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大会は佳境! 2月3日は準決勝!

札幌市のどうぎんカーリングスタジアムで開催中の第41回 全農 日本カーリング選手権大会が佳境を迎えている。
男女各10チームが5チームずつのブロックに分かれて1次予選を戦い、それぞれのブロックの上位3チームが2次予選を戦って、ついに男女各3チームまで絞られた。
まずは、1次予選の結果を振り返ろう。

女子はフォルティウスとLOCOSOLAREが1位通過

◎Aブロック
❶3-1フォルティウス  36.8cm
❷3-1中部電力     43.4cm
❸3-1SC軽井沢クラブ    56.4cm
④1-3SC軽井沢クラブJr.
⑤0-4チーム広島

※1〜3位は当該チーム間の対戦成績が各々1勝1敗のため、DSCにより決定

◎Bブロック
❶4-0LOCOSOLARE
❷3-1北海道銀行
❸2-2LOCOSOLARE.S
④1-3GRANDIR
⑤0-4岩手県協会

4チームが1次予選で姿を消した。
軽井沢クラブJr.は14〜17歳とかなり若いチームで、一線級のチームとの戦いは貴重な経験となったはず。クラブでもまれているからか、度胸あるプレーも見受けられた。好素材の今後に期待したい。
チーム広島は勝ち星を挙げられなかったが、スキップの財官選手が「できることをできる範囲でコツコツやっていくしかないかなと思いますが、私達が頑張ることで、西日本でもカーリングができることを知ってもらい、少しでも西日本でカーリングをやってみたいという人が増えたらそれはとても嬉しいことだなと思います」と𝕏(旧Twitter)で語っている。「西日本にカーリング場を!」という夢が叶えばいいなと思う。
大会前にGET SPORTSで取り上げられたGRANDIRは、1勝にとどまったもののあと一歩という試合もあった。7エンドまで5-5とLOCOSOLAREと互角に戦っていたように、力は十分示した。終盤の戦い方に粘りを増したい。
岩手県協会も健闘したが、やや非力な印象を受けた。隣のシートと同時にスイープしている場面ではやや強さとスピードが劣る印象だった。体力を強化しつつ苫米地選手の薫陶を受けてさらに成長してほしい。

男子はLOCOSOLAREとコンサドーレが1位通過

◎Cブロック
❶4-0LOCOSOLARE
❷3-1TM Karuizawa
❸2-2北見協会
④1-3札幌国際大学
⑤0-4岡山CA

◎Dブロック
❶4-0コンサドーレ
❷3-1SC軽井沢クラブ
❸2-2SC軽井沢クラブJr.
④1-3チーム佐藤
⑤0-4チームTANI

札幌国際大学は、なんといっても"破壊王"青木選手の大会直前での負傷欠場が痛かった。昨年の大会も病気欠場しており、2年連続で残念な形になってしまった。それでも代替出場した小林選手の奮闘など見せ場がいくつもあったのは収穫。ぜひ捲土重来を。
西日本から5年連続出場の岡山CAは、解説の谷田選手が「一番難しいシート」と中継内で語っていたBシートが初戦で、いきなり面食らったかも。3、4戦目はだいぶ立て直していただけに残念だった。北海道出身の十鳥選手、野々村選手には特に今後の活躍を期待したい。
チーム佐藤は、スキップの佐藤(航)選手がユースオリンピックからの強行軍での参加だったこともあってか、本来の力を出しきれなかった感も。ただ、サードでバイススキップを務めた佐藤(海)選手はまだ13歳ながら物怖じせずプレーしてたり、将来が楽しみな器揃いだ。
チームTANIは、関東選手権で予選の総合順位8位から勝ち進んだように勢いに乗れば面白い存在だったが、 DSCの値も冴えなかったように、かなり会場のシートの癖に苦しんだ印象。来年のリベンジに向けて、さらに力をつけてほしい。

