はしの

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賢い「彼」を眠らせる

雨の音がする。 スマホの脇のボタンを押す。 電源が落ちる。 四角い箱が真っ暗になる。 すると、世界の”ざわめき”が遠のく。 電源をつけている間 四角い彼はよく喋る。…

はしの
20時間前

Run.

はしの
1日前

もじゃもじゃくん

「うるさい、うるさい、うるさい…」 つい数日前は、そんな言葉で胸が溢れていた。 雑音。 まっくろく〇すけみたいな、いやそんな平和的で可愛らしいものではなくもっと…

はしの
2日前

「音」のはなし

音が鳴るような、絵を描きたいと思う。 音が聴こえるような、色を創りたい。 最初にそう感じたのは『星屑パレット』を描いた22歳の日。 水に浮かぶ月の形をした水蓮の花の…

はしの
3日前
1

夏の真ん中の日

入道雲を 描きたいと思った。 わきたつような白い山を、きっと箱根の街でずっと見ていたからだと思う。 実家の庭で蝉が鳴いていた。 まず空を描いた。 緩やかな弧をなぞる…

はしの
4日前

みどり

「よかった」と、最近思う。 桜が散った。一面の若葉。 この季節を、この気持ちで味わうことができて良かったと思う。 会社を辞めた。 実際には有給消化中の今月はまだ在…

はしの
5日前

絵描きと”小さな戦争"

こんにちは、はしのです。お久しぶりです。 カレンダーができました。相変わらず、年末前ぎりぎりでごめんなさい。(苦笑) 去年はやらなかったのですが、今年は、絵をど…

はしの
1年前
1

お天道様の右手

72時間全力疾走。 あなたは、耐えられますか? 突然何の話かと言いますと、私の祖父の話です。 彼は3日間、布団の上で、普通の人が猛ダッシュしている時に比例する心拍…

はしの
3年前
13

レモン色の叱責

そのひまわりには妥協が見当たらなかった。 あの黄色も、あの青も、全て必要から導かれてそこに置かれたのだ。エジソンが電球を発明した時みたいに。 上野国立西洋美術館…

はしの
3年前
4

口の中にムチを持て。

「彼氏彼女」 という呼び方がある。 うちの彼氏が、とか 俺の彼女が、とか。 恋愛対象者の立場を表す意味で使われることが多い。 私はこの言葉に違和感がある。 別に…

はしの
3年前
4

豆粒ほどの非凡さ

とても些細なことが、ひどく胸に残ることがある。 都内に向かう車内。窓際の席に私は座っていた。外は晴れている。 羽のついた虫が、窓に止まっていた。 よく見かける様…

はしの
3年前
5

バカと天才とパプリカと。

「まがり、くねり、はしゃいだみち〜♩」 道ですれ違った 女の子が唄っていた。 “パプリカ 花が咲いたら 晴れた空に種を撒こう” 両の手をつぼみの形に合わせて 胸の前…

はしの
4年前
11

パブと老人

外は雨が降っていた。 野暮用を済ませ駐車場に車を停めた後で、 まだ慣れない運転疲れに、かるく息をつく。 日もすっかり落ちた冬の夜は、 暖房無しではあっという間に冷…

はしの
4年前
11

ツンデレ彼氏との向き合い方

うちの脳🧠さんは困ったもので、   「やらなくてもいいことは出来ないようにする」   という”悪魔的特徴”を持っている。     毎日文章を書くとか、運動をするとか そ…

はしの
4年前
8

冬の朝焼けと餃子ぐつ。

触れる風が、ずいぶん冷たくなった。 吐く息の白さに、子どもたちはもう騒がない。 いつのまにか関東にも、寒さが胡坐をかいたみたいだ。 冬の朝焼けが好きだ。 薄桃色と…

はしの
4年前
4

聞き手は聞き手のプロであれ。

「何か質問ある方いますか」 東京のセミナー会場にて 司会進行の方の声が響いた。 パラパラと手が挙がる。 私は、ちょっぴり後悔した。 休憩時間のうちに、 質問を考え…

