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まだまだカーリングシーズンは終わらない。 帯広の大会に注目!

チャッスー(松村千秋・谷田康真)ペアの世界ミックスダブルス銀メダル、チーム北海道の世界シニア銅メダルの感動が覚めやらぬが、これで2022-2023シーズンが終わったわけではない。
ゴールデンウィーク真っ只中の5月4日より7日までの日程で、北海道・帯広市のカールプレックスおびひろカーリングホールにおいて「第6回 ICE GOLD CUP」が開催されるのである。
この大会について、ご紹介していきたい。

🥌ICE GOLD CUPとは

ICE GOLD CUPは、2017年にスタートした大会で、年によって、男女別に開催されたり、オープン大会として男女チームが混合で参加したり、チーム内で男女混成OKだったり、今年のように女子の参加希望チームが所定の数に達せず男子だけの大会になったりと、開催内容が変遷している。
過去5回の上位チームを振り返ると--

◎第1回(2017年)
🥇晩成カーリングクラブ(名寄/帯広)
🥈CP帯広(帯広)
🥉帯広市役所(帯広)

ICE GOLD CUPは、APCT大会(アジアパシフィックカーリングツアー)の1つとなり、帯広初の賞金大会として2017年にスタートした。第1回のこの年は11月に行われ、道内から8チームが参加した。
チームの4人の編成が男子・女子・混合どれでもOKというユルい大会で、晩成カーリングクラブは竹田夫妻に男性2人というメンバーだった。準優勝は開催地をホームリンクとする女子チーム。第3位の帯広市役所には大野福公選手も参加していた。

◎第2回(2018年)
🥇KiT CURLING CLUB(北見)
🥈チーム青葉(東京)
🥉北見工業大学(北見)

2018年から9月に移り、この年も男子・女子・混合いずれもOKで合わせて12チームが参加した。道外からHard Nuts、チーム青葉(ともに東京)、Maple Leafs(神奈川)が遠征し、全国規模の大会となった。
「北見の地からオリンピック金メダルへ」をスローガンに掲げてこの年に結成されたばかりのKiT CCが優勝。先日の世界シニアでメダルには手が届かなかったものの大健闘だった軽井沢C.C.SENIORでリードを務めた大塚明選手が、準優勝のチーム青葉でスキップを務めていた。第3位の北見工大は、2019年の日本選手権に駒を進めている。

◎第3回(2019年)
☆男子の部
🥇KiT CURLING CLUB(北見)
🥈LOHAS(札幌)
🥉Maple leafs(神奈川)

この年は、男女別に開催された。道内8チーム、道外4チームの12チームが参加した男子の部は、KiT CCが連覇を達成。準優勝は札幌で長く活動を続けているLOHAS。第3位はMaple Leafsで、2018年よりWorld Curling Tour Japanのチェアマンとして活動されている青木学選手が加わっていた。

★女子の部
🥇SC軽井沢クラブJr.a(長野)
🥈チーム札幌(札幌)
🥉Team Tanaka(青森)

女子は10チームが参加し、内訳は道内7チーム、道外2チーム、道内・道外混成が1チーム。 この大会に‪SC軽井沢クラブから出場したのは金井亜翠香選手らの1チームだったが、当時もう1チームも活動していたため「a」をつけていた。女子の部は現地観戦していて、優勝が決まった時の映像がこちら。

準優勝は札幌、第3位は青森のそれぞれ伸び盛りの選手が揃ったチーム。Team Tanakaは、2月の日本選手権で旋風を起こしたフィロシーク青森の田中美咲選手が率いていたチームで、ガードを際どくかわすスーパーショットで第3位を決めた。

◎第4回(2021年)
🥇LOHAS(札幌)
🥈晩成カーリングクラブ(名寄/北見/札幌)
🥉北見工業大学A(北見)

2020年の大会はコロナ禍の影響から延期となり、2021年3月に賞金はなく男女混合の大会に戻ってすべて道内の12チームが参加して開催された。前回準優勝だったLOHASが初優勝。晩成CCは、高松賢司選手や似里浩志選手らがメンバーになっていた。北見工大Aには、KiT CC創設時のメンバーだった十鳥聡太選手が参加していた。

◎第5回(2022年)
🥇checkmate札幌(札幌)
🥈LOHAS(札幌)
🥉レクス(帯広)

昨年も男女混合のオープン大会として3月に開催。参加したのは、Jewelry Ice/レクス/いしざんまい/Lizards/ノーザンライツ/LOHAS/NOSH/checkmate札幌/LOCO STELLA/SC軽井沢クラブJrの10チーム。内訳は、道内9チーム、道外1チーム(SC軽井沢クラブJr=長野)。
優勝は、敦賀爽太、大内拓斗、大内遙斗、金沢直輝、青木亮の5選手が名を連ねたcheckmate札幌が初優勝。前年優勝のLOHASが準優勝、第3位には地元の強豪チームのレクスが入った。また、Jewelry Iceが第4位に、LOCO STELLAが第6位に健闘した。

