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【CoClog】Good night,My Love

シナリオ制作者:葬儀場様
PC:兵部 太助(23歳・心理カウンセラー) PL:蓮川
KP:ハト

―――――――――――――

KP:「Good night,My Love」はじめます

KP:兵部はいつも通りの日々を終え、眠りにつく。
KP:寝る前に何かすることはありますか?

兵部太助:明日が平日なら、明日の患者さんの病状とかを確認していますね

KP:幸運どうぞ

兵部太助:CCB<=90 【幸運】
Cthulhu : (1D100<=90) → 73 → 成功

KP:明日の患者さんのチェックもしっかり終えて、あなたは欠伸を一つする。

兵部太助:「ふぁ……眠たくなってきた……」

KP:最近眠りが浅く、ぐっすりと寝付くことができていなかったかもしれない。今日は何だか、よく眠れそうな気がする。

兵部太助:じゃあね、最近バタバタだったので良く寝れたらいいなって思いながら義足脱いで寝ます!

KP:あなたはふかふかの布団に包まれて、眠りの世界へと落ちていく。

――――――――――

KP:意識を失ってしばらく経った頃、ふと唐突に意識が覚醒する。
KP:聞き耳どうぞ。

兵部太助:CCB<=64 【聞き耳】
Cthulhu : (1D100<=64) → 64 → 成功

KP:どこからか、
KP:『おはよう』と聞こえてくる。

KP:目を覚ますとひとりの少女がこちらを見ている。
KP:あなたが自分を見ていることが分かると、ぱっと顔を輝かせる。

少女:「すごい、目を覚ました!」
少女:「初めまして!私、幌日二愛(ほろび にあ)というの。あなたのお名前は?」
兵部太助:「え……、う、うん?あ、俺は、兵部太助って言います……?」寝起き
少女:「ひょうぶ、たすけくん…!」

KP:あなたが名乗ると少女はさらに目を輝かせる。
KP:そして部屋の風景が目に入るだろう。
KP:どこかの研究所のような部屋だ。
KP:モニターがあり、その横に机がある。書類や筆記用具のようなものがは散らばっていた。
KP:何かのカプセルのようなものもあるが、既に開かれており、中には誰もいない。
KP:傍には10個にも満たない数……数えれば7個だろうか。林檎とペットボトルに入った水が数本置かれている。

 
KP:しかし部屋は半壊し、外の風景が丸見えになっていた。
KP:屋外には砂漠が広がり、いくつも荒廃したビルが見えるだろう。人の姿も植物の姿も、動物の姿すら全く見当たらない。
KP:まるで世界が滅んでしまったようだ。
KP:SANC0/1

兵部太助:CCB<=46 【SANチェック】
Cthulhu : (1D100<=46) → 88 → 失敗

兵部太助:「え……?」

KP:動こうにも、あなたの体は何故か動かない。
KP:拘束されているわけでもないのに、体の節々の接続が切れてしまっているようだ。
KP:首回りと、腕だけはかろうじてなんとか動くようだとわかる。
KP:そして椅子に座らせられたまま、向かい合って椅子に座る少女を眺める形になっていた。

少女:「どうかしたの?」
兵部太助:「これ、は……?って世界が……なんで……?」困惑してます
少女:「…??」

KP:あなたがきょろきょろを辺りを見ているのを見て、少女は申し訳なさそうな顔をする。

少女:「本当は動かしてあげられたら良かったんだけど……私じゃその方法がわからなかったの。ごめんなさい、太助くん」
少女:「あなたの体を直せる人も、もうここにはいなくて……」
兵部太助:「え……?それは、どういうこと?」自分の体を見ることはできますか?

KP:自分の体に目はむけられないようだ。

兵部太助:ふんふん
少女:「だいじょうぶ、こわくないよ」

KP:少女があなたの手を握る。
KP:あなたの手を握り語りかけてくる少女は、あなたをアンドロイドだという。
KP:冷たいあなたの手のひらに、少女のその体温はとても暖かく感じた。
KP:不思議な夢を見るものだと思っていると、少女が立ち上がる。

少女:「それにしても凄いわ!感情は理解できないと説明書に書いてあったけど……アンドロイドというより、本当の人間みたい」
兵部太助:「………アンドロイド…」困ってます
兵部太助:手を握り返したい
兵部太助:「えっと……二愛ちゃんは、ここがどういう所だか知っているの?」

KP:あなたが手を握り返すと、少女は嬉しそうに笑う。

少女:「……ここは、わたしの家よ」
少女:「……あのね、」
少女:「…太助くん。この世界はあなたと私の2人きりになってしまったみたいなの」
少女:「それにあなたの充電も出来ないから、いつか電力が尽きてしまうかも」
少女:「だから……そうね、毎日10分だけ、私とお話してくれないかしら。きっと一週間はお話出来るわ」
少女:「そうだ、毎日ひとつずつ、かわりばんこに質問しあいましょう。あなたが質問したあと、私が答えるの。そうやって一週間過ごすの、とても楽しそうじゃない?」

KP:少女は目をキラキラさせながらあなたを見ている。

兵部太助:「……せかいに、ふたりきり…」カーーーー!悲しい顔をした!
兵部太助:「……」
兵部太助:「……うん、いいよ。とても楽しそう。」
兵部太助:「でも、俺の充電がなくなっちゃったら、二愛ちゃんが一人になっちゃわないかな」
少女:「太助くんはやさしいのね、…でも大丈夫」
少女:「あなたとこうやって喋れるのが今はとても嬉しいの」
兵部太助:「……。そっか、俺も二愛ちゃんとお話できるのすごくうれしいよ」