はしの
4年前
7
賢い「彼」を眠らせる

賢い「彼」を眠らせる

雨の音がする。

スマホの脇のボタンを押す。
電源が落ちる。
四角い箱が真っ暗になる。
すると、世界の”ざわめき”が遠のく。

電源をつけている間
四角い彼はよく喋る。
白く光るその顔から、絶えず”情報”を喋っている。
その”情報”が持ち主にとって有益か無益かは関係ない。
ひたすら”言葉”を喋り続けることが、彼に与えられた役割なのだ。

彼は、悪じゃない。
とても便利なもの。わたしたちの生活を繋げ

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もじゃもじゃくん

もじゃもじゃくん

「うるさい、うるさい、うるさい…」

つい数日前は、そんな言葉で胸が溢れていた。

雑音。

まっくろく〇すけみたいな、いやそんな平和的で可愛らしいものではなくもっとグロテスクで黒くもじゃもじゃとしたものが、肺の中を駆けずり回っているような。
息がまともにできないような。そういう感覚。

簡単に言えばストレス。
それも(短期的にみれば)あまり良くない方の、ストレス。

ひとつ前の記事で「音」の話を

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「音」のはなし

「音」のはなし

音が鳴るような、絵を描きたいと思う。
音が聴こえるような、色を創りたい。

最初にそう感じたのは『星屑パレット』を描いた22歳の日。
水に浮かぶ月の形をした水蓮の花のような彼らから、音が鳴ったらいいなと思った。

人の話を聞いているとき、
ーーーそれも本当に心から「聴く」ことができているとき(少なくとも自分の雑念を捨てて、自分なりの120%でその方の気持ちに集中できているとき)ーーーは、
お相手の

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夏の真ん中の日

夏の真ん中の日

入道雲を
描きたいと思った。
わきたつような白い山を、きっと箱根の街でずっと見ていたからだと思う。
実家の庭で蝉が鳴いていた。

まず空を描いた。
緩やかな弧をなぞるように筆を引いた。
その上に藍色や群青色をまぜながら、もくもくと白をのせていった。
もくもく、もくもく、もくもく…。
楽しかった。

空の青は画用紙の一面に塗った。
だから海は、最初から海ではなかった気がする。
浅瀬の水の揺らぎはけっ

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みどり

みどり

「よかった」と、最近思う。

桜が散った。一面の若葉。
この季節を、この気持ちで味わうことができて良かったと思う。

会社を辞めた。
実際には有給消化中の今月はまだ在籍しているのだけど。

辞めると決めて伝えてから、心が嘘のように軽くなった。

”人の心の埃は誰がちり取るの”
ある人が唄っていた。

会社を辞めた。
続けるべきだと思った。
でもそれは理性で、本音は違うところにあることはずっとわかっ

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絵描きと”小さな戦争"

こんにちは、はしのです。お久しぶりです。
カレンダーができました。相変わらず、年末前ぎりぎりでごめんなさい。(苦笑)

去年はやらなかったのですが、今年は、絵をどんな思いで描いたのか、少しお話したいなって思っています。絵だけでは伝えきれない部分を、言葉で補い、あなたの生活のちょっとしたスパイスになれたら嬉しいです。

どうして絵を描くの?

いきなり本題です。
この質問以前までは曖昧&大雑把な回答

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お天道様の右手

お天道様の右手

72時間全力疾走。
あなたは、耐えられますか?

