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産後の恐怖体験

長男を出産した後1ヶ月ほど里帰りしはた。帝王切開だったためか体力がなく長男の世話だけで精一杯だった。父から「乳牛なら一等級じゃ!」と言われるほど母乳は有り余るほど出て長男はぽちゃぽちゃに大きくなった。
ある日お風呂に入り体を洗っていたらアソコから何かが顔をのぞかしていた。あれ?何だろうと指で引っ張ってみた。ずるずると何かが出てきてずるずるが止まらない。ものすごい恐怖におののいたがやり始めたことは最後までやり通さないと終わらない。勇気を出して最後まで引っ張り出した。大きさは中くらいのレジ袋くらいだっただろうか。半透明の袋状のものがお風呂場のタイルの上に横たわっていた。私はその時子宮が出てきたに違いないと確信した。もう産めない体になってしまったと落胆した。恐ろしすぎて両親に相談できず水洗トイレではない実家のトイレにその大きな袋状の物体を捨てた。
その夜実家にあった家庭の医学を読み、産後の異常な症状について調べた。すると自然分娩の場合、排出できなかった卵膜が産後出てくることがあると書いてあった。自分は帝王切開だがもしかするとアレは子宮ではなく卵膜だったのかもしれないと希望が出てきた。翌日病院に電話をかけて看護師に事情を説明した。看護師は「ああ卵膜が残ってたんですね。よくあるんですよ」と明るい声で答えた。まだ若かった私はホッとして文句も言わずに電話を切った。
その後長女、次男も帝王切開で出産した。手術前には必ず医者に卵膜は残さずに取り除くよう強く念を押したことは言うまでもない。


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