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ひらめき☆マンガ教室 感想

第5期

課題5 感情
テーマ『花開く』

感想メモ② 16名中7名

ゲンロンひらめき☆マンガ教室 第5期の感想をかきます。個人的な感想です。


qjin
G


個人的な欲求を追求した結果、時代を大きく変えるきっかけをつくった男とその後の顛末。

はじめに読んだとき、おもしろくておったまげました。そのあと何度も読むうちに意図とはちがうところにもひっかかりました。

出産時の勃起抑制手術は男性のみ?女性は??ほとんどの国民は生殖することを許されていない、ということは人口は激減?この狂気じみた政策は犯罪抑止のためという名目だが、なにか他にも政府の意図があるのでは?…と思いたくなってしまった。あと、銅像。
これらはお話の意図とはズレたところです。おもしろくて、つい気になってしまいました。

おじいさんは世界をかえてやろうなんて微塵も思っていないのに、ただじぶんの性欲と向き合った結果、人々を巻き込んだ時代のムーブメントを起こし、革命へと繋がる手助けをすることになった。が、世代を超えていつしかおじいさんの銅像の意味を誰も気に留める者はいなくなってしまった。

とてもおもしろかったです。ギャグとしておもしろい反面、奥深い内容が見え隠れしていて、読み終えた後どしんと心に重いパンチをくらいました。


滑川王手
月下美人


家に不法侵入した奇妙な男と過ごした一夜の話。

出歯亀というものを知りませんでした。勉強になりました。窃視症、好色な男性、変態といった意味があるようです。もともとはある殺人事件の犯人のあだ名に由来して派生していった言葉なのですね。ズボンのポケットから亀を出して、男の言い分はようわからんけど亀の可愛さに納得したという節はなんともユニークで上手だなと思いました。主人公はこの奇妙な男と寝たとありますが、これはやはりセックスしたという意味…かと思います。出歯亀ですし。月下美人の咲く月夜ですし、なんかすごいなぁ。人ってわからんもんなのだなと。台詞の端々には元妻への未練と孤独感がありますが、どこか他人事のような感じもあって中年男の生々しさがありました。


いとしろ たかや
好きの言葉


付き合いたての高校生男女の話。

とても読みやすかったです。告白して付き合い始めたときのなんとも言えない違和感がよく伝わってきました。まわりの反応などから嬉しいはずなのに不安、疑心暗鬼で当人同士の大切な気持ちが見えづらくなる感じ。ともだちに相談するところも、そこから勇気をもらって行動にうつすところも高校生女子のまっすぐな感じがあってよかったです。


谷なすび
溺れるカッパ


ホームレスのおじさんが女子高校生YouTuberと出会って今と違う自分になって生きようとする力が少し湧く話。

おもしろかったです。意図通り読めたと思います。ネームですが、絵にもお話しにも独特な味があって、完成稿が楽しみです。ラスト、謝礼の千円を持って食べ物を買うのではなく、千円カットに行って見た目をかえるところもいいですね。おじさんの長い髪はキャラクター映えしててよかったけど、髪を切ったらきっと気持ちも引き締まっておじさんの生きる活力になりそうですね。この先のかっぱさんのお話もみてみたいと思ってます。


たにかわ つかさ
つり日和


父と息子が釣りをする話。

レンは5〜6才といった年齢でしょうか。天真爛漫で行動力のあるお子さんですね。お父さんには負けたくない、プチ反抗期なのでしょうか。子どもには小さな反抗期がいくつもあると思ってます。大事なことだと思います。親の思惑通りにはいかない、親のタイミングで子どもは動いてくれない…そんなところがとても上手にかかれていると思いました。
子どもはうまくしたら、ハマる。時間はかかるし、とにかく親は忍耐。だからこそ夢中になる子どもをみるのは嬉しい気持ちになるのかなと。
15ページ、レンの顔もいいですが、お父さんの表情、いいですね。ラスト16ページ「そろそろ帰るか」「もうちょっと!!」子どもからこの言葉を引き出したあとのお父さんの「…そうだな」は困りながらも嬉しい最高の「そうだな」だっただろうと思いました。


つりばし わたる
人間性診断


観光バス会社の業務前に行う人間性適正診断の際の運転手と診断士の会話のやりとりの話。

観光バスの運転手さんは業務前に業務適正値を機械をつかって測り、数値が80ポイント以上だと仕事ができるというもの。業務前にアルコールの数値を測るような感じでしょうか。人間性が数値化されるなんてなんだか奇妙なお話です。なかなかシュールです。
苦手な片桐さん、最初の一言めのあとすぐのツッコミ「あ、ハイじゃねーだろ」こうゆう圧の強めのひといますよね。自分の喋りたいことだけ喋るかんじ。苦手なのがなんかわかります。
でも、この日の主人公はなにか違ったのかな。「あ、あの、まあまあです」「さっきのやる気の話」…片桐さん「はは、まあまあがいいじゃん」片桐さんは否定しなかった。苦手な相手だけに、そんな些細なやりとりでもなんとなく嬉しい。ラスト主人公の表情ははにかんでいるととりました。よいお話ですね。



よこうただ
雨がなくてわ


子どものころの溺れた記憶と父の死のトラウマが重なって雨が怖い人の話。

とても叙情的でした。後半、絵が描かれていません。これはこれでいいのでいいのですが、それ故に漫画というよりは散文のようでした。
ラスト10ページ同じ職場の人との会話でしょうか。「誰かと濡れるのはそんなに悪くなかった 雨が好きになるかもしれない」ではおそらく言葉で描かれていない何かがあったと推測します。何かキュンが。絵があったほうが伝わりやすいかと思います。雨の匂いがしてきそうなお話しでした。





課題5 感情
提出 16名中7名分
のこりの感想をかきました。



感想をかくのは時間と気持ちを消耗します。が、やってよかった。いえーい。自分が物語のあらすじを読み取れていないことに気づきました。こりゃ訓練が必要だ。

インプットもいいですが、アウトプットしてみるのもいいですね。
じぶんが感じたことを活字にしてみるのは思っている以上に新鮮で驚きがありました。

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