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第二回目〜最近〜

橋本絵莉子

「最近」



こんばんは。
みなさん無事ですか?
私は無事です。

最近どうですか?
私は、この世で一番好きな季節、秋がきて、とても嬉しいです。
今年も夏との戦いに勝利したということです。
この間、ようやくアルバムのマスタリングが終わり、年内のリリースを目指していろんな準備をしてもらっています。もうしばらくのんびりと待っていてください。ちょうど忘れた頃に発売されるでしょう。

さて、去年から続いてきた自粛生活。
もともと家の中にいるのが好きな私でも、たぬきちの散歩で外に出ると、あー! と思います。
というわけで今日は「たぬきち」の話をします。
たぬきちは、去年末から一緒に暮らしている、犬です。
野良育ちの、6歳くらいの、オスです。
保護犬センターで出会い、5回くらい会いにいき、引き取ることにしました。

センターから家に向かう車の中では、どこに連れて行かれるか分からない不安で暴れまくってリードを噛みちぎり(一度も散歩に行かず二本目を購入)。
家に着いたら、出口を探して家中をかけまわりつつ、トイレしまくり。
玄関からしか外に出られないと分かった後は、クレートに閉じこもりっぱなし。
ちょっと近くを通るだけで、クレートの奥で頭を下げて、上目遣いで震えながら、こっちの様子を見ていました。
初めて会った日も、この、ジェリーにコテンパにされたトムみたいな目つきをしていて、なんて大変な犬を引き取ってしまったんだと、呆然としました。
散歩に出かけても、壁沿いにしか歩くことができず、常に誰かに狙われている危険性を感じている歩き方でした。私が枯葉を踏む音にまでいちいちびっくりするのです。公園のようなだだっ広い場所にとどまることができず、震えながら、どこかに隠れられる場所はないかと、藪を探すのでした。
家に来て二日目、散歩後のたぬきちの足を拭いていたら、左足の指が一本ないことに気づき、一体今までどんな犬生を駆け抜けてきたんだろうと驚きました。

あれから10ヶ月。

もう別の犬です。

クレートを卒業し、
目覚ましが鳴っただけで「朝や!!」と大喜びし、
ゴミ出しに行ってきただけで「どこ行ってたん!?」と大喜びし、
買い物に行ってきただけで「無事帰ってきた!!」と大喜びし、
家の中のいろんな場所で昼寝をし、
出発予定4、5時間前から散歩を待ち、
大暴れして嫌がった車には進んで飛び乗り、
留守番中は私のカバンを噛みちぎり、
お風呂から出ただけで「さあ、夜食ください!!」と大喜びし、
歯磨きの順番を待ち、
寝る部屋のドアを開けると直行し、
「ここで寝ていい?」と、布団のはじっこで眠ります。

こんな変わる?
もし今たぬきちが野良同級生に再会したら、間違いなく「お前変わってもうたな」と言われるでしょう。
たぬきちが来たすぐの時からお世話になっている動物病院の先生にも「たぬきちくん、太りましたね」と言われるほど、かつてガリガリだったたぬきちの面影はなくなりました。
いろんな言葉を話しかけても、「ちょっと何言ってるか」という顔でそっぽを向いていたのに、今は、どうやら人間が発する声には意味があるらしいと、気づいています(お手と待てと伏せができるようになりました)。
でも、出会ってから今まで変わらないところが2つあります。
それは、人を噛もうとしないところと、臆病な性格です。
きっと元から、痛みがわかる、優しい犬なんだと思います。
体重には気をつけながら、これからも思いきり甘やかしていきたいと思います。

そして私は、たぬきちをなでるたびに、ビギン(※)に会いたくなるのです。

今回はこの辺で。
次回はアルバム周辺のことでも書いてみます。
それでは。
おやすみなさい。


※ビギンとは、実家の柴犬。黒柴。今年12歳になる食いしん坊女子。特技は盗み食い。人の目を盗んで食べる餃子(三連)は、格別だそうです。
昔、実家でカルタをしていた時、「い」のカルタがどこを探しても見つからず、もうないね、と諦めかけたその時、横に座っていたビギンがスッと立ち上がりました。するとビギンの下から、「い」のカルタが出てきたのです。
そのカルタの読み札は、「いつもお腹が空いている」でした。
本当の話です。