生活保護のNさんが慶應卒25才女子と結婚できた理由

 私を熱心に支持してくれるNさんは生活保護受給中の48才。肥満でハゲていますし、前歯がありません。精神障害者手帳をもっています。でも最近、「慶應卒25才女性、元東証一部上場企業勤務の方と結婚しました」と報告をしてくれました。

一体どうやって結婚したのでしょうか。Nさんは毎回面白いメッセージを送ってくれるので、話の楽しい方だと思いますが、さすがに話が面白いだけでは難しい結婚をされたので、私は詳細を聞いてみました。

Nさんはもともと、中堅証券会社に勤めていましたが、うつ病を発症して退社、奥さんがいましたが子供はおらず、離婚して現在生活保護を受給しています。趣味は、裁判の傍聴。毎日、東京地裁に足を運んで、様々な刑事事件をウォッチするのが趣味の方です。

ある日、Nさんは気づきました。「株というのは何らかの原因で下落したときに買うのが一番いい。下落は精神的な問題、社長が不倫したとか、捕まったとかということでも下がるが、会社の持つ特許や不動産が変わるわけではない。これを結婚にも応用できないだろうか?」と。

そこでNさんは、覚醒剤で逮捕された女性の名前を東京地裁一階にある「刑事事件開廷名簿」から探しました。この名簿には、当日開廷される裁判の事件名「覚せい剤取締法違反被告事件」と「被告人名」が記載されてあります。

そこで、生活保護受給中で暇だったNさんは、来る日も来る日も「若くてかわいい女の子が覚せい剤で逮捕されて起訴されている日」を待ち続けたのでした。

そんなある日、Nさん好みの若い女性が覚せい剤で捕まって裁判を受けているのをみつけました。その女性は二回目の逮捕であり、しかも執行猶予中の覚せい剤使用であったため、刑務所に入ることが決まっていました。

Nさんは早速、東京拘置所にその女性の名前宛で手紙と切手を貼った返信用封筒を送りました。最初は返事が来なかったようですが、ずっと送り続けていると、女性から返事があり、Nさんは「偶然自分の民事裁判で地裁にいっているときにあなたをみかけた。心配です」と女性をいたわる手紙を出し、また実際に東京拘置所に面会に行き、面会者から差し入れてもらった場合でしか食べれないお菓子(キットカットなど)を差し入れ続けました。

女性が刑務所に移送されても、手紙のやり取りは続き、ついに刑事施設収容中に女性はNさんと獄中結婚をしたのです。結婚したほうが、社会に身元引受先があるということで仮釈放も早くもらえる確率が高い、とのことでした。

Nさんは「別に前科者になっても学歴やTOEICのスコアがなくなるわけではないし、美人な顔が変わるわけでない。というか前科って刑の執行を終えてから十年経ったら法律上なかったことになるし」と言います。確かにその通りですね。

Nさんはいまとても幸せそうです。女性はその後再就職し、Nさんは生活保護受給者ではなくなりました。相変わらず働いていないそうですが・・。

この話を私がノートに書いたのは、恋愛とは「市場価値」によって成立するということを伝えたかったからです。恋愛市場に通貨は無く、物々交換です。なので、なかなか取引が成立しません。従って、自由恋愛市場では少子化が起きやすい。

でも、「市場価値を見極める力」があれば、Nさんのように、ふた回りも年下の女性と結婚できるのです。「東京拘置所」という刑事施設に入った女性の精神状態に共感し、孤独で頼れる人が誰もいない状態を想像し、アプローチをしたのです。

Nさんの場合は極端ですが、「進学・就職のため上京したが寂しい」とか「彼氏と別れたばかり」とか「親が離婚したばかり」といった女性も、ねらい目かもしれませんね。

「自分の価値に見合った相手」である以上、一夫一婦制は成立します。そんなNさんのエピソードを今日は紹介させていただきました。特に深い意味はありません。

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元受刑者の慶應卒26才女子にきいた話

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