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ひらめき☆マンガ教室 第5期 課題6 ネーム感想③

課題6  演出
「動物(や生物)がかわいく、愛おしく思える漫画」

ネーム感想メモ③   19名中6名


前回に引き続き、ひらめき☆マンガ教室 第5期の方々の漫画の感想を書きました。個人的な感想です。


いとしろ たかや
うさぎの時間

付き合いたての若いカップルが
野うさぎたちに邪魔されながら初めてのキスをする話。


文字の情報が少なくて、登場人物の表情や仕草、読み手に何を見てほしいか、コマのリズムがきちんとコントロールされていてとても読みやすいし、わかりやすいです。本当にテンポよく読めてしまいます。

ただお話しとしてはシンプルさゆえに、このイチャイチャが気恥ずかしく感じました。

少女漫画の純愛ものとして読むには2Pの「まだキスしたことがありません」というモノローグとうさぎがあまりにも性的な匂わせを含みすぎるように感じました。このセリフを生かすのであれば何かしらのラブコメ的な展開として笑いがあるといいなと感じます。

うさぎは可愛い見た目ですが、特徴としては繁殖力の高さ、年中発情期であるという事が知られていると思います。可愛いさの反面、ごっつい性欲というギャップがあるとも言えるわけですが、こうした特徴をお話に何らかの形で加えるのも面白そうです。

主人公のほのかちゃんはとても可愛いので、もう少しほのかちゃんらしい魅力が知りたくなりました。


たにかわ つかさ
弁当食らいのビャービャー丸

高1男子がお弁当をきっかけに、母が自分にしてくれていることに気づく話。

はじめ、息子と母の話として読みました。

アピール文には、ビャービャー丸がいるから主人公ケンタが成長するという物語り、ということが書かれてあったので、「高1男子が弁当を食べてもらってる猫みたいな生きものに付きまとわれる話」として読むようにしました。

ビャービャー丸と主人公ケンタの成長の話とするのであれば、お母さんのシーンは読み手を作品の意図とは違う方向へ引っ張ってしまう気がします。もう少し情報を減らすと、読者は迷わず読み進めることができると思いました。

ビャービャー丸が架空の生物である理由、主人公ケンタの成長への手助けという点は不明瞭でした。

手作り弁当を食べない、これがどんなことを意味するのか、ケンタが抱えてる欠落がもう少しわかりやすく描かれていると読みやすいなと思いました。
ケンタがどんな性格なのか、パッと見でわかるとお話しの運びがスムーズになると思いました。それによりビャービャー丸の位置づけが確かなものになるかと思います。

ビャービャー丸のキャラクターデザインはとても可愛いと思いました。


つりばし わたる
デレないネコに好かれたい

小学校の守衛さんと守衛室に住みついたのら猫のふれ合いの話。

忙しない日常のなかにホッとひと息つけるお話しです。

なにも考えず読みました。そして、共感しました。ねこという生きものに好かれたい気持ち、よくわかります。

完成稿で猫をどんなふうに描くのか、とても気になりました。とても魅力的にねこを描いていらっしゃるので、ぜひとも完成した絵を拝みたいと思っています。


千住ちはる
うーちゃん何でしょう?

父と娘の動物ものまね当てゲームの話。

3問目のうーちゃんのむちゃぶり問題に思わず笑けて、肩の力が抜けてしまいました。うーちゃん、かわいい〜!!

読者ははお父さんの視点からうーちゃんのものまねを見て一緒に考えて楽しむことができます。

ものまねは、①ねこ②アメンボ③鹿となっていて、3番目が1番の難易度となっています。

ただ②アメンボもかなりの難易度でまったく検討がつきません。
9Pお父さんが記憶をたどるシーンで、もう少しわかりやすいヒントが描かれているといいなと思いました。2問目はなんとか読者も正解に導いてあげたほうが、次に迎え撃つ3問目のむちゃぶりさが楽しめるかなと思うからです。

なんのものまねをしてるか当ててもらうゲームのはずが、2問目の正解のあとからはうーちゃんがお父さんに正解させまいとするゲームにすり替わっていて本当に面白いです。

一点、お父さんがうーちゃんとのやりとりでいつも困った顔をしていることが気になりました。笑いを生む要素ですが、ずっとそんな顔しなくてもいいのになと思いました。娘の良さ、可愛さを父が素直にうけとめ、一緒に楽しんでいるところが描かれていると、より天真爛漫なところが面白く映えるのではないかと思っています。


晃てるお
リンゴ好きのジロー

リンゴが好きな飼い犬の話。

飼い犬との日常の一コマに心癒されます。リンゴ、好きなんすね。好きなものを食べて嬉しそうなのっていいですね。見ているだけで嬉しい気持ちになります。素直で可愛いわんちゃんなんだなと感じました。

母と娘のやりとりが普通にリアルすぎて、べつに変なところがないはずなのに、妙な可笑しさが込み上げてきました。冷蔵庫を開けてしゃべる姿、面白いです。なんとなくテレビドラマのワンシーンをみてるような感じがしました。


吉田屋敷
リョータとリョーコとマーモット

動物園で耳にしたマーモットの本当の鳴き声が姉の言うとおりYouTubeの動画と違うとわかって、弟がとても悲しい気分になった話。

ただただおもしろく読みました。何度読んでもおもしろいです。

マーモットの鳴き声と弟リョータの反応ってところだけを切り取ってみても、おもしろ可笑しい!お姉ちゃんの動画がバズったのも頷けます。

そして、弟と姉のやりとりをみても面白い!年齢も身長も上で、口達者な姉に弟がちゃんとツッコミ入れて言われっぱなしになっていないところが好きです。

しかしお姉ちゃんは強い!この弟に「情弱」と言い放つ容赦のなさに笑ってしまいました。ひとクセもふたクセもありそうなこのお姉ちゃんのキャラクターも面白くて気になります。
7P姉に圧倒的にやられて、さすがに反撃できない弟のアゴがふるふる、感情が押し寄せてくるのを必死で耐えてる姿、とてもよかったです。うちの下の息子みたい!

最後に、マーモット!
知らなかったので調べました。げっ歯類でリスみたいな顔で、うさぎみたいにずんぐりした体をして、山に住んでる生きものだとわかりました。ちょっと調べただけでも、画像が面白いです。

8,9Pマーモットが鳴く前の静寂のシーン、マーモットは警戒して立ち上がり、様子をうかがってるだけですが、それがなぜか面白く見えてしまいます。そこに弟リョータの期待と不安が入り混じって、時間がスローになって見えました。緊張感があるのになぜか面白い、めちゃくちゃいいシーンでした!

弟リョータの気持ちを想うと笑っちゃいけない…と思うんですが…とてもおもしろ可笑しく読みました。ありがとうございました。


課題6 ネーム感想、書き終わりました。どれも面白くて、感想を書きながらいろいろな気づきがありました。

しかしずいぶんのんびりしていたようで、もうすでに次の課題が提出されています。また引き続き、がんばります。

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