女子2次予選は大波乱! 1位通過チームが揃って敗退

2次予選は同ブロックから勝ち上がったチームに対しては1次予選の戦績が持ち越しとなる。したがって

2-0LOCOSOLARE
1-1フォルティウス
1-1中部電力
1-1SC軽井沢クラブ
1-1北海道銀行
0-2LOCOSOLARE.S

からスタートとなった。LOCOSOLAREは唯一2勝0敗だったので優位と思われたが、苦戦を強いられた。

NHK特設ページより引用

2次リーグ最終戦の1敗対決で勝った北海道銀行が1位通過し決勝進出。敗れた‪SC軽井沢クラブと2敗対決を制したLOCOSOLARE、それに中部電力の3チームが3勝2敗で並んだ。直接対決の成績で見ると、中部電力はLOCOSOLAREと‪SC軽井沢クラブ両方に勝っていて、これで中部電力の2位が決定。
さらに、‪SC軽井沢クラブは中部電力には敗れたものの、LOCOSOLAREには勝っている。これで‪SC軽井沢クラブも3位への滑り込みが決まった。

LOCOSOLAREは目標とされるなか、1次予選でもなかなかラクには勝てなかった。ただ、これは2次予選以降にピークを持っていく作戦ではとも思ったのだが、逆に2次予選で連敗。敗退が決まった後、スキップの藤澤選手は「多くのチームが切磋琢磨して日本全体のレベルが上がっていると実感した。まだまだ私たちも頑張らないといけない」と語ったそうだが、世代交代と言うのは早計。来季へ向けて、まずは4月のプレーヤーズ・チャンピオンシップに出場ならばそこで良い結果を。
フォルティウスは大会特別コーチとしてニクラス・エディン選手を招聘し、並々ならぬ熱意を感じさせたが、惜しくも4位にとどまった。ただ、今シーズンからスキップとなった小谷選手はプレッシャーをものともせず堂々としたプレーぶりで、大変よかった。吉村選手が復帰したらどうなるかはわからないが、先々がとても楽しみだ。
LOCO SOLARE.Sは試合中に今ひとつ主導権を握ることができなかった。もっと自分たちから仕掛けていったら面白いし、弟分のLOCOSOLARE男子(LOCODRAGO)という良いお手本がいるのだから、攻撃的なカーリングも手の内に入れてみたらどうだろうか。

男子2次予選は1次予選首位チームがそのままワンツー

男子は1次予選の結果で

2-0LOCOSOLARE
2-0コンサドーレ
1-1TM Karuizawa
1-1SC軽井沢クラブ
0-2北見協会
0-2SC軽井沢クラブJr.

からスタートとなった。男子は1次予選のトップの2チームがそのまま1・2位となった。

NHK特設ページより引用

コンサドーレはここまで無敗で決勝進出を決めた。LOCOSOLAREもコンサドーレ以外には勝って通算4勝1敗で2位通過。前回優勝の‪SC軽井沢クラブは、底力を見せて3位でクリア。軽井沢ダービーとなったTM Karuizawa戦を1点差で競り勝てたのが大きかった。

TM Karuizawaは、先シーズンまでの5人で試合ごとにメンバーを入れ替える戦い方から、今シーズンは両角公佑選手がサポート役に徹して4人を固定して戦う形に変えた。それが結実しそうだったが、コンサドーレの清水選手のスーパーショットで水泡に帰した。相変わらず戦術は鋭く、まだまだやれるはずだ。
北見協会は、完敗した‪SC軽井沢クラブ戦以外は点が取れていた。TM Karuizawa戦もコンサドーレ戦も遜色ない戦い方ができていただけに、あと一歩だった感が強い。ショットの精度を上げて、来シーズンはさらに進化したところを見せてほしいものだ。
SC軽井沢クラブJr.は、もっと抵抗できるのではと思っていたのだが、5試合の総得点が7点、完封負けが2試合では現状まだ力の差があるのは認めざるを得ないか。身近に筋肉のスペシャリストがいるのだし、もっと鍛えて次のシーズンでの巻き返しを目指してほしい。

