コトワリ

【CoClog】コトワリ

シナリオ制作者:も様
PC:和達 銀治(30歳・刑事) PL:銀月
PC:工藤 有佑(34歳・元刑事/現用心棒) PL:ハト
KP:ハト

クトゥルフ神話TRPG「コトワリ」
「何時か来るお別れの練習をしましょう」

 

KP:—————ピピピ。
KP:アラームの音であなたは目を覚ます。
KP:四月末の土曜日の朝。今日は昼から工藤と水族館に行く約束だ。
KP:ひとつ伸びをしてカーテンを開けると、眩しい日差しが差し込む。空は晴れ渡り、雲ひとつない。

和達銀治:いい天気
和達銀治:晴れてよかったなぁ

KP:あなたが起きると、ノアがパタパタとベッドに近寄ってくる。

ノア:「わふ」
和達銀治:「ノアおはよう」わしゃわしゃ
ノア:尻尾を振っている
和達銀治:「今日は出かけてくるから留守番頼んだぞ」
ノア:「わんわんっ!」
和達銀治:CCB<=39 犬語
Cthulhu : (1D100<=39) → 36 → 成功

KP:ノアは、天気がいいから外に出たいようだ。

和達銀治:「散歩に行きたいのか?仕方ないな…」
ノア:「わんっ!」
ノア:尻尾をぶんぶん
和達銀治:「わかったわかった、準備するからちょっと待っててくれ」
和達銀治:顔を洗ったりして散歩の準備をすまします

KP:準備を済ませて、あなたは愛犬の散歩へと外に出る。
KP:まだ梅雨の前だというのに、夏を思わせるような暑い日。
KP:強い日差しは車道やビルに注いでいる。
KP:青風が街路樹の枝を揺らし、あなたのシャツをはためかせた。

和達銀治:「……」嬉しくなった

KP:ここで<聞き耳>を振ってください。

和達銀治:CCB<=57 聞き耳
Cthulhu : (1D100<=57) → 24 → 成功

KP:背後から、大きなエンジン音がしたことにいち早く気づいた。
KP:ノアもそれに気づいたようで、あなたに知らせようと吠える。
KP:振り返ると、大型のダンプ車が信号を無視して、あなたの目前まで迫ってきている。
KP:避けますか?

和達銀治:避けます!!

KP:<回避>を振ってください。

和達銀治:CCB<=60 回避
Cthulhu : (1D100<=60) → 27 → 成功

KP:ダンプ車はあなたの身体に接触するぎりぎりを掠め、少し手前の建物の壁に激突し、止まった。
KP:建物からは黒煙が上がっている。
KP:あなたは思わずその場にへたり込んでしまう。
KP:ザワザワと人だかりができ、ダンプ車の運転手が慌ててあなたに駆け寄る。
KP:幸いにもあなたは、怪我一つしていないようだ。

ノア:「クゥン…」なめる
和達銀治:「……あ、ノア怪我無かったか…?」
ノア:「わんっ!」元気
和達銀治:よかった

KP:やがて警察がやってきて、あなたは少し事情聴取を受けるが、すぐ解放されるだろう。
KP:休日なのに災難だった、そんなことを考えながら警察署から出ると、もうすぐ昼になろうとしていた。
KP:太陽が高く昇っている。

和達銀治:「もうこんな時間だ…!」ノアをお家に送りに行くかな

KP:あなたが気をとり直し、急いで家に向かおうとしたその時。

KP:———ズキリと頭が痛む。
KP:それはただの眩暈のようにも思われたが、なかなか収まらず、あなたは思わずその場にうずくまる。
KP:頭の血管が脈動する度に、ズキリズキリと痛みが質量を増していく。

和達銀治:「っつ…?」

KP:やがて、糸が切れたようにあなたの意識は途切れ、白い光が全てを覆っていく。
 

KP:眩しい光を感じ、あなたの意識は覚醒する。
KP:目を開けると、どうやら時刻は夕方になっていたようだ。
KP:空は茜色に染まり、大きく赤い太陽が今まさに地平線に沈もうとする瞬間だった。
KP:夏の日のような空気と、蝉の声が周囲に響いている。
KP:周りには荒れ果てた建物と、鳥居と、長い石段が見える。
KP:どうやらここは神社か何かのようだ。あなたはこの場所に心あたりはない。
KP:くすんだ赤色をした鳥居が、赤い夕陽を鈍く反射している。

和達銀治:「…あれ…」きょろ…
和達銀治:ノアはいますか?

KP:ノアの姿はない。
KP:あなたが状況を理解できず、あっけにとられ境内の石畳に立っていると誰かが石段を登ってくる音が聞こえる。
KP:その姿はすぐに確認できた。その人物は、あなたのよく知る人。今日、会う予定だった人物。
KP:工藤有佑だった。
KP:彼は一瞬、あなたの姿に驚いているようだった。

工藤有佑:「………銀治」
和達銀治:「あ…?」
和達銀治:「え…?」

KP:あなたの反応を見ると、彼の驚きの表情も一瞬で消え、酷く嬉しそうな、しかしどこか悲しそうな表情をして、あなたに近づいてくる。

和達銀治:「??」
工藤有佑:「……」

KP:彼はあなたの手を取ると、ポケットから赤い糸を取り出してあなたの小指に宛がう。
KP:一回、二回と指に糸を巻き、余った糸をきゅっと結ぶ。
KP:見ると工藤の小指にも同じように赤い糸が結ばれていることがわかる。
KP:あまりにも突然の行動に、あなたはそれを見守るしかなかった。

和達銀治:「???有佑????」
工藤有佑:「…ああ、…元気、だったか?」
和達銀治:「げん…?ん?」
和達銀治:「元気では、ある…けど…?」
和達銀治:「これはなんだ?」小指を見る
工藤有佑:「そうか…よかった」
工藤有佑:「これは…。」少し考えている
工藤有佑:「お守りみたいなものだ」
和達銀治:「…」きょと
工藤有佑:「…こんなところに居ないで、下に降りないか?じきに暗くなる」
和達銀治:「…え、あ…あ!ノアを知らないか??さっきまで一緒にいたんだが…」
工藤有佑:「……」
工藤有佑:「ノアは、預けてある」

KP:工藤は一瞬悲しそうな顔をしたようにみえた。

和達銀治:「……?」
和達銀治:「そ、そうか…」
工藤有佑:「……行こう」
工藤有佑:手を繋いで引いていきます
和達銀治:引かれるままついていきます

KP:夕日に照らされた石段を降り進んでいくと、行きついた先は見覚えのある公園だった。
KP:オレンジ色の公園はどこか哀愁を誘う。子供達もまだ何人か遊具や砂場で遊んでいるようだ。

和達銀治:「…あ、ここにつながってたのか…」

KP:工藤は頷き、立ち止まる。

工藤有佑:「銀治、…今日は、家に泊まらないか?」
和達銀治:「え…?」
和達銀治:「……どうかしたのか…?」
工藤有佑:「……」
工藤有佑:「何が食べたい?」
和達銀治:「……」ムム
和達銀治:「……オムライス」
和達銀治:「でも、迷惑じゃないか…?」
工藤有佑:「そういうと思って、家に材料を買ってある」
和達銀治:なんで??
和達銀治:「…何かあったのか?」
和達銀治:「水族館、行けなかったから怒ってるとか……?」

KP:工藤は少し笑って、首を横に振る。

工藤有佑:「別に、怒ってない」
工藤有佑:「明日行かないか?水族館」
和達銀治:「……」じっと見る
和達銀治:「有佑が…いいなら」
工藤有佑:「何だよその顔は…嫌なら別の場所でもいい」
和達銀治:「嫌じゃない!…けど…」
和達銀治:「……なんか、う~ん…何だろう。」じろじろ見ます
工藤有佑:「??」
和達銀治:「……」
和達銀治:「いや、まあいいか」
工藤有佑:「誰かほかに会いたい人がいるなら、明日はそっちにいってもいい」
和達銀治:「?」
和達銀治:「それは別に」
和達銀治:「いや、行けなくて悪かったな…いつの間にかこんな時間に…」
和達銀治:「有佑がいいなら俺も明日行きたい」
工藤有佑:「……。ああ、明日はいい日にしよう」
和達銀治:「…?そうだな」頷く
工藤有佑:「きっと晴れるだろ」夕焼けを見る
和達銀治:つられて夕焼けを見ます

KP:夕陽は建物の間に沈み、赤い空の色は端から群青に変わっていく。
KP:建物に明かりがぽつぽつとともり始め、夕飯の香りが風に乗って鼻をかすめる。
KP:どこか遠くで18時を知らせるチャイムが鳴っていた。

和達銀治:「……お腹すいたな。」
工藤有佑:「ああ、俺たちも帰ろう」手を引いて歩きだします
和達銀治:「…そうだな」
和達銀治:ついていこう

KP:あなた達は工藤の家に向かって歩き始める。
KP:和達が知っている道ではないようで、少し人気のない寂しい通りを歩いていく。 
KP:しばらく歩いていると、前方にポツンと自販機が立っているのが見えた。

工藤有佑:「そういえば飲み物、買ってなかったな…」ぼそ
工藤有佑:「何か飲みたいものはあるか?」
和達銀治:「うーん、お茶?」
工藤有佑:「甘くなくていいのか?」
和達銀治:「あー、でも熱いから今日はお茶がいい」
工藤有佑:「わかった。買ってくる」
和達銀治:買ってくるの?