KP:少女は椅子に座り直し、あなたに向き直る。

少女:「まずは私から、質問するわ」
兵部太助:「うん、どうぞ」
少女:「太助くん、自分のことは許せないのに、誰かを見下して笑ってしまうような人間のこと。あなたはどう思う?」
兵部太助:「誰かを見下して笑ってしまう、自分のことは許せない人……。なんだか難しい質問だね」ううん
兵部太助:「たとえば、どんな感じかな?」
少女:「…私はね、病を抱えていたの。心臓が弱くて満足に日常を過ごすことも難しかったわ」
少女:「家族はそんな私のことをとても大切にしてくれたけれど、周りの人は笑ったの」
少女:「病気で可哀想と表向きは言いながら、裏では満足に歩けもしないってね」
少女:「……だけど」
少女:「私を笑ったのは、同じ病院に入院していた、同じような症状を抱えた患者の人ばかりだった」
少女:「あの人たちはきっと、自分も同じように周りの人間に負荷をかけるのが嫌だったんだと思う」
少女:「私が彼らが嫌う自分の姿をまるまる写してそこにいたから、きっと笑うことで自分を許そうとしていたの」
少女:「それでも人間って、なかなか簡単に自分のことを許せないのよね」

KP:少女は困ったように笑う。

兵部太助:「……」歩けないと負荷をかけるで自分にも思いいたることが合って困ってる
少女:「アンドロイドのあなたには、やっぱりわからない感情かしら」
少女:「人間って不器用だけど、私は好きよ。そういうところも」
兵部太助:「うーん…そうだね……。俺は、自分のことをアンドロイドだって思ってないけど…そうだな……」
兵部太助:「俺は、人のことを笑って自分のことを許そうって思ったことが無いけれど、そういうことをして自分の心の安定を図るのもまた人なのも事実なんだと思うよ」
兵部太助:「……むなしく、なると思うけど」これは小声です
兵部太助:「良くないことだと思うけど、やってしまうのは人の心の弱い所として仕方ないのかな。でも、しないでいれることが一番だよね」
兵部太助:「でも、そういうことをされたのに好きだって言える二愛ちゃんはつよいね」頭を撫でたいけど、届くかな

KP:あなたが伸ばした手は、少女の髪を優しくなでる。

少女:「そうなのね、…すごいわ!私、てっきり、人間はくだらないって言われると思ってた…」
少女:「ありがとう…太助くん」
兵部太助:「そんなこと言わないよ。人っていい感情も、悪い感情もどっちも持ってるんだと思うよ」
少女:「そうなのね。太助くんは、…人間が好き?」
兵部太助:「……」
兵部太助:「うん、好きだよ。全部、受け止められることばっかりじゃないけど、それでも俺は人が好きだよ」

KP:その答えに、少女は嬉しそうに、少し照れたように微笑む。
KP:そして不意にあなたに顔を近づけたと思うと、額へそっと口づける。

少女:「説明書に書いてあったわ。あなたのどこかへキスをすると、スリープモードに移行するようになってるんですって。明日同じ時間になったら起動するように設定したわ」

KP:少女の声を聴いていると、あなたは次第に意識が遠くなってくる。

少女:「おやすみなさい、私のたった一人のお友達。また明日ね」

KP:少女は笑みを浮かべ、あなたが目を瞑るのを見守っていた。

――――――――――

KP:あなたは目を覚ます。
KP:ぐっすりと眠っていたようだ。
KP:何か夢を見ていた気がするが、良く思い出せない。
KP:眩しい日差しがカーテンから部屋に差し込む。
KP:あなたは伸びをして、仕事へと向かうだろう。

KP:仕事が上手くいったかどうか、心理学をどうぞ。

兵部太助:珍しくすっきり目が覚めたのでね、いつも以上にしっかり仕事できますよ
兵部太助:CCB<=95 【心理学】
Cthulhu : (1D100<=95) → 98 → 致命的失敗

KP:?

兵部太助:綺麗なフラグ回収だったなぁ

KP:うっかりミスをしてしまい、職員全員の仕事を増やしてしまった。残業の後、落ち込んだ気持ちで帰宅する。

兵部太助:><
兵部太助:「……」しょんぼりしながら風戸さんにもらったカニカマを食べます
兵部太助:むしゃ

KP:おいしいカニカマはあなたの心を癒すだろう。

兵部太助:「……風戸さんのくれるカニカマっておいしいんだよな」もぐもぐ
兵部太助:じゃあちょっと元気でたので頬をぱんぱんってしてご飯食べてお風呂入って、昨日よりしっかり予習して寝ます!
兵部太助:同じミスは繰り返さない!

KP:あなたはしっかり予習をし、明日に備えていつもより早めに就寝するだろう。
KP:心地よいまどろみの中に意識がとけていく。

 

――――――――――

●2日目
KP:目が覚める。今日も少女が楽しそうに椅子に座り、あなたを眺めていた。
KP:一つ減った林檎は、残り6つ。
KP:そこからもう一つ林檎を取り出しをかじりながら、少女はあなたの顔を覗き込む。

