【FGO考察】スルトさんへ喧嘩を売っていくよ

ニコニコ動画にて『魔術師観考察』というテーマでFGO考察を行なっていたスルト氏が、この度シリーズの最後を投稿された。
型月における魔術師にとっての絶対遵守、命題を解き明かすことでカルデアの真意に迫るという考察手法。もはや学問と化した氏の考察は見事の一言である。

そしてこの方、人間もできている。他人の考察を肯定し、感想を述べるのは意外と難しい。それをなんとも楽しげにやってのけるのだ。
私も愚論に感想&質問を頂いたりと、とても良くして頂いている。
今回はそんな相手に喧嘩を売っていくよ。

なお、当たり前だがこの記事はスルト氏の考察を前提としている。
もしも未視聴だという方が居れば、氏の投稿しているシリーズを100回はリピートして再生回数を上げてからこの記事に目を通すことをお勧めする。

※11/9追記 リンク貼ってなかった。
https://nico.ms/sm38052154?ref=other_cap_off



スルト氏の言うことにゃ
前提としてスルト氏の考察をまとめておこう。
アニムスフィアの命題、それは本物の惑星へと至ることである、という。
型月世界にとって宇宙の内外とは“人類の認識”の内か外か、即ち人理によって区分けされている。人理とは、低次元存在である人間視点からでは正しく認識できない高次元の存在を、理解できる形に貶めて蓋をしたようなもの。ならば人類全員を高次元へと押し上げ、認識宇宙という枠自体を書き換える。そうすることで認識宇宙の外側、根源たる本物の惑星へと至る、と。

作品内外で明かされている情報を見事にまとめ上げ、ご自身の考察へと落とし込まれていてすっごい。語彙が無くなるくらいすっごい。
さすが命題から導き出された考察、大筋に否定できる箇所は見当たらない。しかしその過程にある①マリスビリーの自死の理由②空想樹を開発していたという、この2点には疑問を呈したい。


①マリスビリー、星になる?
まずはマリスビリーの自死について。
スルト氏の考察ではカルデアという施設全体が天球儀であり、館内の人間は星と照応するとしている。館内の人の死は星の死。そして星は死の際に一際強い光、超新星爆発の光を放つ。
それ程強い光となればカルデアス(の表層の人々)から観測され、“観測する側”から“観測される側”となれる。それがマリスビリーの自死の理由であった、と。

しかしだ、そもそも全ての星が超新星爆発を起こすわけではない。恒星の中でも質量が多いだとか構成成分といった条件が合致したごく僅かにのみ起こる現象だ。
では、カルデアにおける超新星爆発を起こし得る恒星とはなにか。
“シリウス”ライト、大令呪が一等星であるならば、普通の令呪はそれより等級の低い恒星、そして令呪を持たない者は惑星と見立てるべきではないだろうか。
そうなると氏の言う“星の死”と定義できるのは、大令呪を持つ者の死だけではないか。

果たしてマリスビリーの死は“星の死”と呼べるものだったのか?


②空想樹はコスト高くない?
次に空想樹を建造していたとする点だ。
ご存知の通り、空想樹からは真エーテルと呼ばれる現在では枯渇してしまった魔力が生じている。この時点で現代の魔術師が生み出せるようなものなのだろうか。
また、“セラフィックスでの『仮説・保存・証明』に特化した擬似霊子空間の研究”ならば、空想樹ではなく、よりカルデアらしい別の可能性が考えられる。“量子の筐”クライン・コフィンだ。

カルデアの発明の中にコフィンが入っていないことを不自然に思ったことはないだろうか。コフィン無しでレイシフトを行うと良くて意味消失、最悪の場合では肉体的な死や魂の霧散など相当なリスクが想定される。それを解消するのがこのコフィン、言うなればレイシフト理論の要だ。それがなぜ“発明”として公表されていなかったのか?
いや、そもそも公表などできるはずもない。貴族主義でありながら民主主義どころか科学と手を組み生み出した礼装である。そしてだからこそ、他のロードを出し抜けると考えたのではないだろうか。

といっても、セラフィックスの研究が空想樹ではなくコフィンの研究だとしてスルト氏の考察にはなんら影響はない。氏の考察ではまず異聞帯を作って特異点化させるという手段を取っている、この手順が一つ消えるだけだ。
任意の特異点を作り書き換え縫い付ける。異聞帯ほど都合の良い設定は作れないかもしれないが、テクスチャの書き換えが主題であるならそれで事足りるはずだ。

であればこそ、本当にカルデアでは空想樹などというオーパーツを開発していたのだろうか?


重箱の隅をつついただけやんけ
今回、(勝手に)スルト氏の考察を考察することによって、よりFGOという作品の凄まじさに触れた気がする。なぜ同じゲームをプレイしているのにこうも視点が違うのか。
こんな無礼な申し出を許してくださったスルト氏の心の広さよ。本当にありがとうございました。

考察は一人でもできる。しかし、人の視点からスタートして考察するのはまた違った楽しさがある。
だからどうか、この記事を最後まで読んでくださるような考察通には、是非ともこの記事を精査してほしい。何せニワカが書いてんだ、ガバ探しにはもってこいである。
そしてそれがいつか、また新しい視点からの考察として生まれる日が来ることを願っている。
その時はお手柔らかに。


※追記
お返事頂いてたのに書いてなかった。
https://nico.ms/sm39938123
これ、すごくない?ヤバくない?
返信だけでなく一つの考察生み出しちゃったよスルトさん、ヤバくない?

そして一つ謝罪を。
Twitterにて軽く触れたが、この記事ではセラフィックスの研究について間違った解釈のまま見当違いな事を書いてしまっている。
改めてこちらで謝罪させて頂きたい、スルトさんとスルトさんの動画の視聴者様方、大変申し訳ありませんでした。
なお、スルトさんが動画にて丁寧に説明して下さっているので、この記事は書き直すことなく残して置きます。自戒も込めて。

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