KP:そう言ってあなたの手を離し、自販機に向かっていった。

和達銀治:ちょっと寂しい

KP:あなたが大人しく待っていると。
KP:突然、あなたの背中に誰かがぶつかる。

和達銀治:「おっと…」
和達銀治:「悪い、大丈夫か…?」振り返る

KP:反射的に目を向けると、そこにはコートのフードを目深に被った男が立っていた。
KP:フードのせいで表情は読めないが、あなたのことをしげしげと見つめてくる。

和達銀治:「?」
和達銀治:「怪我無いか…?」

KP:男は無言で、一枚の紙をポケットから出して、あなたに差し出す。

和達銀治:「?」受け取る

KP:あなたが紙を受け取ると、すぐさま男はくるりと踵を返して去っていってしまう。

和達銀治:「あ…」
和達銀治:メモを見ます

KP:紙には、
KP:「今日の深夜0時に神社の石段の入口で待っている。糸の先の相手のことを想うなら一人で来い。」
KP:と書かれている。
KP:差出人は書かれていない。

和達銀治:「?」
和達銀治:小指と有佑を交互にみる

KP:交互に見ていると、飲み物を買い終えた工藤がこちらに戻ってきそうだ。

和達銀治:「……」ふむ、紙はポケットに入れておきます

KP:あなたはとっさに紙をポケットに滑り込ませる。

工藤有佑:「待たせたな」ペットボトルのお茶を渡す
和達銀治:「いや、ありがとう。」受け取ります
和達銀治:「よかったのか?」買ってもらって
工藤有佑:「気にするな」
和達銀治:「そうか」
工藤有佑:「ああ。もうすぐ家だ」

KP:そう言って工藤はまた歩き出す。

和達銀治:ついていきます

KP:そこまで複雑な道は通らずに、あなたたちは帰宅する。
KP:しかし案内された工藤の家は、和達が記憶している家ではなかった。
KP:部屋の中も、あなたの記憶しているものとは違っていた。

和達銀治:!!?!
和達銀治:「…?引っ越したのか」
工藤有佑:「ああ…、引っ越した」
和達銀治:「知らなかった…」
工藤有佑:「…まあ、そうだろうな」
工藤有佑:「好きなところに座ってくれ。夕飯の用意をするから」
和達銀治:「おじゃまします……」ムム
和達銀治:緊張する

KP:工藤の部屋は、相変わらず物が少なく片付いている。
KP:ベッドも綺麗に整っており、サイドテーブルにはくらげのぬいぐるみが置いてある。
KP:仕事用の机も綺麗に、というか使われていないのだろうか、整頓されている。

和達銀治:(片付いてるな…)

KP:あなたが部屋を見回していると、キッチンから工藤が声をかけてくる。

工藤有佑:「洗面台はこっち。帰ったら手洗えよ」
和達銀治:「あぁ、そうだった…」クラゲをしばらく見てから手を洗いに行こう

KP:蛇口を捻ると冷たい水が出てくる。
KP:隣のキッチンでは野菜を切る音がしてくる。

和達銀治:懐かしいなぁと思ってる
和達銀治:(この音好きなんだよな)手洗いを済ませて出てきます
和達銀治:部屋に戻って大人しく待ってます

KP:しばらく待っていると、ご飯の炊ける音、卵を混ぜる音、炒める音が聞こえてくる。

和達銀治:じゃあキッチンのほうに顔を出します
和達銀治:「手伝おうか??」

KP:キッチンを覗いて声をかけると、工藤は振り向いて少し嬉しそうにあなたを見る。

工藤有佑:「じゃあ、運んでくれるか。あと、サラダを…」
和達銀治:「ん!いいぞ」
和達銀治:「運ぶのとサラダは得意だからな」

KP:キッチンに入るとオムライスの香りが漂う。
KP:野菜は切られており、あとは皿に盛り付けるだけだ。

和達銀治:いい感じに盛り付けたいです

KP:では<DEX*5>どうぞ

和達銀治:ccb<=45 DEX*5
Cthulhu : (1D100<=45) → 81 → 失敗

KP:ちょっと床にこぼれた。
KP:ぱらぱら

和達銀治:「あ…」
工藤有佑:「本当に得意なのか?」呆れ笑
和達銀治:「今日はちょっと調子が悪かったな」
工藤有佑:「そうか、……嫌いな野菜があったら避けていいからな」
和達銀治:「子供じゃないぞ…」
和達銀治:「俺が有佑の作ったもの残したことあったか?」
工藤有佑:choice[残したことがあった,残さなかった]
Cthulhu : (CHOICE[残したことがあった,残さなかった]) → 残したことがあった
工藤有佑:「……」
和達銀治:「……」
工藤有佑:「無理して食べなくてもいいからな」
和達銀治:「わかってる…」
和達銀治:テーブルに並べます
工藤有佑:「オムライスとシチューとホットケーキのほかには、何が好きなんだ?」並べてるのを見ながら
和達銀治:「う~ん、そうだな…冬は鍋がいいし、夏は素麺とかよく食べる」
和達銀治:「俺でも作れるからな」
工藤有佑:「…他には?」
和達銀治:「ほか…?他…?ピーマンの肉詰めも美味しかった」
和達銀治:「あとは…あ、イチゴタルトも好きだ」
和達銀治:「でも、もう季節じゃないか…急に暑くなっもんな?」
工藤有佑:「……」今言ったものを好きなことは知ってるな…って顔
和達銀治:「?」
和達銀治:「…そういうことじゃなかったか?」
工藤有佑:「今聞いたものが好きなことはもう知ってる」
和達銀治:「そうなのか!すごいな」
和達銀治:「まあでもそうだな…好きだと思ったものは大抵有佑が作ってくれてたから」
工藤有佑:「……お世辞はいいよ」
和達銀治:「……」ムム
和達銀治:「俺がお世辞なんて言えるほど器用に見えるか?」
工藤有佑:「…。そんなに不器用でもないだろ?」
工藤有佑:「でも、ありがとうな」
工藤有佑:「作った甲斐がある」
工藤有佑:「冷める前に食べるか」
和達銀治:「……」
和達銀治:「そうだな」座ります
和達銀治:こっち!

KP:あなたたちは向かい合って食卓を囲む。

工藤有佑:「いただきます」
和達銀治:「いただきます」

KP:オムライスは懐かしい味、いつもの味だ。

和達銀治:「……うん、おいしい。」
工藤有佑:よかった、という顔
和達銀治:「美味しいのに飽きない、いつもの味だな」
工藤有佑:「そうなのか?…あとな。デザートも用意してある」
和達銀治:「ん!」
和達銀治:「なんだ??!」
工藤有佑:「食べ終わってからな」
和達銀治:「んん!そう言うのはずるいぞ」
和達銀治:黙々と食べます

KP:オムライスとサラダを黙々と食べ進める。
KP:そろそろ食べ終わるという頃合いを見計らって、工藤は冷蔵庫にデザートを取りに向かう。
KP:持って帰ってきたのはチョコプリンだ。

和達銀治:「!」
工藤有佑:「久しぶりに作ってみたが…」
和達銀治:「チョコプリンだ…!」
工藤有佑:「やけに嬉しそうだな」
工藤有佑:スプーンと一緒に渡す
和達銀治:「チョコプリン、もうお目にかかれないかと思っていた」
和達銀治:「うれしい」
和達銀治:貰います
工藤有佑:「そうなのか、言えばまた作ったのに…」
和達銀治:「そうなのか…?」
和達銀治:「でもなんか、特別って感じがするだろ」
工藤有佑:「……まあ、……そうだな」
和達銀治:一口スプーンですくって食べます

KP:チョコプリンはあの日、2月14日の夕飯のデザートと同じ味がする。

和達銀治:「変わらないな」
工藤有佑:「…材料通りに作ってるからな」
和達銀治:「そうじゃなくて…引っ越しまでしてたから、なんかこう変わっちゃったのかと思ったんだが」
和達銀治:「変わってなかった。安心した」
工藤有佑:「………」
工藤有佑:「……」静かに頷く
和達銀治:もぐもぐ
和達銀治:「…ごちそうさまでした」
工藤有佑:「ごちそうさま」
工藤有佑:残した?
和達銀治:綺麗に完食!
工藤有佑:「片付けしておくから休んでてくれ」
和達銀治:「…え、皿洗うぞ?」
和達銀治:「なんか、してもらってばっかりだしな」
工藤有佑:「……そうか、じゃあお願いしよう」
和達銀治:「あぁ、任せてくれ」
和達銀治:皿を洗うなどします
和達銀治:CCB<=14 芸術(皿洗い)
Cthulhu : (1D100<=14) → 39 → 失敗

KP:見慣れないシンクで少し戸惑いつつも、あなたはいつも通り皿を洗う。
KP:工藤はその様子を少し離れて見ている。

和達銀治:「?休んでればよかったのに」洗い終えて手をふきます
工藤有佑:「…何となく心配でな」
和達銀治:「だから子供じゃないぞ」
工藤有佑:「わかってる」
和達銀治:「…まあ、ありがとう」

KP:いつのまにか、時刻は夜の9時を過ぎていた。
KP:工藤は少し眠たそうに、あなたに先に風呂に入るように促す。

和達銀治:じゃあ遠慮なく先に入ります

KP:掃除の行き届いた風呂だ。外が暑いからか、お湯の温度はぬるい。
KP:いつも通り頭を洗い、身体を洗う。一緒に住んでいた時と同じ匂いのものだ。

和達銀治:うっ
和達銀治:フードの人何者だろう、起きたときなんであそこにいたんだろうなどと考えながら入浴を済ませます

KP:風呂から出ると、ベッドの横にあったテーブルが片づけられ、布団が敷かれていた。
KP:その布団の上で、力尽きたように工藤が眠ってしまっている。

和達銀治:かわいいな
和達銀治:「……」近づいて眺めます
工藤有佑:スヤ…

KP:ぐっすり眠っているようで、揺すってみても起きないだろう。

和達銀治:「……何か悲しいことがあったのか…?」
和達銀治:「…言ってくれればいいのに」
和達銀治:「……」お腹にだけ布団をかけてあげます
和達銀治:今何時くらいですか?

