少し長めですが

今週で終わる予定でしたが来週まで続きます、という感じにする予定でしたが、今日で最後まで載せました。
分けるのは中途半端だったので。

noteにここまで載せてきたのは、あくまでも僕の脚本上でのことなので、実際舞台で上演された内容とは異なっている可能性は大いにあります。
それを踏まえた上でご覧ください。

ー・ー・ー・ー・ー・ー
玄心 「呉服屋の?どうしたんだ?!」
香代 「詳しい話は後だよ」
沙智姫「次から次へと雑魚が集いやがって」
香代 「その雑魚に倒される気持ちはどんなだい」
沙智姫「倒される?本気でわらわを倒すつもりかい」
香代 「倒すつもりだよ」
沙智姫「笑止。力を解き放つ時がきたようだな。この森ともども粉ごなにしてやろうぞ!」
香代 「やつが術を出す前に倒すよ!」

皆 沙智姫に攻撃する
沙智姫 ダメージを受け倒れる

沙智姫「ぐがっ…くそっ、調子に乗りおって…」
香代 「もう少しだ!みんな頑張るんだよ!」

陸丸 玄心に近づく

陸丸 「玄心、ごめん。おいらどうかしてた…」
玄心 「陸丸…(一瞬隙をつくる)」

陸丸 隙をついて、玄心の懐から巻物を奪い沙智姫の元へ

玄心 「陸丸!おめぇ!」
陸丸 「いつも簡単に懐に忍び込まれるんだから」
玄心 「ふざけるな!」
沙智姫「(巻物を取り読む)でかしたぞ空角。わらわにこの力が加われば無敵よ!くくく全てを破壊してくれるわ!うぉー!」
沙智姫 構える

香代 「逃げたほうがいいわ!」

皆 逃げようとする

沙智姫「もう遅いわ!!無全克鬼!!」

地鳴りがし煙がたちこめ雷鳴が響く
が、その後何もおこらない

沙智姫「ん?何故だ…」
お霧 「残念だったわね」
沙智姫「何?」
お霧 「その巻物は偽物よ」
玄心 「え?」
沙智姫「どういうことだ」
お霧 「老師は、いずれ無全克鬼が狙われると気づいていた。それであたいにその巻物を預け、玄心にはそのダミーを手渡した。そしてこれが本物(懐から巻物出す)」
玄心 「そうだったのか…」
お霧 「お前たちの思惑など、老師には見透かされていたんだよ!」
沙智姫「くそ、あのじじぃ」
時雨 「お前の野望もここまでだ。観念しろ」
沙智姫「笑わせるな。そんなものなくてもな、うぬらを全滅させるぐらい造作もない!(構える)」
時雨 「もういい。お前の負けだ。諦めろ」
梢  「違う、危ない!みんな逃げて!」
時雨 「え?」
梢  「この構えは危険よ!無全克鬼と同じ御法度忍術よ!」
沙智姫「はぁぁぁあ…」
香代 「やつに術を出せさせちゃダメよ」
伴取 「もう一度皆で力を合わせるでござるよ!」

皆 構える 時雨が術を出す構え
陸丸 時雨に攻撃し術を出させない

時雨 「陸丸…」
陸丸 「(かぶりを振り)また大事な人を失っちゃうよ」
時雨 「え…?」
沙智姫「無半克鬼!(むはんこっき)」

地鳴りがし煙がたちこめ雷鳴が響く
同時に沙智姫の背後に巨大な影が浮かび上がる
音響と照明で煽り盛り上げる

沙智姫「死ねー!!!」

沙智姫 両腕を天に突き上げ、その両拳を振りかざす
陸丸  沙智姫と皆の間に入り、名刀小夜雷電を天にかざし振り回す
陸丸 「うぉーー!!!」
玄心 「陸丸!!」

激しい雷鳴がし、強大な雷が陸丸の刀に落ちる

陸丸 「ぐゎーーーー!(苦しみながらも雷を彼方に跳ね返す)」
沙智姫「貴様何を!」
陸丸 「玄心今だ!」
玄心 「え?」
陸丸 「早く!忍術は想像だろ!」
玄心 「あ、あぁ!」

