Suncatcher (24 Mar. 2017 : Gallery NU-VU)

『Suncatcher』は芸大生だった頃、
いっしょに音楽を学んでいた仲間(美声の持ち主だった)に当て書きした歌です。
できたばかりのデモを大好きな大友良英さんに聴いて頂いた思い出の曲。
ICレコーダーで録ったひどい録音で、ピアノの調律もおかしかった。
「ピアノ狂ってんなあ!」と仰いました。
でも、歌を認めてくれました。

今もそのことを思い出すと涙が出るし、
「歌っていっていいんだ…」って思えるんです。

あの時頂いた、音楽をしていく上で
「『お化粧しないこと』が大事」との言葉を
今もよく思い返しています。


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『Suncatcher』

作詞・作曲:辰巳央恵

朝のガラスは炎のように光る
夜のガラスは深い湖のよう

眠い目のすみできらめいたプリズムの虹色
ポケットにつめて 家を出る
東に向かい 走り出す

僕らの正義はいつだって
乾いた笑みにかき消されてしまう

ざわめきの中へ消えてゆく光を
この手でつかまえたいんだ

朝露浴びたクローバー踏みしめて
夜の答をまた白紙に戻すんだ

「音楽は僕を愛してる」 
ひとり歌う声は
大和川沿いの風を切る
バイクの音にまぎれてく

木の葉の騒ぐ声に 心乱されるばかりで
やわらかなものに斬りつける
痛みを重ねて 進めないまま
痛みを抱えて 歩き続ける

僕らの正義はいつだって
向かい風の中に射る矢のようで

あらわれてはすぐ消えてゆく光を
とどめて送りたいんだ
光をとどめて 送りたいんだ

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