見出し画像

【クイズ!】 〜愛すべき言い間違え達〜

はじめに

このnoteの内容は

・言い間違えをクイズ形式で紹介
・言い間違えの解説と筆者による寸評
・クイズに出来なかった言い間違えの紹介

です。

言い間違えをこよなく愛する筆者が、聞き集めてきた言い間違えをクイズ形式で紹介します。

クイズの形式

問題は全3問+おまけ1問です。
言い間違えが起こる前後の会話を紹介するので、何をどう言い間違えたのかを推測してください。

それでは早速クイズ、スタート!


第1問:なにを食べに行く?


「腹減ったなぁ」


「そしたらどっかで飯食うか!」


「おれ、串カツ食いたいな」


「お、じゃあ???行くか!」


???かぁ。探したら1軒くらいあるかもなぁ」


Q. ???に入る言い間違えはなに?





A. 串カツ中田(串カツ田中)


解説
串カツ田中の「田中」の語の順番が入れ替わって「中田」となった形の言い間違えです。


筆者による寸評
塩むすびですね。言い間違えの塩むすび。

シンプルイズベストってこういうことなんです。塩をひとつまみって、田中と中田をテレコにするってことなんです。

複雑なロジックがないとダメ? おにぎりには生たらこかいくらのすじこが入ってないと満足できない? バカ言っちゃいけません。そんな奴には六助の塩で作った塩むすび。これで1発です。


第2問:家でも赤っ恥


「親父聞いてよ! この前、会社で防災訓練みたいなのがあったんだけどさ!」


「おお、それで?」


「机の下入ったの俺だけで恥かいちゃったよ!」


「ハッハッハ、その腹じゃ入るの大変だったろ」


「そりゃ狭くて大変だったけど! ???は何のためにやってたのって話だよ!」


「ハッハッハ、確かに。お前には???が必要だな」


Q. ??? に入る言い間違えはなに?






A. 肥満訓練(避難訓練)


解説

音韻的な類似性による言い間違えです。

避難訓練の「避難」が、お父さんの軽口から連想された「肥満」という言葉に置き換わっています。


筆者による寸評

美しい。

言い間違えが起こるまでのフロー、言い間違えと人(にん)のマッチ具合、言い間違えから連想される状況。どれも非の打ち所がないです。

肥満訓練。ポテトにシェイク付けて食べる練習とか、ノンカロリーのコーラを見極めてはじく練習とかするんでしょうね。良すぎるので個人的にやります。


第3問:デートで大失態


「彼女とディズニー行ったんだけどさ、ヤバいミスしちゃって彼女怒らせちゃったよ」


「なに? ヤバいミスって」


「パレード見てたんだけどさ。ほら、あれ、なんだっけ。あのリスのやつ」


「チップとデールね」


「そうそう。それを???って言い間違えちゃって」


「ディズニーにも謝れよお前」


Q. ??? に入る言い間違えはなに?






A. くりとりす(ぐりとぐら(チップとデール))


解説

高難易度かつ特殊な問題です。

「チップとデール」を「ぐりとぐら」だと勘違いした上で、「ぐりとぐら」を「くりとりす」と言い間違えています。

「ぐりと」と「くりと」までは音韻的な類似性による言い間違えでしょう。「ぐら」と「りす」については意味的な類似性、チップとデールがシマリスであることが影響していると考えられます。


筆者による寸評

知恵の輪を彷彿とさせますね。解いてしまえばなんてことはないのですが、最初はどこから手をつければいいのやら。

「チップとデール」から「ぐりとぐら」。「ぐりとぐら」から「くりとりす」。言い間違えの乗り換えとでも言いましょうか。このギミックには舌を巻きます。

さらに元の言葉からの離れ具合。私は言い間違えの飛距離と読んでいますが、こちらも素晴らしい。ギミックと飛距離、共に申し分のない芸術的な言い間違えです。ディズニーには私から謝っておきましょう。


クイズに出来なかった言い間違え

先程までは、会話の流れを汲み取れば、なんとなく言い間違えを予測できる問題を出題してきました。

しかし、世の中には理屈では説明のできない言い間違えも存在します。

今回はおまけとして、クイズには出来なかったけど知ってほしい言い間違えを、おまけ問題として紹介します。


おまけ問題:泊まりで小珍事



「泊まりの度に歯磨きセット買うのもったいないよな〜」


「分かる。だからせめてもの抵抗で買ったことないやつ試してんだよ」


「あー、おんなじのばっか買っちゃうもんな」


「うわ! この???不味っ!」


???だと思ってる奴いねぇよ」


Q. ???に入る言い間違えはなに?






A. 味付け(歯磨き粉)


解説

言い間違えは、いわば心の辞書から取り出す言葉を間違えた際に起こるものですが、「歯磨き粉」と「味付け」を同じ分類に入れている人間がいることは予測できません。


筆者による寸評

歯磨き粉を味付けだと思っている。そういう人間に救われる夜が確かにあります。

私もこれぐらい物事を柔軟に捉えてみたいものです。あれやこれやと自分を縛っているのはルールではなく、実は私自身なのかもしれません。

歯磨き粉を味付けだと思う。それは誰にも禁止できない。自由とは、歯磨き粉を味付けだと言い切ってしまうことかもしれない。さあ、我々も声高に叫びましょう。「歯磨き粉は味付けである」と。


終わりです

お疲れ様でした。問題は以上です。

皆さんは何問正解することができたでしょうか? 1問も正解できなくても、なんの問題もないので気にしないでくださいね。


余談ですが、ある調査によると言い間違えは千語に一語の割合で起こるそうです。パーセントにおこすと0.1パーセント。

そう考えると言い間違えは、我々が身近に触れることの出来る小さな奇跡と言えるかもしれません。これをきっかけに言い間違えに注目してみてはいかがでしょうか。

でもそのせいで、あなたが人の言い間違えを笑いすぎて嫌われたりしたらすいません。その時は私と友達になりましょう。


(おわり)



【参考にした本】
寺尾康 言い間違えはどうして起こる?(岩波書店)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?