玄心 毎日一人特訓していた忍術を出す
玄心 「妄想無全克鬼!(もうそうむぜんこっき)」
沙智姫「うわぁー!!」

沙智姫 倒れ力尽きる
香代 「やったよ。やつを倒したよ」
お霧 「よ、良かった…」
蓮華 「陸丸様!」

蓮華 陸丸にかけよる

蓮華 「しっかりして下さい陸丸様、陸丸様!」

他のメンバーも陸丸にかけよる

陸丸 「へへ、裏切り者にふさわしいまぬけな最後だね」
蓮華 「そんなことないですよ。そんなことないですよ」
陸丸 「みんなごめん。おいら、みんなをずっと騙してた。でも、本当は一番自分を騙してたんだ。みんなといる時間が楽しくなって、このまま、みんなとずっと一緒に過ごせたらなって…。おいらは忍び失格だね」
時雨 「そうだな。お前は忍び失格だ。でも俺たちの仲間としては合格だ。お前は俺たちの立派な仲間で、立派な団子屋だ」

陸丸 軽く微笑む

陸丸 「梢、老師はもちろん無事だよね」
梢  「えぇちゃんと安全な場所にいるわよ」
陸丸 「良かった…。…香代さんも忍びだったとはね」
香代 「あぁ。長いこと忍びすぎて、すっかり呉服屋になじみすぎちまったけどね」
玄心 「あんたたちは…」
香代 「名前ぐらいは聞いたことあるかな。あたしと梢は『流凛(るりん)』の幹部だ」
伴取 「何と、流凛といえばあの伝説のくノ一集団。実在していたのでござるか?」
香代 「あぁ。ひたすら身をひそめるのが仕事のような集団でね。文字通りの忍び者だよ」
陸丸 「梢も、完全に怒愚羅の仲間だと思ってたのに。女の人は恐いや…」
香代 「任務のためならとことんやる。あたしたちはしつこいからね」
陸丸 「ふふふ。ごはっ(咳き込む)」
蓮華 「陸丸様しっかりなさって下さい」
陸丸 「みんな本当にごめん…ぐはっぐはっ」
蓮華 「陸丸様!陸丸様!」
お霧 「蓮華さんどいて」

お霧 陸丸の胸に手をあてる

時雨 「お霧…」
陸丸 「お霧、ダメだ…。それをやったら、お霧が」
お霧 「静かにして!」
陸丸 「ダメだ!俺はもういい!これじゃお霧が死んじゃう」

お霧 目を閉じる

時雨 「お霧…」

陸丸 力を振り絞りお霧を突き飛ばす

お霧 「陸丸!どうして…」
陸丸 「おいらを助けるために、お霧が犠牲になったら意味がない。そもそもおいらは、助かるつもりなんてないよ」
お霧 「どういうこと…」
陸丸 「みんな、今までありがとう…」

陸丸 微笑みを浮かべ 名刀小夜雷電を振り上げる

玄心 「陸丸!やめろ」
陸丸 「次生まれ変わったら、最初からちゃんとみんなの仲間がいいな」
時雨 「おい、まて!」
お霧 「陸丸!」
蓮華 「陸丸様ー!!」

陸丸 振り上げた刀で自らを刺す

玄心 「陸丸ー!!」

皆 陸丸にかけより陸丸の名を呼び叫ぶ
その声を遮るように音が流れ、照明が落ちる
落ち行く照明の中 伴取は袖に走る


○奪破の長屋

明転 玄心 一人体術の特訓をしている
お霧 登場

お霧 「そんなことしてないで、傘張りでもやったら」
玄心 「うるせぇ、そんなちまちました仕事俺には向いてないんだよ。俺は忍びで食っていくんだよ」

時雨 登場

時雨 「まだそんなこと言ってるのか。そんなうまい話はないと学んだはずだが」
玄心 「いいや、いつかまたチャンスが来るはずだ。その時に備えて特訓してるんだよ。備えあれば美味い飯ってやつだ」
時雨 「憂いなし、だ」

香代と梢 登場

香代 「お邪魔するよ」
玄心 「おぉあんた達。呉服屋はまだやってるのか?」
香代 「やってるも何も、それがあたしの本業だよ」
玄心 「どうだかな。あんたは?」
梢  「また別の任務のため、明日から西洋人のジェームズ・ボンドという男に会いに行きます」
玄心 「そうなの?!何か、凄いね」

