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パシフィックアジアカーリング選手権が開幕!

11月6日から13日までの日程で、カザフスタンのアルトマイで「第31回パシフィックアジアカーリング選手権(以下、PACC)2021」が開催される。
日本からはTM軽井沢(男子)と北海道銀行フォルティウス(女子)が出場する。PACCにTM軽井沢は初出場、北海道銀行フォルティウスは3回目となる。
大会の概要をお伝えする。

🥌男子は7ヵ国、女子は4ヵ国が出場

今回のPACC男子で1位の国または地域は、2022年世界男子カーリング選手権大会、同女子の1位と2位の国または地域は2022年世界女子カーリング選手権大会に出場する権利を得る。
また、男子大会の2位と3位、女子大会の3位と4位の国または地域は、世界選手権の出場をかけた世界最終予選2022に出場する権利を得る。

男子は、日本の他にチャイニーズ・タイペイ、香港、カタール、サウジアラビア、韓国、それに開催国のカザフスタンの計7ヵ国が出場する。女子は、日本の他に香港、韓国、それに開催国のカザフスタンの計4ヵ国が出場する。当初、出場予定だったナイジェリアは、ビザの取得が大会に間に合わないことが判明したため、出場を取りやめた。主催は世界カーリング連盟。
大会は1991年から毎年11月から12月の間に男女同会場で行われている。2010年まで大会の名称は、パシフィックカーリング選手権(Pacific Curling Championships)だったが、2011年大会から現在の名称に変更された。
日本では過去9回開催されている。記念すべき1991年の第1回大会は、相模原市の銀河アリーナで男子が3ヵ国、女子は2ヵ国が出場して開催され、日本は男子が準優勝、女子は優勝という成績だった。
1992年の第2回大会は軽井沢で行われたが、男子大会だけで女子は日本以外にエントリーがなく開催されなかった。その後は常呂や軽井沢、青森でも開催され、オーストラリアが開催を辞退した2006年の第16回大会は、日本が代替開催を引き受け、西東京市のダイドードリンコアイスアリーナで開催された。日テレ入社前年の夏目三久さんが場内実況を務めた大会としても知られている。
昨年の第30回大会は稚内で開催される予定だったが、新型コロナウイルス感染症の世界的な流行のため中止となった。

2019年の第29回大会は、男子が10ヵ国、女子が8ヵ国出場して中国の深圳で開催され、男子は韓国が優勝して日本(北海道コンサドーレ札幌)は準優勝、中国が3位だった。女子は中国が優勝、日本(中部電力カーリング部)は準優勝、韓国が3位。
今年の大会は、一昨年に比べて男子が3ヵ国(オーストラリア、ニュージーランド、中国、ナイジェリアが不参加、新たにサウジアラビアが参加)減、女子が4ヵ国(オーストラリア、中国、カタール、チャイニーズ・タイペイが不参加)減となっている。

大会はラウンドロビン(予選)が男子は全チーム1回総当たり、女子は同2回総当たりで行われ、上位4ヵ国が準決勝進出となる。準決勝では予選の1位と4位、2位と3位が対戦し、勝者が決勝へ進み、敗者は3位決定戦に回る。

🥌出場する日本のチームは

☆男子 TM軽井沢
 
フォース 両角 友佑(36歳、Skip)
 サード  岩井 真幸(36歳、Vice-Skip)
 セカンド 宿谷 涼太郎(26歳)
 リード  両角 公佑(33歳)

拠点は長野県北佐久郡軽井沢町。長野県カーリング協会所属。創設は2019年で、当時から両角兄弟と元札幌国際大学の2人というメンバーは変わっていない。
2019年8月のワールドカーリングツアー(WCT)アドヴィックスカップでツアー初優勝。第37回(2019-20シーズン)日本選手権準優勝。

★女子 北海道銀行フォルティウス
 
フォース 吉村 紗也香(29歳、Skip)
 サード  小野寺 佳歩(29歳)
 セカンド 近江谷 杏菜(32歳)
 リード  船山  弓枝(43歳、Vice-Skip)
  ※小野寺選手は大会期間中の11日が誕生日

拠点は北海道札幌市。札幌カーリング協会所属。創設は2011年で、結成当初は小笠原歩選手や現ロコ・ソラーレの吉田知那美選手も所属していた。過去に苫米地美智子選手が加わっていた時期がある。昨年加入した伊藤彩未選手、今年加入の田畑百葉選手も含め6人体制だが、今年11月30日をもって北海道銀行のスポンサー契約が終了し、12月より『フォルティウス』として活動する予定。北海道銀行は新たに北海道銀行女子カーリング部を設立する方針で、伊藤・田畑両選手が離脱して新チームに移籍する予定。
日本選手権には10回出場し、優勝2回(2014-15、2020-21)、準優勝3回、3位3回、4位2回とすべて予選を突破している。パシフィックアジア選手権は2013年上海大会と2014年軽井沢大会の過去2回出場していて、いずれも3位。
2014年のソチ五輪で5位、世界選手権は2015年札幌大会で5位、2021年カルガリー大会で11位。

