たぬきちとビギン

橋本絵莉子

春休みに、徳島に帰った時の話を書きます。
今回の帰省は、たぬきちも一緒でした。たぬきち、初SA、初徳島で、ビギン(実家の黒柴)と初対面です。

さて、もう結論から言うと、たぬきちとビギン、仲、悪。
というか、ビギンが、たぬきちに、すぐ怒る。
自分以外の犬に自分の家に入ってこられるのが初めてで、相当嫌だったんでしょうねビギンは。玄関での初めましての時点で、ビギンの尻尾は、ゆらゆら。喜んでいる時の振り方じゃなく、ゆっくりのゆらゆらです。「お前、どこのどいつじゃ」と。「なんでえっちゃんと帰ってきたんじゃ」と。たぬきちのおしりの匂いを嗅いで、その勢いのまま背中に噛みつこうとします。実際、たぬきちの背中の皮が、少し上に持ち上がったのをこの目で見ました。その瞬間、大の大人3〜4名がいっせいに、「わー! あかーん! ビギン! 噛んだらあかんよ!」

一方のたぬきちはというと、保護施設に4年ほどいた経験があるからか、犬と過ごすことに慣れていて、というか自分に対して威嚇してくる犬との距離の保ち方を知っているみたいで、私たち人間ほどは、あわてていませんでした。ビギンにしてみたら、その余裕さえ腹立つポイントだったんだろうなと思います。
だから、家についたら、たぬきちはしばらく部屋の隅っこでおびえているんだろうなと想像していたのに、すぐにビギンがいつもくつろぐソファーに座った時は、びっくりしました。その時のビギンの顔といったらもう。「...!」という、声にならないてんてんてんが、犬にもあるんじゃと、知りました。たぬきちは、思ったより、たくましい犬でした。
たぬきちは、私が朝起きてきたり、お風呂から上がったりするだけで大喜びしてくれるのだけど、その感じも、ビギン的には「はぁ?」だったんでしょうね、喜ぶたぬきちに怒ってましたよ、いちいち喜ぶなと。

そんなこんなで、徳島にいた間中、たぬきちとビギンを二人っきりにしないようにしました。何があるかわかったもんじゃない。

私は、ビギンと二人で散歩にも行けました。二人で行くのは、何年ぶりだろう。とにかくめちゃくちゃ久しぶりで、桜が綺麗で、すごい幸せだった。ビギンの跳ねるような歩き方も、ビスケットが欲しいとすぐお座りするところも、おしっこの跡を土で隠そうとするところも、ぜんぜん変わってなくて、でも歩くスピードが少し遅くなっていて、切なくなりました。長生きしてくれ。なんでもするから。

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これにこりずに、たぬきちを連れて、また帰ろうと思います。
ビギンは、もうこりごりだろうけど。

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ではまた。