見出し画像

テツオニム(仮)

目の前に金属があったとして、「金属だ!」とはあんまり言わないような気がします。おそらく「鉄だ!」と言う方が自然。しかし実際それが鉄なのかどうかは分かりません。
私は文系なので詳しくないですが、それを鉄だと言いたいのならまずは熱して沸点を見たり、酸で溶かしてイオンかなにかを確かめたりする必要があります、知らんけど。そうしないと、金属は実はアルミかも知れないし、あるいはステンレスかもしれない。

でも面倒くさいのでわざわざ確かめようなんてことはしない、そもそも「鉄だ!」に対して「鉄じゃないかもよ」とツッコむ人は見たことがないです。誰にも文句を言われないので、鉄だと言い放題。

こういう、「厳密には違うかもしれないけど便宜上の代用品として使用できて、かつその感覚を大人数で共有できている単語」ってありますよね、これ名前あるんでしょうか。調べても出てこない、そもそもなんと調べてよいやら。個人的に「テツオニム」と呼んでいます。

私は言語化ヘタクソなので、上の説明じゃ分かりにくいかもしれない。もう少し例を挙げます。

横文字に対しての「英語だ!」は、これもまたテツオニムです。
英語禁止ゲームなんてものがあります。英語を一切使わないよう注意しながらお喋りをし、うっかり「ドア」とか言ってしまってガハハというやつです。英語以外の外国語を習った経験のない人、分かりやすく小学生としますが、小学生がこのゲームをやっている途中で「パン」なんて単語が出ようものなら、おいおい、となります。しかしパンは英語で「bread」。パン(pain)は元は「フランス語」です。とか思っていたらポルトガル語ラテン語が元ネタという説もあるそうですが、まあ英語ではないと。
でもパンと言ってしまったらアウト判定、そしてアウトになった側もそれを受け入れます。ここで「いや、パンはフランス語だ」と言うと、場合によっては「そういうことじゃないんだよお前」と言われそう。

また逆に、テツオニムではないものについても書いておきます。
イワシやマグロに対しての「魚だ!」はテツオニムではありません。なぜなら魚だからです。そりゃそう。アルミを鉄と呼ぶのは誤りですが、イワシを魚と呼ぶのは誤りではないです。

「アルミ→鉄」は成り立たないが、「イワシ→魚」は成り立つ、の図

私がここまで書いてきた理由は、
「テツオニム(仮)が言葉遊びとして既に言われているものであれば、正確な名称を知りたい」、「まだ言われていないのなら、他のテツオニムの例を集めたい」ということです。これを読んでくれた人が新たに「○○はテツオニム」なんてツイートをされれば、それを見た人が「テツオニムって何?」となり、このページに辿り着き、そして連鎖していくというわけです。お暇でしたら是非。