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居眠りぐらぐら体質

子供の頃から座ったまま居眠りをすると人一倍上半身がぐらぐら揺れる体質だ。小さい頃祖母とバスでお出かけした時、祖母が後ろの席から私の頭を両手で持ってくれていた。バスを降りて「典子の頭があんまりぐらぐらするから首が変になると心配だった」と笑っていた。大きくなるとひとりでバスに乗るようになった。頭を持ってくれる人もおらず、ぐらぐらする頭を窓ガラスに打ち付け、周りに恥ずかしいくらいゴーン!という大きな音を響かせた。もちろん学校でも居眠りをすると椅子から落ちるくらいぐらぐらと私の上半身が揺れ、同級生や先生に笑われた。
大人になっても居眠りぐらぐら体質は一向に治らなかった。大体居眠りするのは、午後開催される講演会だ。面白い講演なら眠らずに聴くが、結構面白くない講演は多い。出来るだけぐらぐらする姿を見られたくないので、講演会場の後ろの席に座るようにしている。
東京で開催された研修会に参加した日は珍しく早めに会場に到着した。一番後ろの席
が空いていたので喜んで座った。研修が始まった。面白くない研修内容だった。
突然自分の体が大きく傾き椅子から落ちる!と思った瞬間、私は隣の男性にしがみついていた。その時の男性の驚いた顔は一生忘れられない。驚いた顔を絵に描いたような顔だった。私は心臓が飛び出しそうなくらいドキドキして謝ったかどうかも覚えていない。その後は全く眠気がおきなかった。研修が終わり隣の男性に話しかける勇気も出なかった。

彼も研修中変な女に抱きつかれた話を誰かに話したりしてるんだろうか?それで彼が笑いをとれているなら私も凄く嬉しい。


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