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一人トレーニング論1. メリット/デメリット

目下の社会情勢について僕の考えは書ききったので ↓

「コントロールできること」の発信に入ろう。2020年3月前半(もしかしたら後半も)、臨時休校と部活動休止により、「一人トレーニング」の重要性が浮上している。この点の僕の考えをしばらく続けて書いてみたい。まずは序論、自分にとってのメリットデメリットを自分で考えよう、という話だ。いきなり「気合い!モチベ!」とかアクセルを踏み込もうとするのではなくてね。

想定読者は普通の大人アスリートです。理由は、僕自身の一人トレーニング経験が、30代後半に始まる水泳自転車ランニングにあるから。今の状況から中高生向けに書いてもいいのだけど、僕自身が中学生・高校生向けの本なんて読んでいなかったし、高校入試の国語だって大人向けの文章が出題されるし、自分の状況にあわせて応用するのも大事な思考力なので、年齢で区別はしない。

対象スポーツは、陸上・水泳など個人競技、特に長距離を想定。

まあ文章なんてすべて理解する必要はなくて、なにか使える部分が1つでもあればいい。大事なのは自分なりの応用力だ。

あくまでも「僕の考え方」です。教科書的な正解が欲しければ教科書そのものを探してくれ。

簡単な自己紹介

僕のことは、文章の得意な、わりと強かったアマチュア・トライアスロン選手、と認識いただくとよいだろう。

僕はトップレベルの競技歴を持つアスリートでも、コーチでも、スポーツ科学研究者でもない。生まれ持った運動能力は低く、たかだかアマチュアのタイトルを4年続けたに過ぎない。ただ、その過程で得たものでなら、他人にも貢献できるかもしれない。

僕は30代後半からトレーニング理論を独学し、一人トレーニングにより、自分が「憧れた目標」を達成してきた。僕自身は一流のアスリート・コーチ・科学者ではないが、かれらの発する情報は、わりと的確に解釈し、実行できていると思う。

競技歴概要: 35歳頃からクロスバイクに乗り始め、ロードバイクにハマり、37歳でトライアスロン(51.5km)を始め、年代別のJTUランキング4連覇(2011-2014年=39-42歳)。この間、国内51.5kmアマチュア大会22連続表彰台。2013年アイアンマン世界選手権ハワイ(226km)上位13%、2015年シカゴ世界選手権(51.5km)公費派遣出場など

また、この過程をネットで発信してきたことで、トライアスロン中心に、ひろく参考にしてもらったきた。たぶん読者さんからみて、僕の文章の特徴は、「難しいけど、おもしろいことを書く」ところかなと思う。たとえば 

❝ 彼の文章は時に難解で、理解するのに数回読み直さないと解読できないことがありますが、理解できたときは「おお〜〜そういうことなのかにやり」とアハ体験に近いものが得られます。❞ 

と書くのは、地方の拠点病院で外科の長を務める強豪トライアスリートなお医者さんブログ "ハルさんの「目指せ水陸両用!」" ↓

医者が難しいってどんだけ難しいんだと笑。泣。まあそんな僕です。

メリット/デメリット

さて本題。

今までチーム内で練習していたアスリートにとって、突然「2週間、一人で練習しろ」となると、それ用のマインドセットが必要。

まずはメリットから意識したい。僕の考えるソロ錬メリットとは:

A)自分のペースでできるから、
B)自分の好きなことに集中でき、
C)自分自身を見つめ直して、感覚を磨くことができ、
D)自分なりの考え方を深めることができる

このうちA-Bは単なる特徴で、本当に価値があるのはC-Dだ。

デメリットはA-Bの裏返しだ。A)自分のペース=緩む、B)好きなことしかしない=やるべきことをしない。つまりトレーニングの質が落ちる。すると、C-Dのメリットも生まれないのは当然。

当然、人によって違う。「自分にとってのメリット/デメリット」を理解しておこう、という話だ。

では、この違いはなにか? どうすればデメリットを回避し、メリットだけ得られるのだろうか?

成功のカギ

「モチベーション」「メンタル」「気合いと根性」など思っている人もいるだろう。(ちなみにこれみんな同じことを言っていて、カタカナだと頭よさげだ笑)

僕の考えでは、上記C-Dで決まる。つまり、

C)自分自身の感覚を、どこまで磨けるか
D)自分なりの考え方を、どこまで深められるか

ということ。これらが高まっていけば、結果として、モチベーションとか気合いとかも高まってゆく。

これが、僕の核となる考え方だ。

ここも人それぞれだから、「自分なりの成功のカギ」とは何か、自分で考え続けることが大事だ。 

では、「感覚を磨く」とは? 「考える」とは何をどう考えるのか? なぜ考えた結果としてモチベーションが上がるのか? など、次回から説明していきたい。

(続く)

参考:『覚醒せよ、わが身体。─トライアスリートのエスノグラフィー』

2017に出版した『覚醒せよ、わが身体。─トライアスリートのエスノグラフィー』は、アマチュア・トライアスリートについてもっぱら社会学の視点から書いた本。僕自身のトレーニングについての考え方、アマチュア・トライアスリートとしての成長過程などを丁寧に書いている(エスノグラフィーという手法)。スポーツの社会学ならスポーツの本質的魅力を描ききらねばならないと思ったから。

トライアスリートの皆さんに好評である一方で、中央公論、東京新聞&中日新聞と大マスコミにも、また図書新聞、週刊読書人とマニアな読書専門メディアにも書評掲載いただけた。

この本の要点再説明も含めて、このシリーズ(たぶん)を書いていこう。

サポートいただけた金額は、基本Amazonポイントに替え、何かおもろしろいものを購入して紹介していきたいとおもいます