突然何の話かと言いますと、私の祖父の話です。

彼は3日間、布団の上で、普通の人が猛ダッシュしている時に比例する心拍数で生き続け、今年の8月下旬、92年の生涯を閉じました。

92歳で72時間耐久レースというと、あの「走れメロス」でも尻込みするんじゃないかなあと思います。

「なんて強い心臓…」と、お医者さんも驚いていました。

強い人でした。

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レモン色の叱責

レモン色の叱責

そのひまわりには妥協が見当たらなかった。

あの黄色も、あの青も、全て必要から導かれてそこに置かれたのだ。エジソンが電球を発明した時みたいに。

上野国立西洋美術館。

フィンセント・ファン・ゴッホの名画の前には人だかりが絶えない。

名前は誰もが知っている。しかし教科書でみたことがあるからといって、わかった気になってはいけない。

実際に足を運んで、本物に触れることでしか得られないものがある。雰

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口の中にムチを持て。

口の中にムチを持て。

「彼氏彼女」

という呼び方がある。

うちの彼氏が、とか
俺の彼女が、とか。

恋愛対象者の立場を表す意味で使われることが多い。

私はこの言葉に違和感がある。

別に忌み嫌っているわけではないし、過去も、そして今も、自分自身恋心を抱きお互いの気持ちが通じ合えた相手を、そう呼んできた。

でも、今も昔もこの言葉を、積極的に使いたくはないと思っている。
なぜか。

そんな話を今日はしたい。

彼氏

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豆粒ほどの非凡さ

豆粒ほどの非凡さ

とても些細なことが、ひどく胸に残ることがある。

都内に向かう車内。窓際の席に私は座っていた。外は晴れている。
羽のついた虫が、窓に止まっていた。

よく見かける様な豆粒ほどもない大きさの羽虫だ。

それはちょうど私の視線の先にいて、邪魔に思ったので右手で軽く振り払った。

虫は大儀そうに飛び、少し横の窓の壁に落ち着いた。

数分後、彼は死んだ。

彼なのか彼女なのかわからないが、ふと目をやったら

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バカと天才とパプリカと。

バカと天才とパプリカと。

「まがり、くねり、はしゃいだみち〜♩」

道ですれ違った
女の子が唄っていた。

“パプリカ
花が咲いたら
晴れた空に種を撒こう”

両の手をつぼみの形に合わせて
胸の前でパッと開く。

妹たちの影響もあって
何度もその踊りを見ていると
覚えるともなく覚えてしまう。

ここまで人の生活に染みつく作品を創れるというのは、やっぱりすごいなと作者の人を思う。

そりゃあもちろん、短期間で大規模な影響を起

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パブと老人

パブと老人

外は雨が降っていた。

野暮用を済ませ駐車場に車を停めた後で、
まだ慣れない運転疲れに、かるく息をつく。

日もすっかり落ちた冬の夜は、
暖房無しではあっという間に冷えてしまうから
はやく家に戻らないとと思う。

―――反面、もう少しここにいたい。
そんな気持ちに駆られる。

ちょっと薄暗くて、この狭い車内に。
窓の向こうで、街の灯りが揺れていた。

人間という動物の習性だろうか。
それとも幼いこ

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ツンデレ彼氏との向き合い方

ツンデレ彼氏との向き合い方

うちの脳🧠さんは困ったもので、
 
「やらなくてもいいことは出来ないようにする」
 
という”悪魔的特徴”を持っている。
 
 
毎日文章を書くとか、運動をするとか
それは脳さんからしたら
莫大なエネルギーが必要だから
“やって欲しくないこと”と思っているらしい。
 
 
だから、あえてエネルギー負荷を大きくしたり
わざとモチベーションが下がる理由を作ったりして、必死にやらせないようにする。
 

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冬の朝焼けと餃子ぐつ。

冬の朝焼けと餃子ぐつ。

触れる風が、ずいぶん冷たくなった。
吐く息の白さに、子どもたちはもう騒がない。
いつのまにか関東にも、寒さが胡坐をかいたみたいだ。

冬の朝焼けが好きだ。
薄桃色と、赤っぽいオレンジが白い雲に溶けていく。

たとえば誰かが隣にいたとして、彼(彼女?)は同じ色を見ているのだろうか。
そんなことを、今朝ふと思った。

薄桃色を見せずに薄桃色を説明することは難しい。

そして目を交換することはできないか

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聞き手は聞き手のプロであれ。

聞き手は聞き手のプロであれ。

「何か質問ある方いますか」

東京のセミナー会場にて
司会進行の方の声が響いた。

パラパラと手が挙がる。

私は、ちょっぴり後悔した。
休憩時間のうちに、
質問を考えておけばよかった...と。

会場には250名近くの参加者がいた。
壇上には講師が3人立っていた。

こういう対多数のセミナーに来ると
質問する人は全体の2割にも満たない。

そういう場面を見ると、
パレート(2:8)の法則を考えさ

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