KP:10時くらいです

和達銀治:特に意味はないけど部屋を改めて見渡します

KP:<目星>をどうぞ

和達銀治:CCB<=78 目星
Cthulhu : (1D100<=78) → 7 → スペシャル

KP:部屋を見回すと、ふとカレンダーが目に入る。
KP:カレンダーは7月になっていることがわかる。

和達銀治:「…?」あれ
和達銀治:近寄ってよく見ます
和達銀治:四月の末まで戻してみます

KP:4月、5月、6月のカレンダーはすでに破り取られているようで見当たらない。

和達銀治:「……あれ、今は四月のはず…」
和達銀治:「……?」
和達銀治:冷蔵庫を開けて卵の賞味期限を見ます

KP:冷蔵庫の中の卵や乳製品の賞味期限をみると、7月末から8月初旬にかけてのものが多いことがわかるだろう。

和達銀治:「……」閉じる
和達銀治:「どういうことだ…?」
和達銀治:(七月まで何をしてたのか全く思い出せない…)
和達銀治:「う~ん…」
和達銀治:有佑がちゃんと寝てるのを見て静かに外に出ます

KP:工藤は悲しい夢でも見ていたのだろうか、少し泣いたような跡がある。
KP:起きる様子はない。

和達銀治:「……」

***

KP:あなたは外に出る。風が涼しい。
KP:夏の香りがする。
KP:夜の空は晴れ、星が瞬いているのが見える。

和達銀治:「……」自分の家に行ってみたいです

KP:あなたは自分の家を目指して歩き出す。
KP:見慣れた道まで戻ってくると、我が家はすぐそこだ。
KP:マンションの4階に向かい、足を速める。
KP:部屋には鍵がかかっている。
KP:探せば、鍵はポケットにはいっているだろう。
KP:しかし、携帯電話や財布などは見当たらない。

和達銀治:鍵を開けます

KP:鍵を開けて、家の中に入る。
KP:…すると、部屋の中は、あなたの記憶しているものとは少し違っていた。
KP:まず、いくつかの生活用品が、ダンボールの中に詰め込まれていた。
KP:そして、どこか空気が淀んでいる。まるであまり人が出入りしていなかったかのようなそんな印象を受ける。
KP:部屋を確認してみるが、やはりどこもかしこも使われていないような様子だった。

和達銀治:「!」
和達銀治:「……??」
和達銀治:「なんだ?本当に俺の家…だよな…」

KP:いつもなら帰ってくると玄関で迎えてくれる愛犬の姿も、ここにはなかった。

和達銀治:「……」
和達銀治:とりあえず神社に向かいます

KP:自分の家の状況が呑み込めず、不安と焦りを覚えつつも、あなたは暗い夜道を一人、神社へと向かう。
KP:先程通ったばかりの道だ、特に迷うこともなく、0時頃には約束の場所、石段の入り口に着く。
KP:そこには、あなたにその紙を渡したフードの男が石段の上に座って外灯に照らされていた。

和達銀治:「…あんただったよな、このメモ渡してきたの」
フードの男:「…時間ぴったりだ、それに君一人か、約束は守ってくれたみたいだね」
フードの男:「とりあえず、きっと困惑するだろうと思って、来てもらったけど」
フードの男:「さて、何から話したものか、何か聞きたいことがある?」
和達銀治:「聞きたいことだらけだ…」
和達銀治:「今は四月じゃないのか」
フードの男:「…?。彼から何も聞いてないの?」
和達銀治:「彼…」
フードの男:「本当は彼の口から伝えるべきことだと思わなくもないけど」
フードの男:「そうだね。流石に残酷すぎるから、僕が言うよ」
フードの男:「落ち着いて聞いてね」
和達銀治:「……」
フードの男:「君はこの世界では、3カ月前に死んでいる」
和達銀治:??
和達銀治:?
和達銀治:「は?」
和達銀治:「死んで…?」
和達銀治:「でも、今ここに居るだろ…?」
フードの男:「…その反応は正しい」
フードの男:「だって今ここに居る君自身は、死んでないんだから」
和達銀治:「?」
フードの男:「その糸」

KP:男はあなたの小指を指す。

和達銀治:小指を見ます
フードの男:「解けないでしょ」
和達銀治:軽く引っ張って見ます

KP:糸を解こうと引っ張ってみると、全く解ける様子がない。固まってしまっているように思える。どんなに力を入れても少しも動かない。

和達銀治:「…本当だ」

KP:よく見てみると、結ばれた糸から、半透明の赤い糸が伸びていることに気付く。
KP:それはとても長く、何処かへと繋がっているようだ。
KP:<アイデア>を振ってください。

和達銀治:CCB<=60 アイデア
Cthulhu : (1D100<=60) → 11 → スペシャル

KP:これが繋がっている先は、工藤の小指の糸なのではないかと思う。

フードの男:「それは絶対に解けない」
和達銀治:「……なんで」
和達銀治:「この世界の俺はって…じゃあ俺はなんなんだ?」
和達銀治:「なんで生きている俺が死んだはずの世界にいる?」
フードの男:「赤い糸のおまじない」
フードの男:「そう言われてるけど、実際はもっと質の悪いものだ、それは、強力な呪いの一種だよ」
フードの男:「厄介なことにそのまじないは、平行世界から、精神だけを引き寄せるものみたいだ」
フードの男:「つまり君は、3カ月前に死ななかった元世界から、3カ月前に死んでしまったこの世界に連れて来られたんだよ」
フードの男:「その糸は引き寄せた精神を、この世界に固定する為のものだ」
和達銀治:「……そ、…誰が…」
和達銀治:「………有佑が…呼んだのか……?」
フードの男:「そういうことになるね」
フードの男:「…ただ、彼は、この呪いのことを表面しか知らない」
フードの男:「彼は、君のことを本当にこの世界の君だと思っている」
フードの男:「死んだ君にもう一度会えたんだと、本気で思っているんだ」
和達銀治:「………。」
フードの男:「今の君は、死んでないけど、生きているわけでもない」
フードの男:「生霊とでも言った方が良いかもしれない」
フードの男:「そして精神…魂が抜けてしまった身体は、死んだも同然だ」
フードの男:「…君は僕と、その糸の先の彼以外には、姿が見えないし、聞こえない」
フードの男:「そして、彼もまた、君と僕以外には見えていないし、声も聞こえない状態だ」
フードの男:「なんでだと思う?」
和達銀治:「……」首を横に振る
フードの男:「…彼はね、呪いをかける過程で、精神と肉体を分離させている」
フードの男:「君という精神体をこの世界に固定するためだよ」
フードの男:「彼もまた死んでいないし、生きていない。彼自身がそれに気づいているかはわからないけれど」
和達銀治:「……そんな」
和達銀治:「……どう、すればいいんだ…」
フードの男:「…その糸を切らなければ、君の肉体も、彼の肉体も」
フードの男:「いずれ死に至る」
フードの男:「……事実は、君から伝えてあげてくれ」
フードの男:「僕が話しても、信じないだろうから」
フードの男:「今日は、そのことを頼みたくて呼んだんだよ」
和達銀治:「……」
和達銀治:「…。でも、ほどけないんだろ…この糸」
フードの男:「僕は君達を助けたい、協力したいと思う」
フードの男:「僕を信じてくれるなら、明日の夕方までに、2人でこの神社に来て」
フードの男:「その糸の切り方を、それまでに考えておくから」
和達銀治:「……」
和達銀治:「…そうか、」
和達銀治:「そうか……」
和達銀治:「…………………わかった」
和達銀治:「……よろしく、頼む
和達銀治:」
フードの男:「うん。じゃあ、頑張ってね」
フードの男:「…辛いかもしれないけど」
フードの男:「僕も…このおまじないをばらまいた犯人を早く見つけられるように頑張るよ」
フードの男:「人が人を思う気持ちを利用するのは、好きじゃなくてね」
和達銀治:「あぁ…。ありがとう……」

KP:男は頷くと、その場を去っていく。

和達銀治:「……」石段に座ります
和達銀治:すこし考えさせてください

KP:夏らしい虫の声が響いている。神社周辺には蛍が飛んでいた。

和達銀治:気持ちがまとまらないのでおもむろに歩いて…
和達銀治:自分んちの墓に向かいます

***

KP:あなたは夜も深い道を、共同墓地へと歩いて向かう。
KP:深夜を過ぎた墓地には、人の姿はない。ただ月明かりに照らされて、静かに墓石が立っていた。
KP:家族のいる墓の前に来ると、真新しい卒塔婆が立っていることに気づく。
KP:白い花と、あなたが好きそうなお菓子のお供え物が置かれている。

和達銀治:「……嘘じゃない、んだなやっぱり」
和達銀治:「そっか……。」
和達銀治:「…おまえ、…また、だめだったんだな」
和達銀治:「…おまえが、そんな石になったら」
和達銀治:「誰が、あいつを救うんだ…」
和達銀治:「ホントに、馬鹿だよ…」
和達銀治:「………。」
和達銀治:しばらく目を閉じたら、息をついて…家に戻ろうかな…
和達銀治:工藤の

***

KP:工藤の家に戻るころには、明け方になっていた。
KP:あなたが出て行った後から部屋の中の様子は変わっていない。

和達銀治:有佑はまだ寝てますか?