少女:「おはよう、よく眠れた?」
兵部太助:「……うん、おはよう二愛ちゃん。よく眠れたよ。君は?」
少女:「私もちゃんと眠ったわ、ありがとう」
兵部太助:「そっか、よかった」にっこりしました
少女:「今日もまた、お話しましょう」
少女:「今日は太助くんから質問をする?」
少女:「何か聞きたいことはある?」
兵部太助:「あー、そうだね。そうしようかな」
兵部太助:「二愛ちゃんは、俺が寝ている間は何をしてるのかな?」
少女:「私?私は……」
少女:「家の中を歩いたり…少し外に出てみたり…」
少女:「探検…?調査?」
少女:「そういうことをしているわ」
少女:もぐもぐ
兵部太助:「調査とか探検……、そっか、外こんな感じだもんね」外を見ました
兵部太助:「危なくないの?」
少女:「ええ、だって誰もいないもの」
兵部太助:「……そっか」ちょっと悲しくなった
兵部太助:ちょっとどころじゃない、めっちゃかなしい
少女:「次は、私が質問する番よ!」
兵部太助:「うん、どうぞ二愛ちゃん」
少女:「人間って、他の人と自分とどうしても比べてしまうでしょう?」
少女:「意味もなく駆け足になったりするの。急がば回れもできない、そんなつまらない人間のこと、あなたはどう思う?」
兵部太助:「……二愛ちゃんは、良く人のことを見てるんだね」感心してる
少女:「…そうかしら、これはね、私のお友達のことなの」
兵部太助:「うん」ニアちゃんの話を聞く体勢に入りました
少女:「いい成績が取れなきゃ将来が不安だと言って、必死に学年で一番の成績を目指していたの」
少女:「私はそんな彼女たちのことがつまらないと思ったの。だって傍に楽しいことが、私よりいっぱい転がっているのに。それをすぐ見過ごしてしまうんだもの」
兵部太助:「二愛ちゃんは頭が良かったんだね」今までの会話に納得した
少女:「そうかしら、私も…必死になっていただけなのかも」
少女:「あなたはどう思う…?」
兵部太助:「……」なんて言おうかちょっと考えてる
兵部太助:「……人と自分を比べたり何かを争うって気持ちは、それを自分の頑張る糧に出来れば一つの向上心じゃないか」
兵部太助:「じゃないかな
兵部太助:「他の楽しいことを放っておいても、その一つを極めたいって思ってるなら、人を傷つけたり自分の体や心をないがしろにしない限り悪いことじゃないと思うよ。」
兵部太助:「でも、他の楽しいことも楽しめる余裕があるのが一番だよね」
少女:「比べる気持ちを、自分のために頑張る向上心に…素敵なことだと思うわ」
少女:「彼女たちは、ちゃんと楽しかったかしら…」
少女:「…私ね、ようやく今になって分かったの」
兵部太助:「?」
少女:「自分に優劣をつけられてしまうことを恐れてたり。できそこないのレッテルを貼られたり。自分を見てほしいと思ったり…」
少女:「そんな複雑なことじゃなくて、他人と比べて、自分が置いて行かれることが寂しかったのだと思うわ」
少女:「ひとりぼっちって寂しいもの。取り残されたくなくて、必死に足掻くの」

KP:少女はあなたの手を握る。

兵部太助:「……」
兵部太助:「……そうだね、ひとりぼっちは、さみしいと思う」
少女:「つまらないって思ったりもしたけど、私は友達たちが大好き」
少女:「ひとりぼっちは寂しいけど、太助くんがいるから寂しくないわ。ありがとう」
兵部太助:「………。そう、思ってくれてるなら嬉しいな、すごく」
兵部太助:手を握り返した
兵部太助:「人は、どんな人でも誰かに頼って生きてると思うから」
兵部太助:「二愛ちゃんの寂しくないに俺がいるなら、嬉しいことは無いよ」

KP:少女の温かな手を、冷たいあなたの手が握り返す。

少女:「どんな人でも、誰かに頼って生きようとする…そうね、本当にそう思うわ」
少女:「今日もたくさんお話ができて楽しかったわ、おやすみなさい…太助くん」

KP:少女は嬉しそうに微笑み、あなたの頬に口付けをする。
KP:今日もお別れの時間だ。だんだん、あなたは意識が遠くなるのを感じるだろう。

少女:「お話に付きあってくれるあなたのことが大好きよ」
 

――――――――――

KP:目が覚める。今日もぐっすり眠れた。夢を見た気がするが、思い出せない。大したことはないのだろう。
KP:あなたはいつもよりも早めに職場に向かい、昨日のミスを取り戻そうと勤しむだろう。

兵部太助:頑張ります!
兵部太助:CCB<=95 【心理学】
Cthulhu : (1D100<=95) → 76 → 成功

KP:今日は丁寧に患者と話すことを心がけ、書類ミスもなく、定時で仕事を終えて帰宅することができるだろう。
KP:なんならお気に入りのケーキ屋さんでケーキを買って帰るかもしれない。

兵部太助:じゃあがんばったのでちょっとるんってしてケーキを買いに行きます!家族の分も!

KP:買えます。

兵部太助:チョコケーキ3つ買って帰ります。今日のデザート

KP:チョコケーキを食べていると、窓の外で雨音が聞こえる。そういえばそろそろ梅雨に入る頃だったろうか。
KP:明日の朝には止んでいればいいなと思いながら、あなたは就寝する。


兵部太助:すや
 
 
――――――――――

●3日目
KP:目が覚める。今日の少女は少しぼうっとした顔をしていた。
KP:しかしあなたが起きたのに気づけば、少女は雨だから憂鬱になっただけなの、と笑う。
KP:確かに外では雨が降っていた。
KP:彼女はいつもどおり楽しそうに椅子に座り、あなたを眺め始める。
KP:また一つ減った林檎のかご。残りは5つ、そこからもう一つ林檎を取り出しかじりながら、少女はあなたへ問いかける。

