本棚が好き

家の本棚が好きだ。私は本の扱いは雑多なものだから、気づくと本の順番が適当になっている。
けど、ふとした時、掃除した時、その日の気分で本を並び替えて、好きな本の表紙がぴしっと揃う、その様を見るのが好きだ。
本が誇らしげに見える。

そして、本棚に入らなくて溢れた本を本棚の横に積むのも好きだ。絶妙な角度で重ねられているそれらを見るのが好きだ。

もちろん、本を集めるのも好きだ。

そして、本を手放すのも好きだ。

だから、わりと、売ったり寄付したりする。
自分がゆかりのある場所の、その場所に合う本、そこにくる人が手に取ってくれたらいい本を考えるのはなんだか好きだ。そこにくる人が手にとってくれたら嬉しい本を、そこに寄贈したりする。
その場所が古本屋なら選りすぐって売りに行く。
その本棚に私の本が並ぶのを想像すると楽しい。
本を読みながら、私が出会ったこの本を誰かが手に取れたらいいな、と思う。素敵な本であればこそ、手放した先を考えてしまう。

そこで、誰かがその本に出会うかもしれない、出会わないかもしれない。
それに思いを馳せるのが楽しい。本というものが、いろんな人の間を廻る。
心惹かれる一文に合うかもしれないし、合わないかもしれないし。
想像すると穏やかな気持ちになる。

そして全くそういうのに当たらない一時のテンションのために買った本や雑誌も、早々に本棚からダンボールにしまわれた本も、まとめておいて1年に一回、寄付として送るのもなんだか楽しい。

ネットで予約して取りに来てもらうのだ。

私は、昔お世話になったBAJという団体のHAPPY BOOKというプロジェクトを使わせていただいている。
ネット上で、申し込みをして、ダンボールに入れておいて、予約した日に宅急便の人が取りに来る。それがBookoffで買い取られその金額が寄付になる。
私の娯楽が惰性が、少しだけど社会の役にも立つ。このおかげで、以前より気楽に本を買って楽しむことができていると思う。


いつか、大きな本棚がある部屋を借りて、その部屋を好きな本で埋めたいなとふと思った。
その部屋を開放して、誰でも過ごせるような場所にできたらいいなあとか、思う。

夢の話。

ただ、外で働かないといかんしね。施設で働きたい私と、そういう場所を作りたい私はなかなか両立ができないけれど。

場づくりには、興味がある。
人はいなくても、場所があることに意味があることもあるのよね。



果ノ子
(ある場に本を持って行って、使ってくれてる小さい子が大人の口調で、「こういう本こそここにあるべきだよね」と言っていたと聞いて、ふふふ、となったので。)
(私から直接伝えることではなく、大人から直接言われても響かないことを、自分で感じ取るというチャンスを本は与えてくれるから、本が好きだ。私は直接主張するは得意としないから、そういうのをやっていきたいなぁ。)


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