札幌国際大学女子がLarry Jones Junior Classicを優勝！

カーリングの国内外の主要な大会の経過は、curlingzone.comで追うことができるのだが、ジュニアの大会などは記載されないことがある。
カナダのマニトバ州の州都ウィニペグで開催されたLarry Jones Junior Classicは紹介されておらず、𝕏(旧Twitter)で途中経過を伝えることができなかったが、結果を知ることができたので、多少情報を加えながらお伝えしたい。

Larry Jonesという名前で検索すると、アメリカンフットボールやバスケットボール、レスラーや競馬の調教師が出てくるが、ウィニペグのセントバイタルカーリングクラブで長年カーリングの普及活動をされた方で、1955年から同クラブの会員となり、1983〜84年にはクラブの会長を務めた。

ラリー・ジョーンズさん

ラリーは愛称で、ジェフリー・ローレンス・ジョーンズが本名。あの名選手ジェニファー・ジョーンズさんの父で、彼女のコーチとして2005年にはマニトバ州で開催されたカナダ選手権で初優勝に導いた。
多大な貢献が認められ、彼はセントバイタルカーリングクラブとマニトバカーリング協会の終身名誉会員に任命された。そして、彼の名声を讃えて、彼のホームクラブでラリー・ジョーンズ・ジュニア・クラシックが催されるようになった。
ウィニペグで開催される大小さまざまなカーリング大会にボランティアで参加し、特に世界中のチームのチームドライバーを務めることが大好きだったという。ラリーさんは、惜しまれながら2019年5月21日に逝去されたが、彼の名前と人柄、貢献は、大会名とともに後世に語り継がれるだろう。

今年で9回目を迎えた大会には、カナダのチームと日本から札幌国際大学女子が参加して、現地時間で9月22日から24日にかけて開催された。

セントバイタルカーリングクラブのFacebookより

各試合の結果は次のとおり。

★Draw1
Miura(札幌国際大学女子)🔨
００２３ ２１ＸＸ＝８
１１００ ００ＸＸ＝２
Buchalter

★Draw2
Miura🔨
２０１０ ２１０Ｘ＝６
０１０１ ００１Ｘ＝３
Ryssel

★Draw3
Miura🔨
１００１ ０１０Ｘ＝３
００１０ ３０１Ｘ＝５
Rugg

★Draw4
Schlechter
０１２０ ０１０Ｘ＝４
２００３ １０２Ｘ＝８
Miura🔨

★Draw7
Miura🔨
１００２ １００１＝５
００１０ ０２１０＝４
Rugg

★決勝
Miura🔨
１３００ １４ＸＸ＝９
００００ ００ＸＸ＝０
Ryssel

決勝では、相手チームを完封する圧勝で、見事に優勝を遂げた。あらためて、おめでとうございます！

札幌国際大学女子は、名寄市出身の幼馴染みカルテットで、スキップ三浦由唯菜、サード松永愛唯、セカンド佐久間優名、リード高橋佑奈の4選手がメンバー。
今年2月の世界ジュニア選手権で銀メダルを獲得した三浦、松永、佐久間の3選手に、一時チームを離れていた高橋選手が専門学校を退学して合流する形で再び4人が揃った。
札幌国際大学は近年男子チームの活躍が顕著だが、かつては女子も2010〜14年に吉村紗也香選手や石垣真央選手らが所属し、2013年の世界ジュニア選手権で銅メダルを獲得したことがある。
結成は、リードの高橋選手が小学5年、他の3人が小学4年の時。発足時につけたチーム名はJJクレッシェンド。「JJ」は女子とジュニアの頭文字で、クレッシェンド(イタリア語・crescendo)は「だんだん強くなる」という意味の音楽記号から取った。
4人ともピアノ経験者だったことで付けた名前だそうだが、全員カーリングにのめり込んだために、小学校で音楽からは遠ざかったという。
高校が別々になったり1つ学年が上の高橋選手が札幌の専門学校に進学して一時離脱するなどで全体練習の時間が減ったが、それでも元々のポテンシャルは高く、3月の日本ジュニア選手権で準優勝。
前述のとおり3選手が世界ジュニア選手権で銀メダルを獲得したほか、三浦選手は前年の同大会で金メダルを手にした。全員が「五輪出場が目標」と声を揃える。

カナダの別の大会には、日本から5チームが出場して中部電力、ロコ・ステラなど4チームが予選を突破。突破できなかったのがロコ・ソラーレだけだったという予想もつかない展開だった。
ロコ・ソラーレ自体はまだピークに持っていくのは先だろうとは思われるが、日本の女子チームの実力が高いレベルで接近してきたことは間違いないだろう。
そこに、今大会の優勝でさらに自信を深めて今シーズンに挑む札幌国際大学女子が加わる。仲良しジュニアチームがどんな旋風を巻き起こすか注目していきたい。

真ん中はラリーさんの奥様。セントバイタルカーリングクラブのFacebookより