🥌他の出場国の顔ぶれ

☆男子
●チャイニーズ・タイペイ
4 : LIN Ting-Li (Skip)
3 : WANG Nelson (Vice-Skip)
2 : YIN LIU Luis
1 : CHENG Kai-Wen
A : LEE Victor

●香港
4 : CHANG Jason (Skip)
3 : CHEN Justin (Vice-Skip)
2 : CHENG Woody
1 : YEW Harry

●カザフスタン
4 : Viktor KIM (Skip)
3 : Adil ZHUMAGOZHA (Vice-Skip)
2 : Aidos ALLIYAR
1 : Azizbek NADIRBAYEV
A : Madiyar KORABAYEV

●韓国
4 : KIM Chang-Min (Skip)
3 : KIM Soo-Hyuk (Vice-Skip)
2 : JEON Jae Ik
1 : KIM Hak Kyun

●カタール
4 : Nasser ALYAFEI (Skip)
3 : Abdulrahman MOHSEN (Vice-Skip)
2 : Mouaaz MLIS
1 : Mohammed AL-KELDI

●サウジアラビア
4 : Alastair FYFE (Skip)
3 : Munir ALBEELBISI (Vice-Skip)
2 : Hussain HAGAWI
1 : Suleiman ALAQEL

★女子
●香港
4 : HUNG Ling-Yue (Skip)
3 : SHANG Ada (Vice-Skip)
2 : WONG Ashura
1 : HU Pianpian

●カザフスタン
4 : Angelina EBAUYER (Skip)
3 : Sitora ALLIYAROVA (Vice-Skip)
2 : Tilsimay ALLIYAROVA
1 : Regina EBAUYER
A : Ayazhan ZHUMABEK

●韓国
4 : KIM Eun-Jung (Skip)
3 : KIM Kyeong-Ae (Vice-Skip)
2 : KIM ChoHi
1 : KIM Seon-Yeong
A : KIM Yeong-Mi

※4=フォース、3=サード、2=セカンド、1=リード、A=オルタネート(交替選手)


🥌日本の対戦日程

時間は日本時間。
 ※日本とカザフスタンの時差は3時間(日本が進んでいる)。

☆男子
【ラウンドロビン】
①香港戦 7日12時〜 (Session1) Dシート
②韓国戦 8日12時〜 (Session4) Cシート
③チャイニーズ・タイペイ戦 8日22時〜 (Session6) Eシート
④カザフスタン戦 9日17時〜 (Session8) Eシート
⑤サウジアラビア戦 10日22時〜 (Session12) Bシート
⑥カタール戦 11日17時〜 (Session14) Aシート

【決勝トーナメント】
準決勝 12日13時〜
3位決定戦 13日13時〜
決勝 13日18時〜

★女子
【ラウンドロビン】
①香港戦 7日12時〜 (Session1) Cシート
②カザフスタン戦 7日22時〜 (Session3) Eシート
③韓国戦 8日12時〜 (Session4) Aシート
④韓国戦 9日22時〜 (Session9) Dシート
⑤香港戦 10日17時〜 (Session11) Aシート
⑥カザフスタン戦 10日22時〜 (Session12) Cシート

【決勝トーナメント】
準決勝 12日18時〜
3位決定戦 13日13時〜
決勝 13日18時〜

🥌大会の見どころ

男子は、PACC初出場となるTM軽井沢の戦いぶりに注目。3日のオンライン会見でスキップの両角友佑選手は「チームとして何が足りないのか、世界での戦いで見えてくると思う。代表の試合を経験できるのはすごくいい機会」と話したという。
両角友佑選手自身は、女子の中部電力カーリング部のコーチとして世界レベルの大会に帯同しているが、選手として日の丸を背負うのは初めて。2026年のミラノ・コルティナダンペッツォ五輪への足がかりの大会となるか。
女子は北海道銀行フォルティウスとして最後の大きな舞台となる選手たちの思いを感じたい。スキップの吉村選手は会見で「今大会は4人体制で臨むが、やることは変わらない。目の前の1試合1試合に集中したい」と話し、さらに「北海道銀行とフォルティウスはそれぞれ違う道に進んでいくが、カーリング選手であることは変わらない。自分たちの道へ、一生懸命頑張っていくだけ」と続けたそうだ。
世界選手権では11位と不本意な成績だっただけに、今後の活動へ向けてしっかりと戦い、アピールをしたい。

残念ながらBSやCSでのテレビ中継は無いようだが、SNSなどを通じて日本代表の両チームに声援を送り、好結果を期待したい。

地元網走に帰ってきて5年半経ちました。元競馬専門紙編集部員。サッカーや野球、冬はカーリングなどスポーツ観戦が好き。もちろん、競馬も話題にしています。時事ネタや網走周辺の話題なども取り上げます。よろしければ、サポートもお願いいたします。