グランドスラム オブ カーリングがAbemaで無料放送!
9月27日、日本のカーリングファンにとって大歓迎の情報が飛び込んできた。
Abemaが、2024-2025シーズンのグランドスラム オブ カーリングを、ロコ・ソラーレの試合は全試合放送することを決定したというのだ。
グランドスラム オブ カーリング(英: Grand Slam of Curling)は、カナダで毎年開催されているワールドカーリングツアーにおける最高峰のカーリング大会シリーズ(チャンピオンズシリーズ)。女子は2006-07年シーズンより開催されている(男子は2001-02年シーズンより)。
現在は、今週初戦を迎えるツアーチャレンジのほかにカナディアン・オープン、ナショナル、マスターズ、プレーヤーズ・チャンピオンシップの5大会が行われている。
歴史の古いマスターズ、ナショナル、カナディアン・オープン、プレーヤーズ・チャンピオンシップの4大会は「メジャー」とも呼ばれる。
グランドスラム各大会のみの総合成績の最上位チームには「グランドスラムカップ」が授与される。
チーム別世界ランキング上位のみしか出場できないため、国・地域で1代表の冬季オリンピックや世界選手権より出場チームのレベルが遥かに高く、優勝するのは非常に難しいとされている。
グランドスラム オブ カーリングが日本で最初に注目を集めたのは、2018年平昌五輪で銅メダルを獲得した女子カーリング日本代表のLS北見が、五輪後最初の国際大会である2018年プレーヤーズ・チャンピオンシップに出場することになった時。
当時の共同通信の記事。まだ大会の趣旨が理解されていなかったようで、この年の女子はたとえばカナダから5チーム出ていたが、相手チームは国名での表記だった。
ロコ・ソラーレはタイブレークで勝って準々決勝に進出したが、そこでジェニファー・ジョーンズ選手(カナダ)がスキップのチームに敗れた。
ロコ・ソラーレはその後毎年出場を重ね、ついに2023年のカナディアン・オープンで優勝を遂げた。ノックアウトステージから決勝まで無傷の6連勝での初優勝だった。決勝ではケリー・エイナーソン選手(カナダ)がスキップのチームを5-3で破った。現行のグランドスラムでアジアのカーリングチームが優勝するのは初の快挙だった。
連覇を狙った昨年のカナディアン・オープンは準々決勝でエイナーソン選手のチームにリベンジされてベスト8どまりだった。
女子は、フォルティウスも出場経験があり、2019年のマスターズで準優勝となった。この大会にはロコ・ソラーレも出場していたが、予選で敗退していて、フォルティウスは準々決勝でチームジョーンズ、準決勝でスイスのシルヴァナ・ティリンツォーニ選手がスキップのチームに勝ち決勝に進出。トレイシー・フルーリー選手(カナダ)がスキップのチームに5-7で敗れ、優勝にはあと一歩届かなかった。
男子では、北海道コンサドーレ札幌が2021年のマスターズに出場し、ベスト8になったのが過去最高の成績(後述するが、ツアーチャレンジ ティア2で昨年TM軽井沢が準優勝している)。当時は現在はTM軽井沢の松村雄太選手がスキップで、ノックアウトステージはCイベントで勝って突破したものの、準々決勝でブラッド・グシュー選手(カナダ)がスキップのチームに2-6で敗れた。
ツアーチャレンジとは
ツアーチャレンジ (英語: Tour Challenge) は、ワールドカーリングツアーにおける最高峰のグランドスラム オブ カーリングのひとつで、毎年カナダで開催されている。2024-25年シーズン現在の大会名称はヒアリングライフ・ツアーチャレンジ (英語: Hearing Life Tour Challenge)。
2015年に始まった大会で、男女ともにティア1、ティア2合わせて32チームが出場する。ティア1、2と分けて開催するのはこの大会のみ。
