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008|背負ったぶんだけ、つよくなれた

あけましておめでとうございます! 福島ファイヤーボンズ・橋本尚明です!

2022年が始まりました! 1日、2日の試合、しっかり勝ててよかったです!

12月中旬くらいから黒星が先行していたので、空気を変えたかったところでした。

年始のご多用の中、応援に駆けつけてくださった皆様、ありがとうございます! 

まだまだ調子上げていくので、引き続き、どうぞ、よろしくお願いします!

さて、いよいよシーズンは中盤戦に突入します。

最終的な順位が見え始める時期ですから、これまで以上にひとつのプレー、ひとつのゲームに緊張感が走ります。

ミスや失敗に必要以上に責任を感じ、落ち込んでしまうことも出てくるかもしれません。

後ろ向きな気持ちも時には受けとめる必要がありますが、それが続いてしまうといけません。

第2話では、対策の一つとして「整理整頓」を挙げました。

身の回りを整理することで、今、自分が取り巻く環境の全体像を浮かび上がらせ、冷静さを保つというアプローチです。

まだ自分の経験が浅い頃、先輩から教えていただいた大切な教えなので、今でも忠実に守っています。

そして今回はこれとは別のアプローチを試みます。それは「原点を振り返る」ということ。

自分がなぜ、プロのバスケ選手になれたのか。いや、プロにさせてもらえたのか。

初心をもう一度、思い出すことで、自分らしさを保ちます。よろしければ、ご一読ください!

本編

プロになりたいと初めて思ったのは、大学4年の就職活動が始まった時です。

志の大きな、前向きな意思決定に見えるのですが、実は少し後ろめたい気持ちもありました。

ネクタイをして、スーツをビシッと来て、営業したりする世界に勇気を持って飛び込めなかったんです。

コンビニや居酒屋、焼肉店など、学生時代のアルバイトも、どこもしっくり来ない。

「ダメだ・・・自分にはバスケしかない」

バスケの仕事がしたいというよりも、バスケを必死にやることくらいしか誰かを喜ばせるイメージができなかったんです。

実際、あるBリーグチームの練習に参加させてもらった時、周囲のプレーを見て

「死ぬ気でやれば、行けなくもないかも」

という手応えを持ちました。

将来の自分を考えながら学生生活を送りつづけ、アルバイトでダンボールを運んでいた時にそれは起きました。

勢いよく震えるケータイ。あるチームからのオファーでした。

アルバイトの現場では必要とされず、ビジネスの世界には尻込みしたぼくが、バスケの世界では必要としてくれる人がいる。

新しい道への扉が開いたワクワク感がありました。

しかし、当時はBリーグの前身、BJリーグ、JBLの時代です。

いざ、プロになることが決まっても

「なおさん、本当に行くの?」「食べていけるの?」

などなど、いろんな方々か、ご心配の声をいただきました。

そして一方、その声と同じくらい、応援してくださる方々の声も届いていました。

でも、ぼくにはこれしかなかった。

そして今は、この仕事を全うする責任があるとさえ考えています。

ここで少し、兄の話をさせてください。

兄は今、ビジネスの第一線で活躍しています。

自分と同じように一生懸命、バスケをやっていて、その力をビジネスの世界に生かして活躍している姿が、当時から眩しかった。

四六時中、仕事のことを考えて、知恵を絞って、社会に影響力をつくるなんてスゴい。

でも、そんな兄は、実はプロのバスケ選手になりたかったんです

彼がぼくを夢中に応援してくれているのは、血の繋がった弟であることに加え、自分が挑みたかった世界で活躍しているところにあります。

兄を見てバスケを始めたし、彼が誰にも負けたくない気持ちを持って練習していたのも知っています。

だから、プロのバスケットボールプレイヤーとして活躍できなかったことにすごく悔しい気持ちを抱いているんだろうなと思いました。

ここでぼくが感じたのは、今、自分がたたかっている場所は、自分以外の誰かがたたかいたかった場所なんだということです。

ぼくより才能がある選手が、怪我や、いろんな事情でプロを断念したり、また、プロになっても短い期間で引退する様子を何度も目の当たりにしました。

ファンのみなさんの気持ち。家族の気持ち。

それだけじゃない、もっとたくさんの人の気持ちをぼくらは背負いながら、大声援であふれるあのコートに立てている。

だから、どんなに追い詰められたって、うまく行かないことが続いたって、

「だいじょうぶ、まだ、たたかえる」

と、自分に言い聞かせます。この仕事が、やりたくてもできなかった人のために。

みなさんにはどんな物語がありますか。

初心を取り巻くお話、もしよかったら教えてください!

さあ、今年もたくさんの活躍をしていきましょう。ぼくはBリーグの、このコートの中で最高の仕事をします。

本年も福島ファイヤーボンズ・橋本尚明をよろしくお願いいたします。

【PROFILE】

橋本尚明(はしもとなおあき)

ツイッター/https://twitter.com/hashimotonaoaki
インスタグラム/https://www.instagram.com/aaa16ccc/?hl=ja

1992年、愛媛県松山市生まれ。大学在籍時は新人戦にて最優秀選手賞とアシスト王を獲得。その他、西日本選手権、関西学生選手権で優勝を経験し、関西学生選手権と関西学生リーグ戦では優秀選手賞を受賞するなど実績を積む。

その後、2015年に大阪エヴェッサと契約。主力選手として活躍。プレーオフにも出場。2017年、富山グラウジーズへ移籍。主にシックスマンとして、チームのB1残留に貢献した。

2018年には横浜ビー・コルセアーズへの移籍。アメリカの伝統的スポーツ用品メーカー・スポルディングと、ブランドアドバイザー契約を締結。

2021年、島根スサノオマジックへ移籍するもシーズン中盤に故障により離脱。現在は福島ファイヤーボンズと契約。

福島ファイヤーボンズの詳しい情報はこちらから!

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