KP:寝ていますね。

和達銀治:「……」
和達銀治:じゃあ頭をひと撫でしていいですか?

KP:ひと撫でできます。

和達銀治:よしよし…
和達銀治:じゃあ!朝ごはんをつくります

KP:何を作りましょう

和達銀治:冷蔵庫を眺めます

KP:卵、野菜、ハム、チーズ、調味料
KP:牛乳、パン、昨日炊いたごはんのあまりがラップに包んである

和達銀治:う~ん、パンにしよう
和達銀治:じゃあハムエッグをつくります

KP:では<DEX*5>どうぞ

和達銀治:ccb<=
Cthulhu : (1D100) → 23

KP:綺麗な形でちょうどいい焼け具合のハムエッグができる。自信作だ。

和達銀治:「お!珍しくうまくできた」
和達銀治:焼いたトーストの上にねのせますよ

KP:サクサクにトーストしたパンの上にハムエッグを乗せると、さながら外国のオシャレな朝食のようだ。我ながらおいしそうにできたとあなたは思うだろう。

和達銀治:「…これは…なかなかの出来だな…」
和達銀治:有佑をゆすります

KP:軽く揺すると、ごねるような声を出しつつも工藤は目を開ける。

工藤有佑:「………」起きた
和達銀治:「おはよう」
和達銀治:「朝だぞ」
工藤有佑:「……」瞬きをする
工藤有佑:「…おはよう……」
和達銀治:「……聞いて驚け」
和達銀治:「朝食を作った」
工藤有佑:「……えらいじゃないか」
工藤有佑:頭に手を伸ばします
和達銀治:「…そ、…あ」
和達銀治:「……」ムム
KP:あなたがそのままでいると、工藤はそっと髪に振れ、頭をなでる。
和達銀治:「……」出鼻をくじかれました
工藤有佑:「……」少し笑う
和達銀治:「……冷めないうちに食べよう…」
工藤有佑:「そうだな」

KP:朝食はあなたが作ったハムエッグだ。

工藤有佑:「ちゃんとしてるんだな…」
和達銀治:「あぁ、自分でもびっくりするくらいうまくできた」
和達銀治:「何時から行く?」
工藤有佑:「いつでもいい。他に行きたいところがあればそっちに先に行っても構わない」
和達銀治:「他に行きたいところ…か…」
和達銀治:「……うーん」
和達銀治:「あ!…いやでも…」
工藤有佑:「なんだ…言ってみろ」
和達銀治:「プラネタリュウムに久しぶりに行きたい」
工藤有佑:「プラネタリウムか…わかった、そこにも行こう」
工藤有佑:コーヒーを淹れつつ
和達銀治:「ほんとか、やった」
和達銀治:「そういえば有佑は今日は休みだったのか?」自分の分をかじります
工藤有佑:「……」砂糖とミルクの入ったコーヒーを渡す
工藤有佑:「ああ、休みだ」
和達銀治:「ほんとに?」
和達銀治:コーヒを受け取る

KP:心理学ふりましょうか

和達銀治:CCB<=36 心理学
Cthulhu : (1D100<=36) → 61 → 失敗

KP:ウソかホントかわからない。

工藤有佑:「…なんでそんなことを聞くんだ?」
工藤有佑:コーヒーをすする
和達銀治:「刑事の勘だけど、部屋がやけにかたずいてたから、ちゃんと行ってるのか心配になった」
工藤有佑:「……」
和達銀治:「行ってるのか?」
工藤有佑:「…。辞めた」カップを置いてトーストを食べ始める
和達銀治:「…どうして?」
和達銀治:「いじめられたのか?」
工藤有佑:「いや、そうじゃない」
和達銀治:「…体がついていかなかった…?」
和達銀治:「もう、歳だもんな…」
工藤有佑:「……そうだな」少し困る
和達銀治:「……」
工藤有佑:「…やりたいことがあったから」
工藤有佑:「仕事に集中できなくなった」
和達銀治:「…やりたいこと…?」
工藤有佑:頷いて、黙々と食べる
和達銀治:「何…きになるな」
工藤有佑:「大したことじゃない」
和達銀治:「有佑が仕事を辞めるほど気になることなら大したことだろ」
工藤有佑:「……。終わったら、また仕事は探すつもりだ」
和達銀治:「だからなんなんだ…気になる…もだもだする…」
工藤有佑:ツーンとして食べ終わる
和達銀治:「……。」ムム
和達銀治:「……はぁ、…どうだ!美味しかったか?」
工藤有佑:「…ごちそうさま。美味しかった」
和達銀治:「お粗末様でした」
和達銀治:「あ、あとそうだ夕方、ちょっと用があるんだがつきあってくれるか?」
工藤有佑:「ああ、いいけど」
和達銀治:「どうも……よし、じゃあ時は待ってくれないからな。出かけようか」
工藤有佑:「そうだな」頷く

***

KP:2人は昼前にプラネタリウムに向かう。
KP:<聞き耳>を振ってください。

和達銀治:CCB<=57 聞き耳
Cthulhu : (1D100<=57) → 8 → スペシャル

KP:歩いている途中、住人が以下のように噂しているのが聞こえる。
KP:最近ポルターガイスト現象?のようなものが勝手に動く事件が多発しているらしい。
KP:また原因不明の入院者も増えている。患者は皆愛教病院に入院しているらしい。

和達銀治:「……」もしかしてこれ人に見えないから…

KP:プラネタリウム
KP:チケットは券売機で売られており、お金をいれれば購入できる。

工藤有佑:2人分買います
和達銀治:「!」
和達銀治:「…わるいな」
工藤有佑:「ああ、いいよ。気にするな」

KP:スタッフに見せて中に入ろうとするが、スタッフはあなた達を無視しているのか、チケットを切ってくれない。
KP:それどころか後ろからきたほかの客のチケットを優先しており、あなた達は押されて館内に入ることになるだろう。

工藤有佑:「…な、なんだ…??」
和達銀治:「……まあ、そういうこともあるよな」
工藤有佑:「あるのか…?」
和達銀治:「あるある」
和達銀治:「行こう、前の席がいい」
工藤有佑:「……そうか」腑に落ちない顔
和達銀治:手を引きます
工藤有佑:「!」

KP:あなた達は前の席に座る。
KP:昼前だからか、人は多くない。
KP:しばらく待つと、上映が始まるだろう。

KP:星空が繋ぐ愛 (※プラネタリウム満天の情報を載せさせていただきます)
KP:遥か遠い宇宙から届く光は、“永遠”のものではありません。
KP:既にその一生を終えているかもしれない星の光は、私たちに“今”というこの時があたりまえではなく、とても大切な一瞬であることを伝えてくれています。
KP:私たちが地球に生まれ、大切な人と出逢い、未来を繋ぐ意味。
KP:どんなところでも愛があれば生きていけるということを、星空は気づかせてくれます。
KP:歌に導かれて巡る想いの先に、星の光のように美しい、“今”という時の価値を見つけられるプラネタリウム作品です。

和達銀治:いいじゃん…
和達銀治:「……綺麗だな」
工藤有佑:「ああ…綺麗だ」
和達銀治:「…星って、消滅してしまってからもしばらく輝いて見えるんだって。知ってたか?」
工藤有佑:「知ってる」
和達銀治:「お、流石だな」
和達銀治:「…昔は、永遠に光ってるものなんだと思ってた」
工藤有佑:「光の速度でも容易にたどり着けない遠いところにある」
工藤有佑:「永遠なんてものはない…」
工藤有佑:「何かの拍子で、一瞬で無くなるものばかりだ」
和達銀治:「……うん、そうだな」首元を触る
和達銀治:「永遠て、ずるくて縋り付きたくなる言葉だけど…。俺もそう思う」
和達銀治:「終わりがあるから、何かを大切にしようと思える」
和達銀治:「だろ?」
工藤有佑:「……そうだな」
工藤有佑:星を見上げる
工藤有佑:「またお前とこれて、よかった」
和達銀治:「……なんだよ、熱烈だな」
工藤有佑:「…今日だけだ」
和達銀治:「今日だけか、うん」
和達銀治:「それも特別って感じで、悪くない」