少女:「ねえ、太助くん」
少女:「笑顔で過ごせる毎日って、とても尊くて幸せな日々でしょう?」
少女:「それを当たり前と思ってしまう人間のこと、あなたはどう思う?」
兵部太助:「……そうだね」
兵部太助:「笑顔で幸せに過ごせる日々はとても尊いものだよ」
兵部太助:「……でも、それはきっとその人にいつもあるものだから、案外簡単になくなってしまうことをその人は気づかないんだと思う」
兵部太助:「無くなってしまうその時まで……」
兵部太助:ちょっと口をつむんだ
兵部太助:「明日もあるから今やらなくていい、今話さなくていい、今聞かなくていい…そんな感じで大切なことを後回しにしたりね」
兵部太助:「同じ明日が来るかなんて分からないのに」
少女:「…あなたは、そんな人間を馬鹿だと思う…?」
兵部太助:「……ううん、思わないよ。俺も一緒だから」
兵部太助:「今言った話、全部俺の話なんだよ」
少女:「そう…なの?あなた、本当に人間みたい…」
兵部太助:「……どうなんだろうね。アンドロイドかはわからないけど本当は人間じゃないかもしれない」一回死んでるからな
少女:「…」
少女:「私の家族はね、とても馬鹿な人たちだったの」
少女:「どこにでもあるような一般的な家庭よ。でも、少し違うことと言えば、アンドロイド研究者な父と、医者である母であるようなところ」
少女:「二人とも、私の病気は治ると信じて疑わなかったの。不治の病だと分かっても諦めなかった」
少女:「諦めないで、私の病気を治す方法を探してくれていた」
少女:「現実が見えなくて、ずっと夢と幸せを追い続けるような。笑顔で過ごせる日々がこれからも続くと思っていたような、傲慢な人たちだったの」

KP:少女は傲慢と言う割に穏やかな顔をして、あなたへと林檎を半分分け与える。
KP:アンドロイドと言っても、不思議と食べ物は食べられるらしい。
KP:食べればみずみずしく、そして甘酸っぱさが詰まった味がした。

少女:「でも、きっと、それくらい私のことを大切に想って、一緒に居たいと思っていてくれたんだよね」
少女:「そんな家族が、私は大好きよ」
兵部太助:「……うん、二愛ちゃんの家族は絶対そう思っていたと思うよ」
兵部太助:「大切で、君と一緒にいたいって思ったから君のことをあきらめなかった。とても素敵なご両親だね」
兵部太助:「きっとそれは傲慢じゃなくて、願いだったんだよ」
兵部太助:頭をなでた、撫でたおした
少女:「……そうなのかしら。あなたにそう言われると、嬉しい」

KP:髪を撫でられる少女は目を細め、あなたの髪に指を通す。
KP:そして顔を近づけ、髪へ口付けをする。
KP:今日もお別れの時間だ。髪を撫でる手が、動かなくなる。だんだん、あなたは意識が遠くなるのを感じるだろう。

少女:「おやすみなさい、私の大好きなお友達。またお話を聞かせてね」
 

――――――――――

KP:目を覚ます。部屋は薄暗い。
KP:窓の外を見れば、雨が降っている。
KP:ニュースを見れば、どうやら梅雨入りをしたようでしばらく雨が続くらしい。
KP:少し憂鬱な気持ちになりつつも、あなたは着替えて職場へと向かうだろう。

兵部太助:CCB<=95 【心理学】
Cthulhu : (1D100<=95) → 45 → 成功

KP:雨のせいで今日は患者も少なく、仕事もスムーズだ。
KP:定刻通りに仕事を終えて、あなたは足早に帰宅する。
KP:雨で冷えた身体を温め、布団の中で丸くなる。

兵部太助:くるっ

KP:ここ最近ぐっすりと眠れる。週末は何をしようか…そんなことを考えながら瞼を閉じ、まどろみの中に落ちていく。

――――――――――

●4日目
KP:目が覚める。今日も雨が降り続く音がする。
KP:今日の少女は再びぼうっとした、どこか虚ろな顔をしていた。

兵部太助:「……二愛ちゃん」やさしく声をかけます

KP:あなたが声を掛けても、しばらく気づかない。

兵部太助:「……?二愛ちゃん、おはよう」首をかしげてます

KP:何度か声を掛けて、彼女はようやくあなたの方を向く。

少女:「こめんなさい、起きていたのね」

KP:少女はぱたぱたと歩いてきて、椅子に座ってあなたを眺め始めた。
KP:また一つ減った林檎のかご。残りは4つ、そこからもう一つ林檎を取り出しかじりながら、彼女はあなたへ問いかける。

少女:もぐ…
兵部太助:「……リンゴ美味しかったよ、昨日貰ったの」
兵部太助:「リンゴ好き?」ふふってしてる
少女:「本当?よかったわ、私もリンゴが好きよ」
少女:「このリンゴはね、外にある樹に成っていたの。一本だけ残っていたのよ」
兵部太助:「そっか、良かったね残ってて。でも少し見てみたかったな、ここがどうなっているのか」
少女:「外が雨じゃなかったら、椅子をもって行ってあげられたんだけど…」
少女:「でも、おもしろいものじゃないわ。何もないし」
兵部太助:「ううん、大丈夫だよ。二愛ちゃんと沢山お話できるからね」
兵部太助:その分
少女:「私も、太助くんとお話しできてとっても楽しい」
少女:「………ねえ、質問していいかしら?」
兵部太助:「うん、どうぞ」微笑みました
少女:「この世界は、とある人の夢の末路なの。夢の続きがこんな未来につながってたとしたら、あなたはどう思う?」
兵部太助:「……」
兵部太助:「……人が願った…夢の先にこう言う未来が待ってることって割とあるよ」
兵部太助:「こうなることを望んでいたり、結果的にこうなってしまったり、願いが何かを悲しませたり苦しませたりすることってないわけじゃないんだよね」
兵部太助:「……やってみないと分からないって言うのはわかるから、俺はそのとある人のすべてを否定できないよ」
少女:「そんな人間たちのこと、あなたは…どう思っているの?」
兵部太助:「……こうなることを望んでいた場合は、多分俺には理解が難しい感情だと思う」
兵部太助:「でも、その人の話を聞かないとなんとも…って思うかな。なぜそうなってしまえばいいと思ったのか…その話を聞かないで否定したりはあんまりしたくない」
兵部太助:「望んでなかった場合は……、そうなってしまったのは結果だから、難しいね。その人もやりたくてやったわけじゃないだろうし」
兵部太助:困った顔をしました
少女:「太助くんは、自分の物差しに当てはめないで、相手の想いもしっかり聞いて物事を考えるのね」
少女:「そうね、私は……」
少女:「私の夢はね、本当に些細で、…けれど欲張りなものだったの」
兵部太助:「……うん」話を聞いています
少女:「『長生きしたい』」
少女:「病気で余命少なかった私にとっては、贅沢な夢だったのよ。美しい光景、海の中の生き物、広がる大自然、遥か彼方まで続く空、いろんなものを見て見たかった」
少女:「そんな夢物語を、両親は叶えようとしてくれたの。いろんな研究をしたり、開発を進めたり。…人でないものにまで、手を出そうとして」
少女:「そんなことも、私は知らなかったわ。だってパパとママが夢を叶えてくれるって言うから、何も知らずにすべてを委ねて、怠慢を重ねて」
少女:「ただ、笑っていたの」

