大きなカブ@バリラジ編

ストロングおじいさんが、畑に カブのタネを植えた。
カブはどんどん大きくなって、今まで見たこともないような、立派な大きなカブになったので、ストロングおじいさんがカブを抜こうと引っ張ったが、カブは抜けなかった。そこへ午前の黄昏おばあさんがやってきた。
「これが見事に抜けたらおいしいお酒飲みましょうね」
ふたりは力を合わせてカブを抜こうとしたが、カブは抜けなかった。

次に、孫のあんこがやってきた。
「私も手伝うけん」
3人は力を合わせても、やっぱりカブは抜けなかった。
次に親戚のerikaお姉さんがやってきた。
「私も手伝いますよ!」
4人が力を合わせても、やっぱりカブは抜けなかった。
次に、おしゃべりなブタのサクラジマシュオンがやってきた。
「このカブ、千枚漬けの老舗店に売って、儲けはみんなで山分けだ!」
5人が力を合わせても、カブは抜けなかった。
そこへ犬のだうんと猫のはしばしがやってきた。
「僕は得意の口笛で応援します」
「私はアコーディオン を弾いて応援します」
このふたりはまったく役に立たなかった。
次に、黒うさぎのやーまんがやってきました。
「ああ、こういうのって、機械で収穫したらはやいんだけど、
あれですよね、ストーリー的に、みんなで力を合わせてってのが
いいパターンですよね、はい、バリラジバリラジ」
もはや何を言っているのかわからないが、
黒うさぎは親切なのでみんなと一緒に力を合わせて
カブを抜こうとがんばった。それでもカブは抜けなかった。
そこへ村いちばんの力持ちのきのちゃんがやってきた。
「あーみなさん、苦労されてますけどね、
結局あれなんよ、抜くのにはコツがあるんよねぇ。」
きのちゃんはそう言って、ひとりであっという間にカブを抜いてしまった。
ストロングおじいさんは驚いて言った。
「なんという力なんだ!俺たちの今までの苦労は何だったんだ」
黒うさぎのやーまんが答えた。
「ああ、こういうのって、思い出に残りますから、
あれですよね、エピソードトークに使えるっていうか、
まあ、こういう日もありますよ、はい、バリラジバリラジ」

そこへフライパンを持ってフラフラと歩いてきた旅の男がこう言った。
「すみません、そのカブを少し分けてください、
焼きそばの材料にしたいんです。」

ストロングおじいさんが言った。
「少しと言わず全部使ってください。
みんなでカブ入り焼きそばを食べましょう」

口笛やアコーディオン ばかりやっていてちっとも役に立たなかった犬のだうんと猫のはしばしが「賛成」と言った。

こうして、働いたことが無駄になった人も、
働かなかった人も、ひとりで手柄を立てた人も、
分け隔てなく、みんなで仲良く焼きそばを食べたのであった。


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