カーリング

全農 日本カーリング選手権迫る! 男子チームプレビュー

2月11日から札幌市豊平区にあるどうぎんカーリングスタジアムで開催される第36回全農 日本カーリング選手権大会。今回は、男子の9つの出場チームを紹介しつつ、大会を展望をしてみたい。

=男子出場チーム=

札幌国際大学(前年度優勝)前シーズンは、メンバーのうちの3人がチームIWAIとしてプレー、2018年の日本選手権を優勝した。新体制になってわずか2ヵ月ほどで制覇する快挙だった。青木豪選手は世界ジュニア選手権Bに出場した経験があるほか、青木選手と宿谷涼太郎選手はミックスダブルスの日本選手権で2位と3位に入賞したことがある。3月の世界選手権は3勝9敗で13チーム中11位に終わったが、経験値は高まり、2連覇も十分あり得る。

コンサドーレ(平昌五輪代表枠)五輪代表はSC軽井沢クラブだったが、いったん解散となったため、2018年の日本選手権を準優勝した4REALを母体として8月に発足し、SC軽井沢から清水徹郎選手が加入して、パシフィックアジア選手権で日本男子としては2年ぶりの優勝を遂げたコンサドーレに出場権が渡った。阿部晋也選手はトリノ・バンクーバー五輪女子日本代表(チーム青森)監督。スキップの松村雄太選手は、札幌学院大学時代に名寄協会の吉川和希選手とともに2014年の大学選手権を優勝した経験がある。海外への長期遠征で力を蓄え、当然優勝候補の筆頭だ。

名寄協会(北海道地区優勝)北海道大会では予選リーグで4勝3敗で並んだチームに直接対決で1点差勝ちしていたことで4位となり決勝トーナメントに辛くも進出。すると見事に連勝して優勝を果たし、代表の座をつかんだ。普段のチーム名は晩成カーリングクラブ。昨年に続いての出場となる。スキップの竹田直将選手はミックスダブルスでも奥様とペアを組んで活躍されている。また、札幌の所属選手としてコンサドーレの阿部晋也選手や松村雄太選手とともに日本選手権に出場したこともある。勝負強さを本大会でも発揮できれば面白い存在になる。

チーム松澤(北海道地区準優勝)北海道大会は予選3位で勝ち上がり、準優勝を果たして大会初出場を決めた。普段のチーム名は札幌LeLeLe。スキップの松澤知憲選手は岩手県出身で札幌在住。チームの特徴はロシア人選手が加わっていることで、4人制ミックスカーリングの大会でも活躍しているデニス・ペトロパブロブスキー選手のプレーぶりに注目。また、昨季はチームIWAIにいた青山豊選手が移籍しており、いぶし銀の技に期待。

北見工業大学(北海道3位)北海道に3枠与えられるのは今年まで。予選1位ながら準決勝で敗れて3位決定戦に回ったが、そこで高松製作所を下して出場権を手に入れた。スキップの鹿野大貴選手は社会環境工学科の学生で、ユニバーシアードに平田洸介選手らとともに出場した経験がある。また、「カーリングのストーンが曲がるメカニズム」などの論文を共著している。頭脳派のプレーが大会に波乱を起こす。

チーム石村(東北優勝)青森県大会では3位に甘んじたが、東北選手権では予選リーグを2位で突破し、決勝トーナメントを連勝して見事に優勝。普段はレジェンドというチーム名でベテラン選手の集まりっぽいが、実際は青森高校と青森南高校の生徒たちによるチームで、今大会はコーチの今千宏選手がリザーブで入る。今選手は一昨年の日本選手権では青森CAの選手として出場し、チームは6位に健闘。経験者がどう若い選手を導くか楽しみだ。

チーム東京(関東優勝)SC軽井沢にいた両角公佑選手が加入し、一段とパワーアップした。東京I.C.E.というチーム名で出場した関東選手権は、決勝こそチーム青葉に苦しめられたが、それ以外は実力をみせつけて快進撃。8年連続出場となる。チームは2003年にスキップの神田順平選手らが東京大学に入学した時にサークルを立ち上げたのが発祥。華麗なプレーと派手なウエアが見どころのエリートチームから目が離せない。

長野県CA(中部優勝)唯一チームに残った山口剛史選手率いる新生・SC軽井沢クラブを中部選手権決勝で11-4という大差で破り、本大会出場を決めた。普段はIgnites長野というチーム名で活動。メンバーのうちの3人は、2017年の全日本大学選手権の優勝メンバーという実力を誇る。スキップの松村勇人選手はカーリング一家の末っ子で、兄はコンサドーレのスキップの雄太選手、姉は中部電力サードの千秋選手。兄弟スキップ対決も興味津々だ。

京都CA(西日本優勝)西日本選手権では予選リーグから全勝で優勝、やや力が劣るとみられがちな西日本勢だが、今年はひと味違いそうなチームが本大会の切符を手にした。普段のチーム名はRodeo Skip!  で、2011年に結成された。スキップの森田靖大選手は2011年の第28回大会にチーム島根のリードとして参加しているし、2012年にはミックスダブルスの日本選手権にチーム阪神のメンバーとして出場するなど経験豊富。大物食いをと腕を撫す西の伏兵に要注目。

今年は混戦模様だ
実力が一枚も二枚も上だったSC軽井沢クラブ一強体制が終わり、群雄割拠の時代に入った。地区予選で敗退し、山口選手や平田選手の姿が見られないのは残念だが、それだけ多くのチームが力をつけてきたということだろう。一応、パシフィックアジア選手権優勝の実績を買ってコンサドーレ本命、直前のワールドカップはグループリーグ最下位と苦しんだが状態そのものは悪くない札幌国際大学対抗だが、今年に入り上り調子のチーム東京が割って入りそうだし、地区大会決勝の勝ちっぷりが良かった長野県CAやギリギリを勝ち進む名寄協会の強運も侮れない。その他のチームも個性派揃いで、かなり面白く先が読めない大会になりそうだ。

※チーム東京の出場記録の訂正と、京都CAの普段のチーム名を加筆しました。まだおかしな点やご要望がありましたらツイッターの @hatugenchu までご連絡ください。


地元網走に帰ってきて5年半経ちました。元競馬専門紙編集部員。サッカーや野球、冬はカーリングなどスポーツ観戦が好き。もちろん、競馬も話題にしています。時事ネタや網走周辺の話題なども取り上げます。よろしければ、サポートもお願いいたします。