少女:「…そんな『私』が、私は大嫌いよ」

KP:少女はそう言いながら笑う。

少女:「……今度は、太助くんが質問する番」
兵部太助:「……」
兵部太助:「……そうだね、じゃあ俺からの質問」
兵部太助:「口では綺麗なことを言っていても、結局は自分の価値観で物事を選んでる人がいたんだ」
兵部太助:「姿が人じゃない人を口では助けたいどうにかしたいって言っていたのに、いざその人と他のなにかが天秤にかかったとき、その人を切り捨ててた」
兵部太助:「そんな綺麗ごとを言う人間を、君はどう思った?」
少女:「その天秤にかけた他の何かのほうが、その人にとっては大切で、守りたかったんじゃないかしら。姿が人でも、人でなくても、その人間は、きっと自分にとって大切に思う方を選ぶと思うわ」
少女:「大切なものがある人間は、優しい人が多いから…切り捨てた人のことを忘れずに、きっと一生背負って生きていくんだわ」
少女:「わたしはそんな人間のことを、かわいそうだと思う」
兵部太助:「可愛そう」
兵部太助:「かわいそう?」
兵部太助:どうしてって感じで聞きました
少女:「ええ。…優しい人は、見捨ててしまったことを後ろめたく思いつづけなければならないから」
少女:「……あなたみたいに、私も、パパとママにもっとたくさん、聞いておくべきだった」
少女:「どうして、そうするのか…何を思って、そうしているのか」

KP:少女は小さく笑うと、椅子から立ち上がり、あなたの瞼へキスをする。

兵部太助:「……っ、まって……俺…は、ね……」言いかけて眠りにつきます…すや……

KP:今日もお別れの時間だ。だんだん、あなたは意識が遠くなるのを感じるだろう。
KP:言葉を紡ぎかけるあなたの耳元で、少女が囁く。

少女:「…おやすみなさい。どこか懐かしい、私の大好きな家族」

KP:聞き耳をふってください

兵部太助:CCB<=64 【聞き耳】
Cthulhu : (1D100<=64) → 20 → 成功

KP:微睡の中、微かに息苦しそうな吐息が聞こえてきた気がした。

――――――――――

KP:目が覚める。今日も外は雨だ。
KP:今日が終われば明日と明後日は休み。そう言い聞かせて、身体を起こす。
KP:ここ最近寝覚めがいい。夢は、見ていない気がする。
KP:傘を差し、雨の中あなたはいつも通り出勤する。

兵部太助:CCB<=95 【心理学】
Cthulhu : (1D100<=95) → 76 → 成功

KP:いつも通り仕事をこなし、何事もなく定時に仕事が片付くだろう。
KP:飲み会に誘われ、職場の仲間と飲んでから帰宅する。
KP:酔いが回っているせいもあり、今日はすぐにでも眠りたい気分だ。

兵部太助:ふわふわ

KP:ベッドに身を委ねれば、あなたはすぐにでも寝息を立てる。

 
――――――――――

●5日目
KP:目が覚めると雨が降り続いている音がする。
KP:目覚めても、少女の声がしない。
KP:薄暗い部屋を見れば、目の前の机に突っ伏し、眠っていることがわかる。
KP:籠には林檎が3つ……ではなく、2つになっていた。どうやら少女が既に食べたようだ。
KP:目星、アイデアが振れます。

兵部太助:CCB<=95 【目星】
Cthulhu : (1D100<=95) → 42 → 成功

KP:少女が眠っている机の上、そこに何かの古びた書類が置いてあることがわかる。
KP:また、あなたの膝の上に一冊の本が置かれている。

兵部太助:じゃあ、古びた書類を見てみます

●古びた書類
KP:誰かの日誌のようだ。

20XX年 XX月
私の娘『幌日 二愛』を、コールドスリープ実験の被験者とする。
二愛は不治の病により余命幾ばくも無く、現状治療する手立てがまったく見つからない。
未来にその手立てがあると信じ、笑って眠りについた彼女を冷凍させる。
…すまない、二愛。救えなくて、本当にすまない。
早くその方法を見つけてくるから、待っていてくれ。

20XX年 XX月
二愛を冷凍させて、数十年が経った。
それでも治療法も、治すための手立てすら見つからない。
家族でまた笑い合いながら暮らせる日が来てほしい。
いや、必ず実現させて見せる。

20XX年 XX月
何も方法が見つからない。
妻が何度ももう諦めよう、未来の技術に託そうと言ってくる。
それでも私は、あの子の笑顔をもう一度見たいんだ。

20XX年 XX月
妻が死んだ。それでも研究を続ける。
いつか方法が見つかるはずなんだ。

20XX年 XX月
見つけた!二愛を治す方法を見つけた!
そうだ、なぜ最初からこうしなかったのだろう。
神ならばきっと、どんな病とて治してくれる。
二愛を救うことなど、きっと容易いのだ。
神を呼び出す準備をする、期待に胸が高鳴る。
妻は寿命で死んでしまった、けれど、もしかしたら彼女もまた蘇らせてくれるかもしれない!
また家族三人で暮らそう。なあ、二愛!!!

