元ヤンの彼女が可愛すぎて…大事にしたい。

○本編
【高架下にて】
あーあー…。
服ボロボロじゃん、あんた。

メガネも割れちゃってるし。
大丈夫ー？

ん、ほら手貸すよ。

よっと…
え、さっきのやつら？

ふふ、とっくの昔にあたしが
追い返したよ。

うん、あたし1人。
ま、有名なんだよ、あいつら。
よくこうやって自分より弱そうなやつ見つけてはカツアゲしてんの。

でもあたしより全然弱いからさ。
あたしがここに来たら、早々に逃げてったよ。

ふふ、その時点でモブっぽいよね。
正直あんたの方が強そうに見えるよ、あたしは。

ま、知らないけど。笑
ていうかあんたどこに住んでるの？

あ、あたしとすっごい近所じゃん。
ふふ、知らなかった。

って…さっきから何してんのあんた。

は！？
お金？

え、いいよ、いらないって！

いや助けてくれたからって…別に大したことしてないし。
だってあたし、あんたがボコられてるからここ、来ただけよ？

特に何もしてないし。

うん、真面目にいらない。
そういうつもりで助けに来たわけじゃないから。

ほら、だからしまってさ。
その金で、メガネとか制服とか新しいの買いなよ。
な？

えー…それでもお礼がしたいの？

ふふ、律儀なやつだなー。
そうねー…

あ、じゃあさ…。
あたしね、ゲーセンが好きなんだ。

ふふ、意外？

そうかな？
でね、格ゲーとかクレーンゲームとかが好きでさ。

だからさそこであたしの好きなゲーム、何個か奢ってよ。
もちろん一緒にやれるやつはあんたとやるし。
ね、どう？

ふふ、決まり！
じゃあとりあえず、あんたの家行こっか。

え、ふふ。
いやお金取ってこいって意味じゃなくて。
なに、あんたまだあたしのことビビってんの？

そうじゃなくてさほら、自分の格好見なさいよ。
制服ボロボロじゃん。
だから着替えておいでよ。

ふふ、流石にあたしもそのボロボロの格好で行かすわけないっしょ。
ほら…じゃあ行こ。


【同棲してる家にて】
…おーい。
おーい、あなた起きて。

おはよ。
というかこんにちはかな？
ふふ、いくら休日だからって寝過ぎでしょ。

ね、朝ごはんできたよ。
一緒に食べよ。

え、どこでって…