女子準決勝は中部電力 vs ‪SC軽井沢クラブ

2日18時から行われる女子準決勝は、2位中部電力と3位‪SC軽井沢クラブの戦いとなった。

中部電力は、ここまで1次予選を3勝1敗、2次予選を2勝1敗。今シーズン、まだ北澤選手のWikipediaには反映されていないが、SC軽井沢クラブから江並選手が加入し、石郷岡選手が交替選手に回るほど戦力が充実。軽井沢国際では決勝でメガネ先輩の韓国チームを下し優勝したように、今シーズンは上げ潮ムードで日本選手権を迎えた。集中力が途切れず、終盤の連続スチールでLOCOSOLAREを破った試合が大きかった。2019年の第36回大会以降は準優勝と第3位が2回ずつ。久々の優勝へ、まずは同県のライバルチームを下して決勝に駒を進めたい。

SC軽井沢クラブは、ここまで1次予選を3勝1敗、2次予選を2勝1敗と、数字的には中部電力と同じ流れで来ている。ともにAブロックに入り、1月31日に対戦し、その時はブランクエンドが4つもあるロースコアの展開で3-5と中部電力に敗れた。2次予選ではフォルティウス、LOCOSOLAREに点を取り合う流れに持ち込んで破っており、準決勝も得意の同じような流れに引っ張り込められるかどうか。ジュニア金メダル姉妹が揃いこちらも戦力は充実。手の内を知る江並選手の存在を意識せずに戦いたい。前回大会は準優勝。もうひとつ上を目指して、まずは準決勝の突破を目指す。

男子準決勝はLOCOSOLARE vs ‪SC軽井沢クラブ

2日13時30分から行われる男子準決勝は、2位LOCOSOLAREと3位‪SC軽井沢クラブの戦いとなった。

LOCOSOLAREは、ここまで1次予選を4戦全勝、2次予選も最終戦のコンサドーレとの試合以外は勝ち2勝1敗できている。攻撃的なカーリングが身上で、年上チームにも果敢に戦いを挑み、うまくいかなくても切り替えが早く戦えている。‪SC軽井沢クラブとは2次予選で対戦し、12-6で破っている。この時は、逆転した後、さらに5エンド、6エンドと先攻でも攻める姿勢を崩さずスチールできたのが大きかった。今シーズンからLOCOSOLAREファミリー入りし、海外遠征で優勝するなど着実に力をつけている。女子が逃した世界選手権の切符は自分たちが掴む。
SC軽井沢クラブは、ここまで1次予選を3勝1敗、2次予選を2勝1敗。1次予選のコンサドーレ戦は1-8と大差がついたが、これは7エンドの最終投がホッグラインオーバーか何かでファウルとなって3点スチールされたのも影響している。2次予選はTM Karuizawaを最終エンドで下したり、北見協会を終盤連続スチールで突き離すなど、本来の粘り強い戦いができてきている。やはり、11月のパンコンチネンタル選手権で前年超えの3位で表彰台に上がったのが大きな自信になっているはずだ。3連覇へ向けて、まずは準決勝を突破する。

準決勝の中継は

YouTubeでの配信は2次予選で終了。畑良太さん、伊藤ゆりかさんの実況陣は聞きやすく、とくに配信は2度目の登場だった伊藤さんはかなり場馴れして上ずるようなことなく落ち着いた実況で良かった。また機会があれば配信に関わっていただきたい。

ここからはすべてNHK BSでの中継となる。NHKは「ロコ・ソラーレ」表記。

☆男子準決勝
13時30分〜
ロコ・ソラーレ(予選2位) 対 SC軽井沢クラブ(予選3位)
📺NHKBS、BSP4Kで生中継

★女子準決勝
18時00分〜
中部電力(予選2位) 対 SC軽井沢クラブ(予選3位)
📺NHKBSで生中継

今大会から、予選が1次と2次に分かれ、準決勝に残ったチームは3チーム。それは女子のLOCOSOLAREが滑り落ちるなどドラマを生んだが、ここからの試合でさらに素晴らしいものが観られるはず。今年の世界選手権へ、さらに次の五輪への扉を開く熱い戦いにぜひご注目を!

地元網走に帰ってきて5年半経ちました。元競馬専門紙編集部員。サッカーや野球、冬はカーリングなどスポーツ観戦が好き。もちろん、競馬も話題にしています。時事ネタや網走周辺の話題なども取り上げます。よろしければ、サポートもお願いいたします。