(この後の文字はかなり乱れており、解読ができない。

KP:書類に目星ができます

兵部太助:「……」目星します

兵部太助:CCB<=95 【目星】
Cthulhu : (1D100<=95) → 26 → 成功

KP:書類の端に「こんな夢を望んだわけじゃなかった」と書かれているのを見つける。

兵部太助:「……神様が、人間が願ったように夢を叶えてくれることなんてめったにないから…」
兵部太助:膝の上の本を読むことにしました
兵部太助:読めますか?

KP:世界中の色んなおまじないや迷信などを集めた本のようだ。
KP:付箋が貼られているページがある。

兵部太助:そのページを見てみます

KP:『キスをする位置によって、そのキスの意味が変わってくる』

兵部太助:「……」ちょっと微笑みました
兵部太助:ほほえましいじゃん…

KP:本を読み終え、顔を上げる。気付けば少女がゆっくりと起き上がり、あなたを悲しげに笑って見ていた。
KP:その頬はどこか痩せこけ、青白い。

少女:「目を覚ましたのね、よかった…」
兵部太助:「…うん、二愛ちゃんも。おはよう」
少女:「…おはよう」
兵部太助:「こっちまで来れる?」そっと手を伸ばします

KP:彼女は覚束ない足取りで立ち上がり、あなたの差し出したの掌へと口づける。

少女:「おやすみなさい。…お願いだから、一人にしないで……、また、明日も…目を覚ましてね」

兵部太助:嘘でしょ!?

KP:あなたが意識を失う直前に見たのは、泣きそうで、けれど泣いてはいけないとでも言いたげに笑う少女の姿だった。

――――――――――

KP:目を覚ます。今日も外は雨だ。
KP:今日は土曜日。墓参りに行く予定だった。
KP:何か、とても短い夢を見ていたような気もしたが、そんなことは気に留めず、あなたは支度をして家を出る。
KP:墓には真新しい卒塔婆が三本建てられている。
KP:雨に濡れた墓石は、黒く艶やかだ。最近誰かが来たのか、花が添えられている。

兵部太助:「……」従兄弟かなぁって思ってる
兵部太助:そうだなぁ、お墓に花と食べ物をパックのまま添えて形だけお線香しておきます。
兵部太助:傘を差したまましゃがんで手を合わせてる
兵部太助:いろいろ頭で思ったけど、大体従兄弟の話してました

KP:帰宅して、いつも通りの土曜日を過ごす。

兵部太助:ですね、家族と話したり友達とか幼馴染にLINEしたりして過ごします
兵部太助:従兄弟にもLINEしておきます
兵部太助:お墓参りしてきたよ。先に来てた?って

KP:そんな風に過ごして、夜になるだろう。止まない雨の音を聞きながら、今日もあなたは布団に入る。

――――――――――

●6日目
KP:目が覚めると、雨が降り続いている音がする。
KP:目覚めてみて、あなたは目を見開いた。
KP:少女がベッドに横たわっていたのだ。
KP:どこか苦しげに胸を抑え、か細い息を吐く。
KP:籠には林檎が2つ。彼女はあなたが起きたのに気づくと何とか起き上がり、それを弱々しく掴み、少しだけ齧った。
KP:しかし一口食べるのが精一杯のようで、悲しげに笑う。

少女:「林檎、好きだったのに。味ももう、あまり感じられないみたい」
少女:「…せっかくだから、太助くんが食べて」
兵部太助:「……」

KP:そう言って、少女は身体を起こし、椅子を引きずってあなたの前に来る。

兵部太助:「…っ、二愛ちゃん…!」前に行こうとして動かなくて苦しい顔をします。手しか伸ばせねぇ

KP:あなたが伸ばした手を、少女は力なく握る。

少女:「大丈夫、あなたの顔をちゃんと見て、お話したいから…」
兵部太助:「……うん、俺もだよ、ごめんね」もう片方の手で二愛ちゃんの頬を撫でた
少女:「ねえ……太助くん、質問…してもいい?」
兵部太助:「うん…なにかな、二愛ちゃん」
少女:「誰かを笑ってなきゃ、自分を許せないような…」
少女:「……くだらない『私』のこと、あなたはどう思う?」
兵部太助:「……」
兵部太助:「俺はね、二愛ちゃんのことが好きだよ。もう君は、俺の大切にしたい人の一人」
兵部太助:「……俺はね、俺のことをずっと責めてたし、あの時選んだ選択以外にもっとほかにやり方はあったんじゃないかって思ってた」
兵部太助:「でもね、そんな俺でも生きて欲しいって願ってくれたり、大事に想ってくれてる人がいるって教えてもらったんだ」
兵部太助:「二愛ちゃんは自分のことがくだらないって、嫌いだって言ってたけど、それでも俺は二愛ちゃんが好きだよ」
兵部太助:「君を大事に想ってる人が、ここにいるから……だから……」二愛ちゃんをじぶんの胸にまで持ってきて抱きしめることってできますか?

