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仮性近視と秘密基地

小学6年生の春、視力検査で仮性近視と診断された。眼鏡をかけるのが嫌だったので自己流の目の体操を始めた。
家から少し離れた場所に私だけの秘密基地があった。毎日学校から帰るとその秘密基地に行き目の体操をするのが日課になった。秘密基地は竹藪を抜けると急に景色が開け、崖の下には川が見える場所にあった。崖にひとり腰掛け美しい空や山々を飽きることなく眺めていた。
3ヶ月後視力の再検査をしたら正常の視力に回復していた。
結局中学生になり完全な近視になり眼鏡をかけることになった。秘密基地には行かなくなった。
大人になり一度秘密基地に行ったことがある。美しい空や山々は変わらずあったが少し眺めたら満足し秘密基地を後にした。
今もう一度秘密基地に辿り着くことができるだろうか。自信はないが今度帰省したら探してみようと思う。

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