KP:40分ほどの上映が終わり、緩やかにドーム内が明るくなる。

和達銀治:「……起きてるか?」
工藤有佑:「起きてる」視線を向ける
和達銀治:「ふ、映画の時は寝てたくせに…」
工藤有佑:「それは、…風呂上がりだったしな…」
和達銀治:「…関係あるか?」
工藤有佑:「内容も…眠くなるような話じゃなかったか…?」
和達銀治:「そんなことない、ハートフルストーリーだったぞ!俺は泣いた」
工藤有佑:「…そうか。じゃあ、今度ちゃんと観て見る」
和達銀治:「…うん…」
和達銀治:「…よし、行こうか。水族館」

KP:プラネタリウムを出ると、太陽は高く昇っている。外では人がにぎわい始めていた。

工藤有佑:「チケットは、もう用意してある」

KP:工藤は封筒を取り出すと、あなたに渡す。

和達銀治:「ん……いつも用意がいいな」
和達銀治:受け取る

KP:封筒の中には、水族館の優待券が2枚入っている

和達銀治:「……」この貰い方懐かしい
和達銀治:「ありがとう」
工藤有佑:「前と似たようなところを……選んだつもりだが」
和達銀治:「…同じじゃなくても、一緒に行けるならいいよ」
和達銀治:「何回も行ってる気がするのに、ちゃんと行くのは二回目だな」
工藤有佑:「……そうだな、二度目だ」
工藤有佑:「やっと」
和達銀治:「そんなに俺と行きたかったのか?仕方ないな」
工藤有佑:「…ああ。連れて行きたかったんだ」
工藤有佑:「行こう」
和達銀治:「……」そう言うこと言う
和達銀治:「あぁ」
和達銀治:水族館に行きます

KP:工藤はあなたの手を引いて歩き出す。
KP:夏の日差しの中、賑わう町。人々の群れの中にいるはずなのに、たった二人でいるような、そんな気分だった。
KP:少しの間電車に揺られて、あなたたちは水族館へとやってくる。

***

KP:優待券を持ってゲートをくぐる。
KP:館内は水族館独特の静けさで、水の音、泡の音が涼しい。

KP:【館内MAP】
・淡水のフロア
・あたたかい海のフロア
・冷たい海のフロア
・カフェ&休憩スペース
・お土産コーナー

和達銀治:「……。」
工藤有佑:「どうかしたか?」
和達銀治:「いや、なんでもない…やっぱり好きだなと思って」
工藤有佑:「…」にっこりしました
工藤有佑:「カニはこっちだ」

KP:そう言って、工藤はあなたの手を引く。

和達銀治:「あぁ、」連れて行ってもらおう

KP:淡水のフロア。壁際には背の高い水槽が、フロア中央にはカニや貝のいる横長の水槽が置いてある。水流のある水槽が多く、流木や観葉植物がせせらぎに揺れている。
KP:木漏れ日のように明るいフロアだ。

和達銀治:「カニいるか?」

KP:工藤は中央の横長の水槽の前で止まる。
KP:あなたが水槽を覗き込むと、数種類の小さなカニが岩陰にひっそりと息をひそめている。

和達銀治:「いっぱいいるな」
和達銀治:「…うん、やっぱりおいしそうだ」

KP:聞こえたのか、カニはひゅっ、と岩に隠れる。
KP:そして見えなくなった。

工藤有佑:「おいしそうか…?」
和達銀治:「声が大きかったか…食べたくなるほど可愛い?って感じだ」
工藤有佑:「…なるほどな」
和達銀治:「本当にわかってるか?」
工藤有佑:「そういう比喩とは初耳だ」
和達銀治:「また一つ賢くなったな」
工藤有佑:「……そうだな」ふっと笑います
和達銀治:「そういえば、よく水槽の場所わかったな?来たことあるのか?」
工藤有佑:「下見は必要だろ」
和達銀治:「…」びっくり
和達銀治:「ふふ…」
工藤有佑:「何かおかしいか?」
和達銀治:「いや、有佑らしい」
和達銀治:「他は?何が見れるんだ?」
工藤有佑:「他は、そうだな。お前の好きな映画の魚もいる。こっちだ」案内します
和達銀治:「ニモなニモ」ついていく

KP:案内されたのは、暖かい海のフロア。
KP:先ほどの川の魚の水槽よりも大きなつくりの水槽だ。色とりどりの珊瑚やイソギンチャクの間を鮮やかな熱帯魚たちが飾っている。
KP:光が差し込んでおり、水槽の泡や魚の鱗が反射してキラキラときらめく。
KP:大きなエイやサメの姿もあるだろう。
KP:工藤はイソギンチャクの密集している水槽の近くに行き指をさす。

工藤有佑:「ここだ」
和達銀治:「!ニモだ」近寄ります

KP:あなたが近づくと、ソギンチャクの群れの中に、カクレクマノミが泳いでいるのを見つける。
KP:近くにはドリーに似た熱帯魚もいるだろう。

和達銀治:「有佑、…ドリーもいるぞ」ガラスに触れる
和達銀治:「すきだろドリー」
工藤有佑:「ドリー?……それは、ナンヨウハギだな」説明を見ながら
和達銀治:「ドリーだろ」
和達銀治:「映画をちゃんと見ないからだぞ」
工藤有佑:「…はいはい」
和達銀治:「……」エイたちを目で追う
和達銀治:「……俺むかし…一人で来たんだ水族館」
和達銀治:「場所は忘れたけど…」
工藤有佑:「……?」和達を見る
和達銀治:「……葬式の後だったんだ…湿っぽいのが嫌で……」
和達銀治:「その時見た水槽がきれいで、それからずっと好きなんだ。水族館」
和達銀治:「…って、なんか今思い出した」
工藤有佑:「…………」
和達銀治:「わるい…こんなの、人に言ったことないのに…」
和達銀治:「……有佑は、大丈夫か?ちゃんと、悲しくなくなる場所あるか?」
工藤有佑:「…お前にとっては、そういう場所だったんだな」
工藤有佑:「俺は別に、悲しくはならない…」水槽の中に目を向ける
和達銀治:「……」
和達銀治:「それは……。強がりじゃなくてか…?」
工藤有佑:「何をそんなに心配してるんだ?」
工藤有佑:「お前こそ。せっかく水族館にきたんだ、もっと楽しそうな顔しらたどうだ?」
和達銀治:「……」
和達銀治:「そうだな、わかった」
和達銀治:「そういえば、クラゲは見てないな?」
工藤有佑:「クラゲもいる。あっちだ」

KP:工藤は冷たい海のフロアを指す。

和達銀治:「ん、行こうか」
和達銀治:冷たい海のフロアに向かう

KP:あなたが進むと、工藤も隣を歩く。
KP:冷たい海のフロアは照明が殆ど無く、暗い。
KP:肌寒い空気を肌に感じる。冷たい海に住む魚たちは体の大きいものが多く、水槽も大きい。
KP:フロアの中央の筒状の水槽に、クラゲが漂っている。
KP:大きな水槽の中は深海魚が這うように動き、別の水槽ではシャチが悠々と泳いでいる。

和達銀治:「!」
和達銀治:「クラゲもシャチもいる」
工藤有佑:「驚いたか?」
和達銀治:「あぁ」
和達銀治:「すごい」
工藤有佑:「よかった」
和達銀治:「有佑も好きだろクラゲ」
工藤有佑:「…まあな」
工藤有佑:「ここは静かでいい」
和達銀治:「やっぱりこのフロアが落ち着くのか?」
工藤有佑:「そうだな。暗いほうが、青が綺麗に見える」
和達銀治:「…なんだ、そういう理由だったのか」
和達銀治:「…?そういう理由になったのか?」
和達銀治:「まあでも、確かに。」
工藤有佑:「理由なんていくらでもある。暗いからとか静かだからとかは聞き飽きただろ」
和達銀治:「へぇ、じゃあ今日は普段知らない理由を教えてくれる日なんだな」
工藤有佑:「まあ…聞かれたらな」
和達銀治:「あ、じゃあ冬が好きって言ってた理由は」
和達銀治:「ずっと気になってた」
工藤有佑:「……」いつの話だっけという顔
工藤有佑:「冬が好きな理由か…」
工藤有佑:「何がそんなに気になってたんだ…?」
和達銀治:「温かさがわかるって言ったから、こたつのか聞いたのに…腑に落ちない顔をされたからな…」
和達銀治:「ベストアンサーだと思ったんだが…」
工藤有佑:スン
和達銀治:「……」ムム
和達銀治:「お前は話を逸らすときすぐスンッって顔をするな…」
工藤有佑:羽織ってるシャツを脱いで、和達の肩にかける
工藤有佑:「温かいだろ」
工藤有佑:「そういうことだ」
和達銀治:「……」
和達銀治:「なるほど」
工藤有佑:「……」
工藤有佑:「寒いなここ…」
和達銀治:「…ふ、」
和達銀治:「俺は平気だぞ?」
和達銀治:「……でようか…名残惜しいけど」
工藤有佑:「もう、いいのか?」
和達銀治:「寒いだろ?」
工藤有佑:「お前はどのフロアが一番好きなんだ?」
和達銀治:「ん?そうだな…」
和達銀治:「全部捨てがたいな…」
工藤有佑:「……全部か」
和達銀治:「一番を決めるのって意外と難しいんだよな」
工藤有佑:「全部好き、は、お前らしいと思うよ」
和達銀治:「欲張りか?」
工藤有佑:「…決めたくないんだろ」
和達銀治:「うーんそれはすこしちがう気がする…?むずかしいな」
工藤有佑:「じゃあなんなんだ?単に優柔不断なだけか?」
和達銀治:「…全部がそれぞれいいと思うところがあるから…全部好き。だけど、もちろんその中でも贔屓していいなら一番はある…って…いう…」
和達銀治:「説明は苦手だ…」
和達銀治:「だから、うーん…俺の贔屓を出して言うなら、暖かいフロアは比較的好きな方だ」
工藤有佑:「贔屓していいならって…遠慮する必要がどこにある」呆れつつ
工藤有佑:「温かいフロアだと思ってた」
和達銀治:「え、そうなのか?」
工藤有佑:「反応を見てればわかる」ニモに駆け寄ってたし
和達銀治:「俺にはすぐわからないのに有佑にはすぐわかるんだな、不思議だ」
工藤有佑:「悩ませる質問をして悪かったな」
工藤有佑:「どういう風に考えているのか知りたかった」
和達銀治:「うん、知りたいと思ってもらえてるってことだな…嬉しい」
和達銀治:今って何時くらいですか?