KP:あなたが伸ばした腕の中に、少女は今にも泣きそうな顔で包まれる。

兵部太助:「……そのことを、覚えていてくれると嬉しいかな」頭をぽんぽんってしました
少女:「…あなたって、本当に人間みたい………ありがとう」
少女:「……」
少女:「今まで語った人たちのこと。私は全部、笑いながら話したでしょう…」
少女:「そうしないと、私は自分が許せなかったからよ」
少女:「周りの患者さんは生き続けたかった。友達には夢があった。…けど、私が壊してしまったの」
少女:「今こうして、ここに一人残ってしまったことも。この事態を引き起こしてしまった原因であることも、私は許せない」
少女:「……私のすべてが許せないの」
少女:「…世界は、パパが神様を呼び出したせいで、滅んでしまった」
少女:「私たち、家族三人で…ただ幸せに過ごしたかった」
少女:「私も、パパもママも…そんな、愚かでありふれた願いを…叶えたいだけだった」

KP:少女は唇を噛みしめる。

少女:「けれど、そんな夢も叶えられなかったの。長い眠りから起きて、最初に目に飛び込んできたのは荒れ果てた荒野だったわ」
少女:「ここにあった書類を読んで、全部分かったの。パパが神さまを呼び出すのに失敗してしまったんだって」
少女:「…大好きだった、全部を滅ぼしてしまったのよ。私の、家族は」

KP:少女は泣いてはいけないのだと、顔をゆがませ、手に力を込める。

少女:「……私は…そこまでしても生きられない私のことが、大嫌い」

KP:彼女はあなたの首へ腕を回し、抱き着いてくる。

兵部太助:そのままじゃあ、腕を回してぎゅっとします

KP:次の瞬間、あなたの首筋に唇が降りてくる感触がした。
KP:あなたは意識が遠くなる。これが今日の、お別れの合図だった。

 
少女:「おやすみなんて……言いたくない……!」
少女:「本当は生きたい、死にたくないよ……っ」
少女:「置いていかないで。消えてしまわないで。一人にしないで……!」

KP:彼女の嗚咽を聞きながら、あなたは目を閉じた。

――――――――――

KP:目が覚める。
KP:数日前から降り続いている雨は一向にやまない。
KP:大きく伸びをして、あなたがベッドから降りる。
KP:今日は日曜日だ。

兵部太助:るとちゃんちに行きます
兵部太助:手土産を持って

KP:家の用事を済ませて、あなたは傘を片手に幼馴染の家へと出かける。
KP:手土産のケーキを食べながら、最近の出来事やお互いの仕事の話など、他愛ない話をして一日を過ごすだろう。
KP:帰り際にも、まだ雨が降っていた。いつ止むんだろうね、という会話を最後に、あなたは帰路に着く。
KP:家に帰り、いつものように家族と食事をして過ごす。
KP:明日からまた月曜日、まだしばらく続きそうな梅雨の音に少しだけ憂鬱になりながら、あなたは目を閉じる。

――――――――――

●7日目
KP:目が覚めると、雨が降り続いている音がする。
KP:…何となく、あなたは予感をしていた。
 
KP:その瞼を開けば、力なく椅子に座っている少女の姿があった。
KP:肌は青白く死人のようで、瞳の閉ざされたその表情は苦悶の色に染まっている。
KP:荒い呼吸と、垂れる冷や汗。もはや彼女に残された時間は少ないのだと、嫌というほどわかってしまった。
KP:籠には林檎が1つだけ。これが消費されることは、きっともうない。

兵部太助:「……」
兵部太助:「……二愛ちゃん、おはよう」手を握りたい

KP:伸ばした手は少女に届かない。あなたが呼ぶと、少女がゆっくりと目を開く。

少女:「………た、すけ…?」

KP:汗まみれの顔で嬉しそうに笑うと、少女は椅子から立ち上がる。
KP:覚束ない足取りでやってくると、あなたの座っている椅子の前へやってきて、膝をついた。
KP:少女はあなたが伸ばした手のひらを握りしめ、そして、弱弱しく口を開く。
KP:彼女の手は、今までにないくらい震えていた。

少女:「……これがきっとね。最期の質問よ」
少女:「……あなたの手が温かくて、愛おしいと思う私を、バカだと思う?」

兵部太助:いま、自分的には冷たいんですか?

KP:冷たいですね

兵部太助:><
兵部太助:「……思わないよ。俺の手が温かかったらいいのにって思ってたんだ」最後の方は小声です
兵部太助:手袋をゆっくり取ってちゃんと素肌で二愛ちゃんの手を握ります
少女:「……っ」
兵部太助:「……ごめんね、これは俺のわがまま」
兵部太助:手袋とったら本当に冷たいのが分かっちゃうのに取ったからね

KP:少女はあなたの手に頬を寄せる。

少女:「……ねえ。…あなたも…何か、最期に私へ質問してくれる?」
兵部太助:「……したく、ないなぁ…」
兵部太助:「したら、本当に……もう、終わってしまいそうだから……。 いや、だよ……」頬を撫でました
兵部太助:泣きそうになってる
少女:「……おねがい」
少女:「何でも…いい、から」
兵部太助:「………っ」
兵部太助:「……。 この世界に二人きりになったのが、ここにいるのが、今君と話しているのが、君の手を握っているのが……俺でよかった?」

少女:「…うん、…あなたで…太助で、よかった……」
兵部太助:「っ……。 うん、俺、も、二愛ちゃんとこうして話しが出来てよかった」
兵部太助:「……君を、助けたいよ」これは小声
兵部太助:もっと手をぎゅってしました
少女:「……ありがとう」

KP:震える手であなたの手を握り、よろめきながらも少女は立ち上がる。
KP:そしてあなたから手を離すと不意に、彼女は笑った。
KP:そして少女があなたの目を塞ぐ。

