夜廻三 感想
夜廻三トロコンクリア後の感想です。あまりにも直接的なネタバレは避けますが、軽いネタバレはあるのでご注意ください。
ゲーム性
目的のために夜の街を徘徊して、おばけを避けて先へ進む…というのが夜廻シリーズの進め方です。基本的には街が中心でその先に学校や廃村等のステージがあるのですが、街のおばけは今作では控えめで、その分探索しやすくなってました。ストーリーを進めたいのに関係ないところでガンガン死ぬ、ということが少なくなったのはありがたいです。
またおばけを避ける重要な行動として、前作までの「隠れる」から「目を閉じる」に変更がされました。物陰に隠れてガタガタ震えながらおばけが通り過ぎるのを待つ…というのも結構好きでしたが、夜の街で目を閉じて、すぐ近くにいる怪異を肌で感じながら、その横をゆっくりゆっくり通り抜ける…というシチュエーションもかなりドキドキして良かったです。
おばけ
え、今回怖くないですか?なんか「夜廻のおばけはかわいめに描いてるから大丈夫」とか開発者インタビューに書いてあったけども…
でも自分には丁度良い塩梅でした。全然怖くないのもちょっと拍子抜けだなとか思ってしまうので。
今回はおばけのお使い的なことを結構やります。おばけの考えてることが分かり易いのもありますが、「なんでこんなことさせられてるんだ??」みたいなのもあります。ユズも「こんなことしていいのかなぁ」とか言いながら進んで行きますし…何かはわからないが何かにヤバイことをやらされて、その結果何が起きるか分からないっていうのが怖くて良かったですね。想像力を搔き立てられます。所々、この街の大人達はある程度理解した上でおばけと共存してるっぽい、というのも結構不気味でした。
ストーリー
良かったです。何かに記憶を奪われてしまった少女が思い出を取り戻す、というのが大筋ですが、奪われた記憶、いつの間にか忘れてしまった大切な記憶、つらくてつらくて忘れてしまった記憶。そういったものが複雑に絡み合っていて、人間の記憶の曖昧さ、虚しさ、大切さが語られていると思います。あの日は確かこうだったはず。本当に?きっとそう。いやでももっと、光に照らすようによく思い出せば──────
こういう経験がある人も多いはず。バッドエンドからの思い出探しはすごく興奮しましたね。
ラストでついに全てを思い出したユズは呪いを無事に解いて森からの脱出を試みますが、ルールに従って目を閉じて出口に向かう際、だんだんと隣りの光が薄くなり、薄くなり───────
目を開けると美しい夜明け。「おねえちゃん・・・?」流れるあの曲。もうこんなの泣きますよ。暗がりで目を閉じた後に見る眩しい朝日の表現が本当に美しかったです。
クリア後、ユズの状況ははっきり言って少しも好転していませんが、物語が進むにつれてどんどんタフになっていく様をプレイヤーは見てきています。ユズはもう勇気を出す方法を知っています。どんなことがあっても、必ず勇気を出して周囲に自分の意思を表明していけるでしょう。だから、現状は辛くとも、とても希望が見える未来なのではないかなと思いました。
総評
やっぱり面白かったですね。正直ボリュームの割に値段高すぎないかという思いはあるんですが、それでもこの独特の雰囲気を味わいたい!という気持ちにさせてくれます。本編やっただけだとまだまだ謎が多いので、小説がまた出たら読みたいなぁ…
あと単純にお姉ちゃんすごく良いです。普段イケメンだし、笑い顔可愛いし、呪われたらかっこいいし。お姉ちゃんのファンアート楽しみにしてます。私は曲アレンジとかさせていただきますので。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
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