KP:15時くらいです。

和達銀治:「…そういえば、言ってた…用事、神社にあるんだけど」
和達銀治:「少し遠回りしていかないか…」
工藤有佑:「どこの神社だ…?」
和達銀治:「昨日の」
工藤有佑:「いいけど…」何だ?って顔
和達銀治:「…」
和達銀治:「じゃあ、いこうか…」
工藤有佑:「……?」

KP:あなたたちは水族館の順路を巡り、出口へと向かう。
KP:出口に近づいたとき、工藤があなたに声をかける。

工藤有佑:「銀治」
和達銀治:「?」
工藤有佑:「水族館、…楽しかったか?」
和達銀治:「………あぁ」
和達銀治:「楽しかった」
工藤有佑:「……そうか」
工藤有佑:「俺も、楽しかった」
和達銀治:「…っ」
和達銀治:「よかった…」

KP:水族館から出ると、日が傾き始めている。

和達銀治:海の見える道をたどりながら神社に向かえますか

KP:わかりました。
KP:あなたたちは再び電車に揺られ、町へと向かう。
KP:海沿いの駅に降りて、そこから歩いていく。
KP:夏の海は日の光を浴びて輝いている。遠くには建物や船が小さく見えるだろう。
KP:潮の香りで目がしみる。
KP:空にはカモメやウミネコの鳴く声が聞こえていた。

和達銀治:「…なぁ」カモメを目で追う
工藤有佑:「…ん?」
和達銀治:「おまじない、ありがとな」
工藤有佑:「……」
和達銀治:「どうだろう、お前は俺より勘がいいから…気づいてるかもしれないけど」
和達銀治:「これはどうやら、だめなものらしい…」
工藤有佑:「…?」分からないという顔
和達銀治:「……」
和達銀治:「俺は、この世界の俺じゃないんだ。…この世界で死んだ俺とは違う世界の俺」
工藤有佑:「…何、言ってるんだ…?」
和達銀治:「…精神をだったかな…お前がおまじないでこっちに呼んでくれたんだって」小指を見る
工藤有佑:「………」
和達銀治:「……でもそのせいでお前も、このままだと死んでしまうらしい。」
工藤有佑:「……まて」
工藤有佑:「お前はまだ、死んでないっていうのか…?」
和達銀治:「……」
和達銀治:「……俺の、世界では」
和達銀治:頷く

KP:それを聞くと、工藤はあなたの腕をつかみ、糸を解こうとする。が、触ることはできない。

工藤有佑:「…解けない……どうして……」
工藤有佑:「……どうして……!」
工藤有佑:「……今まで黙って……」
和達銀治:「…有佑」
和達銀治:手を握って両手で包みます
和達銀治:「……そんな顔しないでくれ…大丈夫だから」
和達銀治:「黙ってたのは、俺が……迷ってたからだ」
工藤有佑:「………っ」
工藤有佑:「……馬鹿みたいだ」
和達銀治:「………」
工藤有佑:「……こんな」
工藤有佑:「……」頭を下げる
和達銀治:「…有佑、顔をあげてくれ…」
工藤有佑:「……」首を横に振る
工藤有佑:「ごめんなさい、…」
工藤有佑:「全部俺が、悪かった…」
和達銀治:「有佑」
和達銀治:「お前が俺を呼んでくれたことに、間違いも過ちも一つもない」
工藤有佑:「……約束を…」
和達銀治:「……。」
工藤有佑:「……水族館に行く約束を、守れなかったんだ」
工藤有佑:「…お前も、ノアも……もういない」
工藤有佑:「……」
和達銀治:「…それは……」
和達銀治:「それは、違うだろ…」
工藤有佑:「一日だけ、もう一度会えればいいと思ってた……それが間違いだった」

KP:そう言って、工藤はあなたに一通の手紙を差し出す。

和達銀治:「……」
和達銀治:見ます
工藤有佑:「間違いだ」首を横に振る

KP:封筒の中には手紙が入っていた。
KP:それはシンプルな味気ないフォントで、ただ白地に黒字で印刷してある。
KP:一番上に大き目の字で「死者ともう一度だけ会えるおまじない」と書かれていることがわかる。
KP:紙には無機質な字で驚くべきことが書いてあった。
KP:何の意味があるのか分からないが、複雑な儀式の手順、そして、道具として、自身の血で染めた赤い糸が必要とも書いてあった。
KP:手紙の最後の方はこのおまじないの効果は一日だけで、その日が過ぎれば糸は勝手に解けると締め括られていた。
KP:肝心の呪文部分には難解な文字の羅列が何枚も何枚もあり、解読にはかなりの時間がかかりそうだ。
KP:おぞましい魔術の一端を目にしたあなたはSANC1/1d3

和達銀治:CCB<={SAN値} SANチェック
Cthulhu : (1D100) → 11
工藤有佑:「冷静じゃなかった…。死んだ人間にもう一度、会えるはずがない…」
和達銀治:「……」
和達銀治:掴んでた手を離して有佑の頬を両手で挟んでこっちに向かせます
和達銀治:「お前が…もう一度俺に会いたいと願ってくれたことは俺にとって誇りだ」
和達銀治:「それを間違ってるなんて言うな」
和達銀治:「お前にとって、今日の一日は無駄だったのか」
和達銀治:「無かったことにしてもいいことなのか」
工藤有佑:「……まだお前は、生きてるんだろ…?」
工藤有佑:「俺は…殺したくないのに……」
工藤有佑:「…っこの願いがお前を殺すなら…無いほうが良かった」
和達銀治:「………あぁ、俺は生きてるよ。」
和達銀治:「ついでに言えば、まだ死んでもないし、これからお前に殺される予定もない」
工藤有佑:「……!」
和達銀治:「まだ策がある。」
和達銀治:「だから泣くな」
工藤有佑:「……どうすればいい…」
和達銀治:「神社に協力してくれる奴がいる」
和達銀治:「話を聞こう」
和達銀治:「まあ、そんな顔じゃ無理かもしれないけどな」
工藤有佑:「……」離せって手をはなします
工藤有佑:「…俺に合わせてくれてたんだな」
工藤有佑:「……みっともないところを見せた」
和達銀治:「…みっともない?」
和達銀治:「そんな風に泣いてもらえるなんて…俺は幸せ者だったんだと思ったよ」
工藤有佑:「……」
工藤有佑:「幸せだったかなんて、わからないだろ…」
和達銀治:「わかるよどんな世界でも、俺だったらきっとそう思う」
和達銀治:「……おいて行ってごめん」
工藤有佑:「…謝るなよ。お前が悪いわけじゃないだろ」
工藤有佑:「それに、置いて行かれるのが嫌なのはそっちだろ…」
和達銀治:「ふ、それもそうだな」
和達銀治:「よくわかってる」
工藤有佑:「……知らないことも、多い」
和達銀治:「……どうだろうな、割と少ないかもしれないぞ」
和達銀治:「まあそれは内緒だけど」
工藤有佑:「……もっと、聞いておけばよかった」海のほうをを見る
和達銀治:「……」
和達銀治:抱きしめようとして堪えた
和達銀治:「………行こうか…。」

KP:水平線に太陽が近づいてきている。夕日の色が海を赤く染め、2人の瞳にもきらきらと反射する。

工藤有佑:「……」頷いてついて行きます

***

KP:刻々と沈んでいく太陽と赤い空を背に、あなたたちは神社へと急ぐ。
KP:昨日来たばかりの神社の石段を一段一段登っていく。
KP:そこにはやはり、フードを被った男が石段に座りあなた達を待っていた。