KP:次の瞬間、唇へ触れる冷たい感触があった。

KP:その手が取り払われると、綺麗な雫を流す、自分が大嫌いな少女がいた。

少女:「…私は私が大嫌いよ。でもね、期待してしまうの」
少女:「こんなにボロボロで、見る影もない星でも。…滅んでしまっていても」
少女:「目が覚めたとき、あなたがいてくれたこの世界が、私は大好きで、…愛おしくて仕方がないの」
少女:「あなたが…太助がいるこの星のことを、忘れてしまいたくないの」
少女:「ずっと、覚えていたい…一緒に、生きていたい」
少女:「だって……あなたの手は、いつだって温かかったから」

KP:その言葉を聞くと同時に、眩い光があなたを照らした。

KP:空が晴れたのだ。雲で覆われていた空から太陽が見え、あなたたちを明るく照らす。
KP:綺麗な虹が晴れ渡った大地にかかり、視界いっぱいに飛び込んできた。
KP:虹を背に、少女が綺麗な顔で笑った。

少女:「…おやすみなさい。私が、世界で一番、大好きな人!」

KP:最期の力を振り絞ったのか。
KP:握りしめていた彼女の手が離れ。
KP:彼女の体が揺らぎ。

KP:そして、倒れていく。

KP:あなたの視界も、次第に暗くなってゆく。

KP:──薄れゆく意識の中で見たのは、幸せそうに眠り逝く少女の涙だけだった。

――――――――――

KP:あなたは目が覚める。
KP:いつもどおりの部屋、いつもどおりの朝だ。
KP:夢を見ていた気がするが思い出せず、特に気にすることもなく起き上がることだろう。

KP:しかし、起きた瞬間、あなたの膝の上に水滴が零れ落ちた。
KP:何だろうと鏡を見て見れば、あなたの瞳からいくつもの水滴……いや、涙が溢れ落ちていた。
KP:それは止まることなく、頬を滑り、零れていく。

KP:何故かはわからないが、あなたは知っていた。
KP:覚えてもいない大切な夢を、もう見られないこと。
KP:その夢を見られないことが心から悲しく、その夢を思い出せないことが辛く、涙が止まらないのだと。
KP:嗚咽を漏らし、あなたは泣く。
KP:名前も分からない誰かの夢を、想い続けながら。

KP:そうして日常へと帰っていく。

〇Ending -おやすみなさい、最愛の人-
【EndingSong:ニア】

KP:◎クリア報酬
生還:1d6
NPCの口づけと想いを受け取った:1d3
兵部太助:1d6+1d3
Cthulhu : (1D6+1D3) → 1[1]+2[2] → 3

KP:後日談発生条件が揃っていますので、ここから後日談に移行します。

――――――――――

KP:ある日外へ出かける用事があり、雨の中外出していたあなたは、街角の電光掲示板に流れるニュースが目に入る。
KP:不治の病とされていた病気の治療法が見つかったという内容だ。
KP:その治療法を開発した女性は医者らしく、医者の娘が被験者となったと流れており、被験者となった少女のインタビュー映像が放送されていた。

少女:「家族みんなで、これからも一緒に暮らせるのがとても嬉しいです」
少女:「友達みたいに将来のことを考えたりできなくて、誰かに支えられないと生きられなかった私が大嫌いだったけど」
少女:「そんな私でも好きと言ってくれる人がいるから、私は私を、これから大好きになっていきたいです」

KP:インタビューによると、治療法により少女は回復しつつあり、既に外出許可が月に何度か降りるぐらいにまで治療されつつあるそうだ。

少女:「手術を受けるのも怖かったけど、夢の中に出てきてくれた大切な人が、私を励ましてくれた気がするんです」

KP:少女は幸せそうに笑う。
KP:その笑った顔にどこか既視感を覚え、あなたがそのニュースにじっと見入っていると、ふと誰かが後ろからぶつかってきた。

少女:「すみません、大丈夫ですか?」

KP:一人の少女だった。彼女が傘を上げれば隠れていた顔が見え、あなたは目を瞠ることだろう。
KP:今まさにニュースに写っていた、不治の病を抱えていたという、あの少女が目の前にいたのだ。

少女:「ごめんなさい、びっくりさせちゃって。怪我はありませんか?」
少女:「久しぶりの外だからはしゃいでしまって。…あなたは待ち合わせか何か?」

KP:あなたへ人懐っこく話しかけてくる少女に、病の影はまったく見えない。
KP:どうしてかその事実に喜びと泣きそうな気持ちを感じていると、少女が「そうだ」とあなたへ何かを差し出した。

兵部太助:「……、うん俺に怪我はないよ。大丈夫……、これは?」うけとります

KP:それは、真っ赤な林檎だった。

少女:「嬉しくて買いすぎてしまったんです。ぶつかったお詫びに、一つもらってもらえませんか?」
少女:「私の一番大好きな食べ物なんです」
兵部太助:「そっか、俺もリンゴ大好きなんだ。じゃあ受け取るね。ありがとう」微笑みました

KP:鮮やかな赤は、確かにおいしそうに見える。
KP:ふと、傘に当たっていた雨音が切れる。
KP:どうやら雨が上がったようだ。
KP:傘を閉じた少女からあなたが林檎を受け取ると、少女は嬉しそうにあなたへ近寄り、その手を握った。

少女:「私、帆日二愛といいます」
少女:「私きっと、世界で一番あなたを好きになると思うんです!」
少女:「だから、あなたのことをいっぱい教えてください!」

KP:おかしなことを言う子だと、あなたは思ったかもしれない。
KP:けれどその手はとても……温かかった。
 

KP:彼女の背に、大きく綺麗な虹がかかる。
KP:その光景はとても綺麗で、こんな虹を夢でも見られたら良いのに、なんて少し思ったかもしれない。
KP:さあ。いつかのような質問に、君はなんて返すのだろうか。

〇Ending0 -おはよう、世界で一番最愛なあなた-
【EndingSong:失想ワアド】

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