨いで行われるなど不公平な日程で不評だったのか、今年は準決勝の2試合が同時に行われる。

大会の配信

大会はRecastで全試合配信される。noteで視聴方法を検索すると、以前のCM映像を観てクレジットを貯める方法しか出てこないが、経営危機を経て立て直された後、現在は完全に有料化されたのでご注意を。以下、ほぼホームページの直訳。

ゲームとリプレイは、世界カーリング連盟のページ「カーリング チャンネル」を通じてRecastで表示されます。 ただし、Recast Web サイトにアクセスして配信を見るのではなく、試合は worldcurling.org で表示されます。

ここをクリックして  Recast アカウントにログインし、イベントのすべてのアクションを購入してください。

シングルゲームの価格は、解説なしの静的中継の場合は 1 ポンド (100 キャスト クレジット)、解説付きのブロードキャスト レベルのゲームの場合は 2 ポンド (200 キャスト クレジット) です。チャンネル パスは現在 14 日間利用可能で、価格は 19.99 ポンド (1999 年のキャスト クレジット) です。チャンネル パスで購入したゲームは 14 日間の期限が切れると期限切れになることには注意してください。 ※1ポンド=約188円

大会の概要と主な参加国の紹介

ヨーロッパ選手権は48回目の開催となり、スイスのグリュイエールチーズメーカーのLe Gruyère  AOPがスポンサーとなってから21回目の大会となる。
Aディビジョンの開催地のアバディーンは、スコットランド北東部にある北海に面した港湾都市で、沖合の石油産業で栄えており、国際色豊かな人々が暮らしている。建物の多くが頑丈な灰色の石でできていることから「花崗岩の町」と呼ばれている。
ちなみに、花崗岩でできるカーリングのストーンは、スコットランド中西部の小さな無人島、アイサクレイグ島でしか産出されない。
冒頭の建物の写真が、会場のカール アバディーン。アバディーンの西に位置する、カーリング専用に建てられた最先端のカーリング施設だ。2005年にオープンしたカール アバディーンは、2009年のヨーロッパカーリング選手権をはじめ、多くの競技会やイベントを開催してきた。今シーズンは、10月に世界ミックスカーリング選手権の会場にもなった。
6シートを有するスコットランド北東部で唯一のカーリング専用施設で、8歳以上の700名を超えるメンバーが毎日プレーを楽しんでいる。

冒頭で少し触れたように、ヨーロッパカーリング選手権はそれ自体が選手権であるだけでなく、シーズン後半に開催される世界選手権の予選としての役割もある。
男子は、2024年4月にスイスのシャフハウゼンで開催されるLGT世界男子カーリング選手権2024への出場権が懸かる。開催国のスイスを含むヨーロッパの8ヵ国が世界選手権への出場権を獲得する。
女子の各国は、2024年3月にカナダのノバスコシア州シドニーで開催されるBKTタイヤ世界女子カーリング選手権2024への出場権を懸けてプレ一する。上位8ヵ国が世界選手権の出場権を獲得する。
なお、男女ともにAディビジョンの下位2チームが来季のBディビジョンに降格、Bディビジョン上位2チームが来季のAディビジョンに昇格する。

男子で連覇を狙うスコットランドは、地元開催でより気合が入る。チームムアトは、今シーズンすでにユーロスーパーシリーズなど2大会で優勝しており好調をキープして大会に臨む。直前にはユニクロとユニフォーム契約という話題も。
昨年準優勝スイスのチームシュワラーは、今シーズンはまだ優勝がないが、先日グランドスラムの1つであるナショナルでベスト4。しっかりとここに向けて調子を上げてきている。
昨年3位のイタリアは、これが15回目の出場となるレトルナス選手のチーム。今シーズンはナショナルやツアーチャレンジといった大きな大会で優勝、チームランキング1位だ。
昨年惜しくも4位とメダルに届かなかったスウェーデンは、国別ランキング1位の力を見せつけたい。チームエディンは直前のナショナルで準優勝と、仕上がりはかなり良さそうだ。
ノルウェーからはチームラムスフィエルがチームとしては初出場。2019年のユニバーシアードで金メダルを獲得している。ラムスフィエル選手はミックスダブルスでも活躍している。
昨年Bディビジョンで優勝したオランダ、準優勝のフィンランドが昇格組である。

女子のディフェンディングチャンピオンのデンマークは、事前にはマドレーヌ・デュポン選手がメンバー外で、ハルセ選手をスキップとしていたが、なんとM・デュポン選手を直前で登録変更でメンバーに入れてしかも今まで通りスキップに。緊急事態なのか予定通りなのかは不明。
昨年準優勝だったスイスは、世界選手権では優勝。現在国別ランキングで1位、チームティリンツォーニとしても1位。今シーズンは9月のWomens Masters Baselなど3大会で優勝。
昨年3位のスコットランドは、昨年に続いてチームモリソンが出場する。今シーズンはツアーチャレンジでベスト8などここまで優勝はないが、勝負強さは侮れない。
昨年4位のイタリアも、昨年と同じチームコンスタンティーニが出場。ツアーチャレンジとザ・ナショナルでベスト8など今シーズンはまだ優勝はない。コンスタンティーニ選手は、2022年北京五輪のミックスダブルスで金メダルを獲得している。
スウェーデンは国別ランキングで現在2位。チームメンバーは全員が世界ジュニアメダリストであり、2017年にはそのうち4人が金メダルを獲得した。今シーズンはザ・ナショナルでベスト8。
昨年Bディビジョンで優勝したエストニア、準優勝のチェコが今大会で昇格している。

Bディビジョンには男子16ヵ国、女子10ヵ国が出場する。
男子は2つのグループに分かれてラウンドロビンを戦う。
グループA⋯ ベルギー、デンマーク、エストニア、フランス、ハンガリー、ラトビア、ポーランド、ポルトガル
グループB⋯ オーストリア、イングランド、スペイン、アイルランド、リヒテンシュタイン、スロバキア、ウクライナ、ウェールズ
女子⋯ オーストリア、ベルギー、イングランド、フィンランド、ハンガリー、ラトビア、リトアニア、ポーランド、スロベニア、スロバキア

Aディビジョンは、男女ともヨーロッパ各国のトップレベルチームが顔を揃え、激戦が期待される。9時間の時差があり、視聴が厳しい時間帯の試合もあるが、日本代表が世界選手権で戦う国が決まる大会。ぜひ、Recastなどを通じて熱い戦いにご注目を!

大会ライブスコア

世界カーリング連盟の𝕏(旧Twitter)

世界カーリング連盟のInstagram

地元網走に帰ってきて5年半経ちました。元競馬専門紙編集部員。サッカーや野球、冬はカーリングなどスポーツ観戦が好き。もちろん、競馬も話題にしています。時事ネタや網走周辺の話題なども取り上げます。よろしければ、サポートもお願いいたします。