🥌カールプレックスおびひろカーリングホールについて

ここで、会場のカールプレックスおびひろカーリングホールについて、以前の大会の記事と重複するが、あらためてご紹介したい。

十勝唯一の屋内カーリング場。通年カーリング場の草分けとなった施設でもある。
十勝愛好家の夢と情熱が詰まった施設
2019年の第3回大会の時の入り口

最初は1棟2シートだったが、同じサイズのものがもう1棟建てられ、現在は4シート。2棟はシート部分は別棟だが、他の部分でつながっている。

新しい建物のシートAとシートB
最初に建てられたほうのシートCとシートD
1階も2階も繋がっている
奥がシートCとDがある古い建物
カールプレックスおびひろの裏手にある建物の
外壁にあった看板

「寒冷気候は宝物」なのである。カーリング場を通年稼働させるためには、多くのランニングコストが必要となる。そこでカールプレックスおびひろでは、冬季の気候を利用して製氷を行い、夏季にその冷熱を活用するアイスシェルタ一の技術を導入しているのだ。
建物の中に250㌧もの氷を貯蔵し、除湿・冷房・換気に利用することで、環境にやさしくコストを抑えた運営を実現している。なかなか冬の寒さからエネルギーを得るとか考えにくいが、「冬の寒さは無限の資源」というコンセプトで、活用する研究や開発に努めてきたという。
これまでに雪冷熱を使った冷房はあるが、雪の場合は年によって降雪量に違いが出てきたりする悩みがある。一方、アイスシェルターは、「貯水庫」に水を張ったコンテナを置いた施設である。冬季に自然の冷気で水を凍らせ、夏季には氷が解けて冷気を発することで低温を保つ。アイスシェルターは積雪量の多寡にかかわらず0度を下回る寒冷な気候であれば活用が可能なのだ。
また、ため置いた水がエネルギー源なので、雪のように運搬のためのエネルギーやコストをかける必要がないのも特長だ。とても理に適ったものであり、エコという観点からもすぐれた施設といえる。今後力ーリング場にかかわらず同規模の建物をつくる時に大いに参考にしてほしいものだ。

ちなみに、ちょっとカーリングから逸れるが、uhbの「みんテレ」に出演されている気象予報士の菅井貴子さんが昨年こんな講演をされた。

温暖化で「道内は寒冷化が進む」 菅井気象予報士が講演 道新政経懇:北海道新聞デジタル

温暖化によって北極海の氷が溶け、気圧配置が変わることで、「北海道に寒気が流れやすくなり、道内は寒冷化が進む」と予想しているそうだ。地球温暖化といっても、どこもかしこも温暖になるというわけではなさそうで、寒冷気候とどう向き合うかも北海道で暮らす者には重要なポイントになってきそうである。

🥌出場10チームの顔ぶれ

それでは、大会に出場する10チームを紹介しよう。内訳は、道内9チーム、道外(青森)1チーム。今回は、わかる範囲でチームや選手のTwitter、Instagramのリンクをつけてみた。

☆帯広畜産大学(帯広)
 Team KAWAHIRA
渡邊 凌太/柴崎 智也/大川 侑己/川平 晴信/小野寺 慧

☆Cyclops(帯広)
 Team NAKAGAWA
仲川 翼/吉田 英志郎/花田 亮太/前田 王子/川平 景虎

☆帯広協会(帯広)
 Team OHNO
太田 歩/中川 瑛斗/大野 福公/橋本 孝広/Terry uyeda

☆北見工業大学(北見)
 Team HONDA
木下 遼一郎/小穴 一詠/山村 竜/本田 裕之/水内 隼也

☆ロコ・ドラーゴ(北見)
 Team MAEDA
上川 憂竜/前田 拓紀/中原 亜星/前田 拓海

☆アイスライン(北見)
 Team NAKAHARA
中原 太亜/道谷 陽太/竹村 璃玖/木村 優太

☆高松製作所(札幌)
 Team TAKEDA
竹田 直将/高松 賢司/笠井 祐太朗/芥川 佳祐

☆Full-Skewer(札幌)
 Team MAKANAE
蒔苗 匠馬/山本 友稀/南 郁慧/工藤 将暉/仁平 大樹

☆LOHAS(札幌/富山)
 Team KAWANO
堀越 直人/高橋 駿/松岡 和輝/河野 幹太郎/沙魚川 拓生

☆チーム石村(青森)
 Team ISHIMURA
工藤 竣葵/石村 悠温/中川 裕斗/石村 潤恩

🥌タイムスケジュールなど

5月4日は開会式と公式練習が行われ、いよいよ5日から競技が始まる。
スケジュール、ブロック分けなどがツイートされた。

公式練習の模様はこちら。このチャンネルで試合も配信される。
カールプレックスおびひろカーリングホールチャンネル

過去の大会に実績あるLOHAS、ロコ・ソラーレの"弟分"となったロコ・ドラーゴ、日本選手権の出場経験があるチーム石村などの戦いぶりは楽しみだし、個人に注目すれば4人制の日本選手権では実況を務め、日本ミックスダブルス選手権では選手として健闘した二刀流? の南郁慧選手や、YouTubeの応援解説ですっかりお馴染みの大野福公選手のプレーにも期待したいところ。
配信やSNSを通じて熱い声援を送って、ゴールデンウィークのカーリングシーンを盛り上げたい。

地元網走に帰ってきて5年半経ちました。元競馬専門紙編集部員。サッカーや野球、冬はカーリングなどスポーツ観戦が好き。もちろん、競馬も話題にしています。時事ネタや網走周辺の話題なども取り上げます。よろしければ、サポートもお願いいたします。