ティア1は、世界カーリング連盟発表のワールド・カーリング・チーム・ランキング (英語: World Curling Team Ranking、略語: WCTR) 1~16位の計16チーム。招待チームが辞退した場合、WCTR17位以降のチームが繰り上げで出場資格を得る。
ティア2は、WCTR17~32位の計16チーム。招待チームが辞退した場合、WCTR33位以降のチームが繰り上げで出場資格を得る。ティア2優勝チームにはカナディアン・オープンの出場権が与えられる。
2023年大会は、ティア1では男子がジョエル・レトルナス選手(イタリア)がスキップのチーム、女子はジェニファー・ジョーンズ選手のチームがそれぞれ優勝した。
男子では栁澤李空選手がスキップのSC軽井沢クラブが出場したが、Pool Aで1勝3敗となり、予選敗退となった。女子はロコ・ソラーレが出場したが、やはり1勝3敗で予選通過はできなかった。
ティア2では、男子がダニエル・キャスパー選手(アメリカ)がスキップのチーム、女子がキム・ウンジョン選手(韓国)がスキップのチームが優勝した。
男子では、両角友佑選手がスキップのTM軽井沢が、Pool Dで2勝2敗ながら予選を通過し、決勝トーナメントで連勝し、準優勝と健闘した。
女子は吉村紗也香選手がスキップのフォルティウス、北澤育恵選手がスキップの中部電力が出場。フォルティウスはPool Aで4連勝、中部電力はPool Cで3勝1敗で予選を通過。しかしフォルティウスはダニエル・イングリス選手(カナダ)がスキップのチームに、中部電力はクリスティーナ・ブラック選手(カナダ)がスキップのチームにそれぞれ準々決勝で敗れた。
今年は、日本からはティア1女子にロコ・ソラーレ、ティア2男子にTM軽井沢とSC軽井沢クラブ、ティア2女子に中部電力、フォルティウスそして上野美優選手がスキップのSC軽井沢クラブ、田畑百葉選手がスキップの北海道銀行が出場する。合わせて7チームは過去最多。
出場チーム
チーム名はスキップの名前で表示。
★ティア1女子
①レイチェル・ホーマン(カナダ)
②シルヴァーナ・ティリンゾーニ(スイス)
③キム・ウンジ(韓国)
④チェルシー・キャリー(カナダ)
⑤アンナ・ハッセルボリ(スウェーデン)
⑥イザベラ・ヴラノー(スウェーデン)
⑦キム・ウンジョン(韓国)
⑧ケリー・エイナーソン(カナダ)
⑨ステファニア・コンスタンティーニ(イタリア)
⑩ケイトリン・ローズ(カナダ)
⑪クセニア・シュヴァラー(スイス)
⑫藤沢 五月(ロコ・ソラーレ=日本🇯🇵)
⑬タビタ・ピーターソン(アメリカ)
⑭セレナ・スターメイ(カナダ)
⑮レベッカ・モリソン(スコットランド)
⑯デラニー・ストラウス(アメリカ)
☆ティア1男子
①ジョエル・レトルナス(イタリア)
②ブルース・ムアト(スコットランド)
③ブラッド・グシュー(カナダ)
④ブラッド・ジェイコブス(カナダ)
⑤ロス・ホワイト(スコットランド)
⑥ニクラス・エディン(スウェーデン)
⑦ヤニック・シュヴァラー(スイス)
⑧マイク・マキュエン(カナダ)
⑨マット・ダンストーン(カナダ)
⑩ケビン・クーイ(カナダ)
⑪リード・カラザーズ(カナダ)
⑫ジェームズ・クレイク(スコットランド)
⑬ジョン・シュスター(アメリカ)
⑭マイケル・ブルンナー(スイス)
⑮キャメロン・ブライス(スコットランド)
⑯コーリー・ドロップキン(アメリカ)
★ティア2女子
①ケイト・キャメロン(カナダ)
②北澤 郁恵(中部電力=日本🇯🇵)
③ダニエル・イングリス(カナダ)
④吉村 紗也香(フォルティウス=日本🇯🇵)
⑤コリン・ブラウン(カナダ)
⑥ハ・スンヨン(韓国)
⑦セレナ・グレイ・ウィザーズ(カナダ)
⑧ケイラ・スクルリク(カナダ)
