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料理の数少ないこだわり

私は料理を、することがそんなに好きではない。一人暮らしの金欠時代は卵じゃが、卵丼、生卵納豆かけごはんが得意料理だった。

結婚後、料理の本を見ながら少しずつ料理のレパートリーが増えていった。3人の子ども達にはたくさんの料理を作った。仕事から帰ると「橋本食堂」が開店する。家族が食べたいメニューを聞く。家にある食材で作れる可能性があるなら作る。もちろん今日はカレーライスという日もある。家族の為なら料理を作ることは嫌ではなかった。

子ども達が家からいなくなり、料理を作る回数が減った。子ども達がいなくなったら夫がお昼の弁当を作り始めた。時間はかかるが彼なりに頑張っているから良いことだと思う。最近夫が野菜のみじん切り器とゆで卵製造器を買ってきた。ハンバーグを作る時の玉ねぎのみじん切りに使ったり、ゆで卵に使っている。

私は玉ねぎのみじん切りは涙が溢れても包丁で切りたいし、ゆで卵は鍋で転がしながら茹でたい。やはり自分の指や手を使うことで愛が少しずつ食材に込められる気がするからだ。

最近毎日のように、ゆで卵製造器のゆで卵を食べている。言われなければ鍋で転がしながら茹でた卵と違いは分からないかもしれない。しかし多分私は死ぬまでゆで卵製造器も野菜みじん切り器も使わない。病気には手当てが良いと言われるみたいに料理も手を使って作るのが良いと信じている。

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