フードの男:「来てくれたってことは…僕のことを信じてくれるってことでいいんだよね」
和達銀治:「……あぁ」
フードの男:「……時間がない…説明は、手短にするね」
フードの男:「…まず魂が肉体から離れた状態で、肉体が生きていられるのは、丸一日が限界だ」
フードの男:「つまり…今日中に糸を切らなければ、君達の肉体は死に至る」
和達銀治:「……」
工藤有佑:「……」
フードの男:「…このまじないの表向きの効果は死者ともう一度会って話すものだと記されているが」
フードの男:「正しくは、平行世界の別の魂をこの世界に縛り付けるものだ」
工藤有佑:「……」俯く
フードの男:「恐らく、このまじないを作ったものは…この糸を解くことを想定していない、つまり…最初から、魂を元の世界に戻す気はないみたいだ」
フードの男:「…確かに、肉体は一日で滅びるけど、君達の魂は滅びない」
フードの男:「その糸がある限り、君達は永遠に二人一緒に、この世界に留まり続ける」
フードの男:「……それが幸せかどうかは僕にはわからないけど、呪文を作った奴はそれを良しとしたみたいだ」
和達銀治:「…永遠……」
和達銀治:…首を振る
工藤有佑:「…どうすれば解ける」

KP:フードの男は石段の上を見上げて言う。

フードの男:「ここは、理神社という神社なんだ、今はもうすっかり寂れているけど、昔は活気があったらしいね」
フードの男:「人が居なくなって信仰が薄まった今でも、神の力ってものは健在らしい」
フードの男:「このまじないを配った犯人は、恐らくこの神社の神の力を利用して、まじないを成立させている」
フードの男:「…要は神の力を奪って、利用しようとしてるわけだ」
フードの男:「神様が望んで協力するとは思えない、恐らく、境内に何か仕掛けがある筈だ」
フードの男:「……まず、君達にはその仕掛けを壊して欲しい」
フードの男:「…僕はどうやら目を付けられたみたいで、境内にはどうやっても入れないんだ」
和達銀治:「……わかった」

KP:男は再びあなた達に向き直る。

フードの男:「……問題は、その仕掛けを壊してからなんだ」
フードの男:「仕掛けが壊れれば、そこに捕らえられていた神様が解放されるだろう」
フードの男:「ここの神様は、縁切りの神なんだ」
フードの男:「……おそらく、その糸を切る程の力を持っている」
フードの男:「その神様に…頼むしかない」
フードの男:「……穴だらけでごめん、でもこれぐらいしか思いつかなくてね」
工藤有佑:「わかりました」
和達銀治:「たすかった…ありがとう」
フードの男:「とにかく…もう時間はない」
フードの男:「…僕が協力できるのは、ここまでだ」
フードの男:「君達の幸運を願ってる、悔いのないようにね」

KP:男はそう言ってあなた達を送り出す。

和達銀治:「………」
工藤有佑:「大丈夫だ」
和達銀治:「………わかってる」
和達銀治:進んで行きます

***

KP:あなた達は二人で一歩ずつ石段を登っていく。 
KP:やがて、神社の境内へとたどり着いた。
KP:入口には古い石碑が立っている。
KP:神社はもうほとんど機能を失っているのか、未だに残っているのは絵馬殿と、本殿だけのようだ。

和達銀治:本殿のほうにとりあえず行ってみます

KP:あなた達は二人、本殿へと向かう。
KP:本殿はもう潰れかけ、辛うじて賽銭箱だけが以前の形を保っていた。

和達銀治:賽銭箱をのぞきます

KP:賽銭箱の中には何も入っていない。

和達銀治:「……」
和達銀治:絵馬を見に行きます

KP:絵馬殿には沢山の絵馬が結ばれている。
KP:絵馬を読んでみますか?

和達銀治:目を通します

KP:目についた絵馬は以下のようなものだ。
KP:「…あいつがいなくなるように。死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、もういやだ。」
KP:「病気と縁を切れますように。死にたくない。もういやだ。」
KP:「あの母親との縁が切れますように。二度と顔を合わせることがないように。もういやだもういやだもういやだもういやだ。」
KP:「私に暴力を振るう彼とお別れができますように。そして彼が絶対不幸になるように。もういやだ。」
KP:それらの絵馬には、赤黒い手形のようなものが付いている。

和達銀治:「……変った絵馬だな」
工藤有佑:「縁切り神社らしいからな」
工藤有佑:「こういう内容のものが多いのは自然だろう」
和達銀治:「…それもそうだが…全部もう嫌だで占めてある」
工藤有佑:「…そうだな、形式があるのかもしれないが」
和達銀治:本殿に戻って見ます

KP:<目星>どうぞ

和達銀治:CCB<=78 目星
Cthulhu : (1D100<=78) → 7 → スペシャル

KP:賽銭箱の裏に、木造の本殿とは似ても似つかぬ、近未来的な機械があるのを見つける。
KP:それはメタリックな、一見するとストーブのような外見で、中心は檻のようになっている。
KP:その檻の中には、青くキラキラとした光を放つ結晶が閉じ込められている。
KP:あなたはこれが男の言っていた仕掛けなのではないかと思う。

和達銀治:「あ、あった…」
工藤有佑:「……これを壊せばいいのか」
和達銀治:「…安易に壊していいのだろうか…」
和達銀治:「もう少し見てもいいか?」
工藤有佑:「壊さないとお前…死ぬんだぞ?」
工藤有佑:「わかってるのか…?」
和達銀治:「…わかってる。」
和達銀治:「……わかってるが…」
和達銀治:「………」
和達銀治:石碑も見に行きます

KP:古い石碑
KP:古くなっているのか、文字がかすれてところどころしか読めないようだ。
KP:「この神社では、————リ様という、神様をお祀りし—————。この———様は、慈悲深く——。」
KP:「困っている人を助け———くれます。もういやだ、と口に出す———神様はあなたを助け———。あなたの心からの願いを伝え———必ず——。」
KP:これ以上は読めなくなっている。

和達銀治:「……」
工藤有佑:ついてきている。
和達銀治:「……やっぱり壊すしかないんだな」
和達銀治:賽銭箱のほうに戻ろう
工藤有佑:「…急ぐぞ」
和達銀治:機械を…壊したいです…

KP:どのように壊しますか?

和達銀治:持ち上げて下にたたきつけます

KP:あなたが装置を地面にたたきつけるとグシャリ、と装置がひしゃげる。
KP:輝いていた結晶に亀裂が入り、粉々に砕け散る。

KP:……装置が完全に機能を失ったであろうその時、境内の空気が、一瞬にして変わったように思えた。
KP:境内を覆うように黒い靄のようなものが立ち込める。
KP:どこからかジョキン、ジョキンと金属をすり合わせる鈍い音が響き…。
KP:あなた達の目の前の靄から、何者かが姿を現す。

KP:まず目に付くのは人間の首など一瞬で切り取れるであろう、巨大な裁ち鋏。
KP:それを掴む無数の血の気の無い手は、大きさや形等がバラバラで、それらが集まり一つの塊になっている様は、生理的な嫌悪を誘う。
KP:靄の中心に浮かぶ口は、白く巨大な歯が揃っており、時折うめき声のようなものを発している。
KP:その化け物、否この神社の神、コトワリ様を目にしたあなた達はSANC1d6/1d20。

和達銀治:ccb<=81 SANC
Cthulhu : (1D100<=81) → 51 → 成功
工藤有佑:CCB<=60 SANC
Cthulhu : (1D100<=60) → 25 → 成功
和達銀治:1d6
Cthulhu : (1D6) → 2
工藤有佑:1D6
Cthulhu : (1D6) → 4

KP:戦闘に入ります。

工藤有佑:「…っ!!」
和達銀治:「なっ」

KP:行動順は、工藤→コトワリ様→和達
KP:1R

工藤有佑:「銀治、頼んだからな…」

KP:工藤はあなたを庇うように化け物へと向かって飛び出していく。

和達銀治:「!」

コトワリさま:CCB<=40 鋏で切り裂く
Cthulhu : (1D100<=40) → 11 → 成功

KP:化け物は向かってきた工藤に狙いを定め、鋏を向けてくる。

工藤有佑:CCB<=85 回避
Cthulhu : (1D100<=85) → 94 → 失敗
工藤有佑:???
和達銀治:やだやだやぢゃだやd
コトワリさま:1D6
Cthulhu : (1D6) → 4

KP:霧から出てくる大きな鋏は工藤の肩を切り裂く。

工藤有佑:「…ぐ…っ」

KP:あなたのターンです。

和達銀治:「やめろっつ……!!俺は!!」
和達銀治:「お前を救えないのは…!もういやだ!!!」

KP:あなたがその言葉を口にした瞬間。コトワリ様の動きが止まる。
KP:そして目にもとまらぬ速さであなたに向かい突進してくる。
KP:突然の動きにあなたは反応できず、ただ立ち尽くしていることしかできなかった。
KP:あなたは思わず目を閉じる、巨大な鋏があなたの首元に添えられ、そのまま切断される、そんな情景が目の裏に浮かぶ。
KP:ジョキリと音がする。
KP:……しかし、何も起きない。
 

KP:工藤があなたの名前を呼び、肩を揺さぶる。

工藤有佑:「銀治!」

KP:あなたはそっと目を開ける。
KP:そこには既にコトワリ様の姿も、あの黒い靄も、全てがなかったかのように、おだやかな境内に戻っていた。

和達銀治:「……ん…」
工藤有佑:「……どこも怪我はないか…?」
和達銀治:「……」首を触る
工藤有佑:「……よかった…」
和達銀治:「……あ、いやそっちが」

KP:あなたはふと手のひらに違和感を覚える。
KP:見るとあなたの手のひらには、大振りの赤い裁ち鋏が握られていた。
KP:錆びているように鈍く赤い、乾いた血のような色合いのそれは、何処かひんやりとした冷たさがある。