⑨マドレーヌ・デュポン(デンマーク)
⑩ジョリーン・キャンベル(カナダ)
⑪アシュリー・テヴノ(カナダ)
⑫上野 美優(SC軽井沢クラブ=日本🇯🇵)
⑬田畑 百葉(北海道銀行=日本🇯🇵)
⑭ケイラ・マクミラン(カナダ)
⑮クリスティーナ・ブラック(カナダ)
⑯ベス・ピーターソン(カナダ)
☆ティア2男子
①アーロン・スルチンスキー (カナダ)
②マグヌス・ラムスフェル(ノルウェー)
③両角 友佑(TM軽井沢=日本🇯🇵)
④カイル・ワデル(スコットランド)
⑤ライラン・クライター(カナダ)
⑥ダニエル・キャスパー(アメリカ)
⑦マルコ・ヘスリ(スイス)
⑧マルク・ムスカテヴィッツ(ドイツ)
⑨イヴ・ストッカー(スイス)
⑩パク・ジョンドク(韓国)
⑪ワウター・ゲスゲンス(オランダ)
⑫サム・ムーイブローク(カナダ)
⑬スコット・ハワード(カナダ)
⑭栁澤 李空(SC軽井沢クラブ=日本🇯🇵)
⑮オーウェン・パーセル(カナダ)
⑯タイラー・スミス(カナダ)
大会の概要
期間:10月1日〜6日(現地時間。時差は−12時間)
会場:カナダ・プリンスエドワードアイランド州シャーロットタウン
ベル アリアント センター(Bell Aliant Centre)
形式:トリプルノックアウト方式
大会はAイベント、Bイベント、Cイベントに分かれており、全チームがAイベントからスタート。
Aイベントのトーナメントで敗退したチームがBイベントに回る。
さらにBイベントのトーナメントで敗退したチームはCイベントに回る。
そしてCイベントのトーナメントで敗退したチームが予選敗退となる。
プレーオフに出場するには、チームは3試合負ける前に3試合勝たなければならない。8チームが準々決勝に進む。
試合形式:8エンド制、タイムアウトは2回
賞金総額:17万5000カナダドル
ロコ・ソラーレの強力ライバル
カナダ・オタワを拠点とする2023-2024シーズン世界ランキング1位のチームホーマンは、昨シーズン67勝7敗という驚異的な成績でシーズンを終えた。カナダ選手権と世界選手権、そして2つのグランドスラムタイトルを獲得した。
同2位のチームティリンゾーニは世界選手権で銀メダルに甘んじた後、昨シーズンを締めくくるプレーヤーズ・チャンピオンシップで優勝した。ホーマンとティリンゾーニは昨年、2つのグランドスラム決勝でも対戦している。
同4位のチームジョーンズ、同5位のチームハッセルボリも当然強敵となる。
ロコ・ソラーレは、昨シーズンのチームランキングは12位。初戦はいきなりチームハッセルボリとの対戦。勝って弾みをつけたい。
Abemaで無料放送
ロコ・ソラーレの試合は、Abemaで全試合無料放送される。
初戦の10月1日8時(日本時間同20時)からのチームハッセルボリとの試合は、解説に元ロコ・ソラーレの石崎琴美さんを迎え、さらに特別ゲストとして映画「カーリングの神様」主演の本田望結さんが出演する。実況は国内のカーリング中継でおなじみの坂田博昭さん。
第2試合の対戦相手は、初戦の勝敗で変動するが、試合開始はいずれでも10月2日20時(日本時間3日8時)。解説は市川美余さん、実況は元テレビ信州・青森テレビアナウンサーで日本ミックスダブルス選手権の実況経験もある横田光幸さん。
以降も、生中継が行われる予定だ。
ティア2に出場する6チームも合わせて、中継やSNSを通じて熱く応援したい。
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地元網走に帰ってきて5年半経ちました。元競馬専門紙編集部員。サッカーや野球、冬はカーリングなどスポーツ観戦が好き。もちろん、競馬も話題にしています。時事ネタや網走周辺の話題なども取り上げます。よろしければ、サポートもお願いいたします。