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マッチングサイト利用規約を作成するときの注意ポイント

こんにちは。弁護士・ビジネスコーチの波戸岡光太です。
近年、マッチングサイトの数が急増しています。
会議室や駐車場、民泊などのスペースマッチングや、リモートワークの拡大に伴ってプログラマーやデザイナーのためのスキルマッチングサイトも数多く登場しています。
しかし、これらのサービスの拡大とともにトラブルも増加しているのが現状です。

トラブルが起きると、マッチングサイトの運営者は社会的な批判を浴びるだけでなく、法的責任の追及も受ける可能性も高まります。こうしたリスクを避けるためには、トラブルを事前に想定し、利用規約で明確な対策を講じておく必要があります。


マッチングサイト運営者が考慮すべきトラブル対策

マッチングサイトでのトラブルは、大きく分けて「ユーザー間のトラブル」と「運営者とユーザー間のトラブル」の二つに分けられます。

1.ユーザー間のトラブルへの対応

ユーザー間のトラブルには、金銭トラブルやサービスの品質に対するクレームなど、さまざまなケースが考えられます。運営者としては、こうしたトラブルを防ぐための仕組みを整えることが重要ですが、同時に利用規約に「ユーザー間のトラブルに責任を負わない(負えない)」と明記することも必要です。そのうえで、トラブル発生時に迅速に対応できるよう、具体的な対応マニュアルを準備しておくことが重要です。

2. 問題ユーザーの管理と対応

より多くのユーザーを集めることはマッチングサイトの成功に不可欠ですが、それに伴い問題のあるユーザーが混入するリスクも高まります。運営者は、登録要件を適切に設定し、問題が発生した際の解約や退会規定を明確にしておく必要があります。
また、具体的な禁止行為を利用規約に盛り込み、一方的に解約や退去が可能なシステムも構築しておくことが望ましいでしょう。

3.サービス提供不履行への対応策

ワーカーやシッター、家事代行などのマッチングサイトで、マッチング後に担当者が現れないというトラブルも発生します。こうした場合には、第二候補の担当者をすぐにマッチングできるシステムを導入することや、サービス不履行時の責任の所在を利用規約で明確にしておくことが必要です。

運営者とユーザー間のトラブルへの対策

1. 成果や売上の非保証

マッチングサイトの中には、求人募集やイベント告知などを目的としたものもありますが、これらのサイトが売上や集客の成果を保証するわけではありません。クレームを避けるためにも、利用規約で成果や売上を保証しない旨を明記しておくことが重要です。

2. サイト外での直接取引の禁止

サイト上で一度マッチングが成立した後、ユーザー同士が直接取引を継続するケースがあります。これを許容するか否かの方針を明確にし、許容しない場合は利用規約で一定の「縛り」を設ける必要があります。ただし、ユーザーにとって不利益となる「縛り」は形骸化する可能性があるため、サイトを使い続けるメリットを訴求することも必要です。

法的チェックの重要性とビジネスパートナーとしての役割

新たにマッチングサイトを立ち上げる際は、ビジネスモデルが法律に抵触していないか、法的にクリアすべき課題がないかを確認する必要があります。たとえば、求人系のサイトが「職業紹介」に該当する場合、厚生労働省の許認可が必要です。また、提供するサービスに必要な資格の確認や本人確認も重要です。

法律遵守のビジネススキームを構築するためには、弁護士など法律専門家の助言を受けることが安全です。私自身、利用規約の作成や法的チェックを通じて、マッチングサイト運営者と協力し、事業の成長をサポートしています。利用規約の改善により、ユーザーの信頼を高め、ビジネスをより良い方向に導くお手伝いをいたしますので、ぜひお気軽にご相談ください。

https://hatooka.jp/index.html


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