和達銀治:「…あ、」
工藤有佑:「…?」
和達銀治:とりあえず応急手当を…

KP:いいですよ

和達銀治:CCB<=64 応急手当
Cthulhu : (1D100<=64) → 44 → 成功
和達銀治:1d3
Cthulhu : (1D3) → 2

KP:あなたは丁寧に治療できる。

和達銀治:「……よし」
工藤有佑:「……ありがとな」
和達銀治:「…あぁ」
和達銀治:「……ハサミが…手に」
和達銀治:「…切れってことだよな…多分」
工藤有佑:頷く
和達銀治:「……」
工藤有佑:手を前に出します
工藤有佑:「……」
工藤有佑:「どうした?」
工藤有佑:「待ってる人が、たくさんいるだろ」
和達銀治:「…手が…震える…」
工藤有佑:手を添えます
和達銀治:「………」
和達銀治:「有佑…俺が…居ることが…少しでも、お前の救いに…なるかな…?」
工藤有佑:「…あぁ。……でも。救おうとか、救えないとか…考えなくてもいい」
工藤有佑:「…お前が、死ぬまで楽しく生きてくれれば」
工藤有佑:「……俺も嬉しい」
和達銀治:「……っ」
和達銀治:「俺は、お前に置いて行かれることにばっかり怯えて、俺がおいて行くときのことなんて考えもしてなかった…本当に馬鹿だな」
工藤有佑:「……」涙を拭います
工藤有佑:「…そんな顔するな」
工藤有佑:「死んだのはお前のせいじゃないだろ」
工藤有佑:「……葬式に顔、出せなかったのは、謝る」
和達銀治:「……」首を振る
和達銀治:「……俺も、謝る。…永遠って言葉に、ちょっと揺らいだ……ずるいよな」ハサミに糸をかける
工藤有佑:「……」鋏に手は添えたままじっとみつめる
工藤有佑:「……もう会えないんだな」
和達銀治:「………………勝手な…お願いをしてもいいか」
工藤有佑:「…ああ、俺にできることなら」
和達銀治:「……死人は口きかないから、こっちの俺に一方的に約束してきたんだ。」
和達銀治:「お前が、老け込んだら迎えに行ってくれるように」
和達銀治:「だから…」
和達銀治:「忘れないで…くれるか…俺のこと」
工藤有佑:「……」;;
工藤有佑:「……っは、そんなことか…」泣き笑い…
工藤有佑:「忘れないだろ……」
和達銀治:「……ありがとう。」
工藤有佑:「一日だけ会うために、仕事も辞めて……そんな馬鹿みたいなことを俺がしたんだ」
和達銀治:「…ほんとだな」
工藤有佑:「……忘れるわけないだろ」
和達銀治:「………うん」
和達銀治:「なんだ、案外心配しなくてもよかったな…」
和達銀治:「……さよなら、しようか」
工藤有佑:「……」ゆっくり頷く
和達銀治:糸を切ります

KP:あなたは鋏で、赤い糸を断ち切る。
KP:あれほど頑なに一本の糸だったそれは拍子抜けする程あっけなく二つの糸に分かれ、解けてしまった。
KP:その瞬間あなた達の身体が淡い光を帯び、徐々に末端から崩れ、小さな光の粒子となってゆるやかに茜色に染まった空気の中に溶けていく。
KP:自分はこのまま元の世界に帰るのだと、あなたは直感的に感じるだろう。
KP:同じように何かを予感したのだろうか、工藤はあなたの方へ顔を向け、手を伸ばす。
KP:その手は愛おしそうにあなたの髪を撫でるが、すり抜けてしまう。

工藤有佑:「1日会えるだけでよかったんだ。約束を、したのに。あいつの願いを叶えてやれなかったことが心残りだった」
工藤有佑:「もう一度、水族館に連れて行きたい…それだけだったんだ」
工藤有佑:「こんなことになって…本当にすまなかった」
工藤有佑:「…この世界のお前じゃなくても、」
工藤有佑:「会えて、……嬉しかった」
工藤有佑:「どうか、向こうでも、元気で…」
工藤有佑:「さようなら…」

KP:その言葉を最後に、あなたの身体は完全に崩れ、視界は白い光に包まれる。
KP:最後に見た工藤の顔は、今にも泣きだしそうだった。
 
KP:あなた達は知っている、お互いがいつか離れ離れになってしまうことを。
KP:別れというのはいつか必ず来るものだということを。
KP:しかし、あなた達はいつか来る別れの辛さを知っていながら。
KP:否、知っているからこそ今強く結びつく。お互いのことを思い。必要だと感じる。
KP:いつか離れてしまうならばせめて今は一緒に居よう。
 
KP:———そのためにあなたは、この世界の彼に別れを告げた。

KP:【スパークル】
KP:…あなたの意識は不意に覚醒する。
KP:目の前には白い天井。自分は病院のベッドに寝かされているのだと自覚する。
KP:あなたの顔を覗き込む者が居る。
KP:工藤だ。
KP:周りを見回すと、お見舞いの品や、職場の同僚が看病に来た形跡がある。
KP:工藤は、あなたが目覚めたことに安堵の表情を浮かべる。

工藤有佑:「…良かった。目が覚めたか」
工藤有佑:「散歩中突然倒れたらしいが…熱中症か?」
和達銀治:「……」
和達銀治:抱きしめます
工藤有佑:「…結局また行けな…っ!?」
工藤有佑:「何だ…?大丈夫か…?」
和達銀治:「……心配かけて悪かった……」
工藤有佑:「……そうだな。驚いた」
工藤有佑:自分も腕を回してハグします
工藤有佑:「怖い夢でも見たのか?」
和達銀治:「………」首を振る
和達銀治:「いい夢だった」
工藤有佑:「それは、よかったな…」
和達銀治:「…………有佑……」
和達銀治:「俺に毎日、朝ごはんつくる気ないか」
工藤有佑:「…何言ってんだ」呆れて笑う
工藤有佑:「……夜ならたまに食べに来てもいい」
和達銀治:「そうか……」
和達銀治:「……。ありがとう」」
工藤有佑:「……?」
工藤有佑:「そうだ。…先生を呼んでくる。少し待っててくれ」
和達銀治:「あぁ、わるい」離します

KP:おずおずと離れ、病室を出ていく前に、工藤は振り返る。

工藤有佑:「今日はもう無理だが、…明日行けそうなら、水族館に行かないか?」
和達銀治:「あぁ」
和達銀治:「行こう」

KP:満面の笑みで返すあなたを見て、工藤は少し嬉しそうな顔で頷いて病室を出ていく。
KP:ふとあなたは、ベットの上に何かが置かれていたことに気づく。
KP:それは、大きな赤く、鈍く光を放つ裁ち鋏。
KP:あなたはそれを見て、あれが単なる夢の出来事ではないのだと感じる。

KP:あなたは、思わず鋏をぎゅっと握りしめる。
KP:鋏に以前のような冷たさは感じられない。
KP:あなたは、確かにその鋏で赤い糸を、彼と結ばれていた縁を、断ち切ったのだ。
KP:その鋏が、あなたと彼が、お別れしたことを証明していた。
 
KP:彼は糸を結んだ。あなたと居るために。
KP:あなたは糸を切った。元の世界で生きるために。
KP:あの世界の工藤がその後どうなったのか、あなたに知る術はない。
KP:しかしあなたは忘れてはならない、例え違う世界であろうとも。
KP:あなたを想い、あなたを惜しみ、あなたに会いたいと願った人が居たことを。
KP:この世界では、あなただけがそれを知っているのだから。
 

KP:ED1「あなただけが知る理」
KP:クトゥルフ神話TRPG「コトワリ」シナリオクリアです。
KP:お疲れ様でした。

***
 
KP:Another side
KP:【メリュー】
KP:これはとある並行世界の話。
KP:病院で目を覚ました工藤は、すぐに病室から出て、何処かへと向かった。
 
KP:夕闇に沈む群青の水面。
KP:ぽつり、ぽつりと灯籠が流れていく。
KP:水面がその光を反射して、闇の中に穏やかな明かりが揺らめく。
KP:川辺には佇ずむ工藤の姿があった。
KP:彼は闇に紛れそうな黒衣。その黒い目の中に、水面の光を映している。
KP:彼は手元にもった灯籠に火を灯し、そっと、水面に浮かせる。
KP:そして握りしめていた赤い糸をしばらく見つめ、灯籠に入れた。
KP:躊躇いがちに手を離すと、灯籠はゆっくりと流れていく。
KP:彼はそれを見送りながら、祈るように手を合わせ、顔を伏せる。
KP:「さようなら…」そう呟いた気がした。
KP:ぽつぽつと雨が、水面を揺らす。

KP:堰を切ったように、声をあげて彼は泣いていた。
KP:彼はもう2度と大切な人に会うことはないのだろう。
KP:流れていく灯籠に書かれた名前と、切れた赤い糸が、
KP:あなたと正しくお別れした証なのだから…。
 
KP:END

↓勝手に漫画化した朝のシーン

↓銀月さんから頂いたとっても素敵な卓絵

ありがとうございました!

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