蓮華 小走りで登場

蓮華 「香代さーん、お店閉めてきましたー。あら皆さんこんにちは」
お霧 「蓮華さん元気?」
蓮華 「おかげさまで」
玄心 「お店って?」
香代 「うちの呉服屋の手伝いをしてもらってるんだよ。ほら、どうしたってこの子忍びには向いてないだろ」
蓮華 「私にはちょっとだけ、不向きだったようです」
玄心 「ちょっとだけね」
時雨 「しかし香代さんは、どうしてあの日あの場所へ」
香代 「何、簡単な話さ。あたしたちはずっと前から、沙智姫の怪しい動きに気づいていた。そこで梢が懐に忍びこみ、あたしは呉服屋をしながら情報を集め、やつらの動きを探っていたのさ。怪しい男がいるからと言ってあんたに近づいたのもそのためだよ」
時雨 「そうでしたか」
玄心 「そのいつ訪れるともわからない危機のために、長期間忍んでいたのか」
香代 「あたしゃしつこいからね」
玄心 「恐れ入ります」

伴取と長治郎 登場
長治郎「ごめんください。これはこれは皆さんおそろいで」
玄心 「てめぇはまだ生きてたのか?」
長治郎「またまたそんな。あっしがくたばったら悲しむくせに」
玄心 「そうだな。てめぇがくたばったら一滴だけ涙流してやるよ」
長治郎「さぞかしでかい一滴なんでしょうね」
伴取 「今回は長治郎氏にかなり助けられました。おかげで僕たちの仲間も回復に向かっています」
玄心 「それはいいけど、お前しゃべり方変わった?拙者とかござるは?」
伴取 「あれですか。あれはもう飽きました」
玄心 「飽きた?そういう問題なの?」
伴取 「やはりイメージも大切ですが、やっぱりナチュラルなのがベストなんじゃないかなー、って思っちゃったりして」
お霧 「だからって変わりすぎでしょ」
時雨 「まあでも、道具屋にしては良い仕事をしたな」
長治郎「いやあ、お役に立てて良かったです」
玄心 「たまたまだけどな」
長治郎「そんな事ないですよ。これがなければ今頃は、ねぇ」
伴取 「本当によ、この薬がなかったら大変なことになってたよお前なんか」
玄心 「おめぇ出身どこだよ」
お霧 「最終的に何を調合したの?」
長治郎「あれはですね、いろいろ試した上で最後にダメもとで混ぜてみたこれです」

長治郎 懐から木の実を出す

お霧 「それって」
長治郎「前にここに落ちてた木の実です」
お霧 「あたいが山で拾ったやつだ」
長治郎「先日、厠をお借りしたときにこれを見かけましてね、珍しい木の実だったので思わず拝借した次第でございやす。なので、ダンナに真心眼をやられた時はとっさに偽ってしまいやした…勘弁してくだせぇ」
お霧 「長治郎さんの隠し事ってこれだったのね」
長治郎「申し訳ございやせん」

陸丸 登場

陸丸 「おーこれはこれは皆さん、いらっしゃいませ。ただちょっと待って下さいね、今団子を寝かせてるところなんで」
玄心 「団子を寝かせてどうすんだよ。とっととお越しやがれ」
陸丸 「わかってないなー、これがこだわりなんだよ」
玄心 「こだわりすぎだ。味なんて変わりゃしねぇ」
陸丸 「だからわかってないなー。きっと女性陣はわかってくれるよねー」
香代 「わかりゃしないよ。早く持ってきな」
陸丸 「えー」
お霧 「あたいはきなこね」
陸丸 「わかってるって」
香代 「あたしはみたらしで頼むよ」
陸丸 「はいよ」
蓮華 「私は肉団子を」
陸丸 「それ何か違うよね」
梢  「私はパンケーキを」
陸丸 「団子でもなくなってるし」
陸丸 「そうだ蓮華さん、息子さんのも用意してるよ」
蓮華 「本当ですか!ありがとうございます!」

わいわい楽しい雰囲気

徐々に暗転



ー・ー・ー・ー・ー・ー
というやつでした。
やっぱり長いよね。
以後気をつけます。
来週からどうしましょうかね。
まあ何かしら載せますね。

サポートエリア?についても何もわかっておりませんm(_ _)m 感謝を申し上げればいいのでしょうか?当然そうですよね。ありがとうございます!!勉強します!!