デュエルマスターズにおける有料記事の是非~WotC社のファンコンテンツ・ポリシーという観点から~

 この記事はファンコンテンツ・ポリシーに沿った非公式のファンコンテンツです。ウィザーズ社の認可/許諾は得ていません。題材の一部に、ウィザーズ・オブ・ザ・コースト社の財産を含んでいます。©Wizards of the Coast LLC.

 昨日あたりからnoteの有料記事が話題になっているらしいです。そこで私が気になったのは「今更ながらデュエルマスターズの有料記事ってそもそも書いていいの?」ってことです。というのも,私が少しだけかじってるシャドウバースではこのようなガイドラインが公開されています。

2019年10月1日より、「Shadowverse」に関する収益を目的としたデジタルコンテンツの投稿について、以下のプラットフォームでの投稿に限り、著作権侵害を主張せず、またShadowverse利用規約違反としないことといたしました。
・「note」(note株式会社運営)

 シャドウバースの利用規約に以下のような記述があります。

第十二条 禁止事項
1.お客様は、本サービスの内外を問わず、本サービスに関して、以下の行為を行なってはなりません。また、そのような行為を第三者に対して指示、教唆、強要することを禁止します。
(4)当社または第三者の著作権、パブリシティ権その他の知的財産権、肖像権その他の人格権ならびに所有権その他の財産権を侵害する行為。

 note公式のツイートに「他プレイヤーへの知力共有を目的に、攻略法などの有料記事販売をnoteでの投稿に限り認めていただくことになりました。」とあるように,noteの有料記事であればシャドウバース公式が権利侵害を主張することはないという内容です。このガイドラインを受けて,シャドウバースのプロプレイヤーをはじめ,多くの人が有料記事を公開する流れが生まれました(正確にはその前から有料記事は存在していましたが,このときから大手を振って有料記事を売れるようになったということです)。


 話をデュエルマスターズに戻します。デュエルマスターズにおいて,このようなガイドラインは公式ホームページにもTwitterにも確認できませんでした。私が発見できなかったわけではなく,多分存在していないと思います。そこで,デュエルマスターズのテキストやイラストを管理している(と私が認識している)ウィザーズ・オブ・ザ・コーストに何らかの規約が存在するのではないかと思って調べました。正直ウィザーズはこういったことに後進的なイメージがあったのであまり期待していなかったのですが,それっぽいワードで検索したら簡単に出てきました。ここからが今回の記事の本題です。

 ファンコンテンツ・ポリシーではユーザーがファンコンテンツを扱うための7つのルールが提示されています。記事を書くにあたって特に重要そうな箇所を抜粋しました。

1.一言で: フ リ ー。
 ファンコンテンツを創造してコミュニティにシェアする際にウィザーズ社のIPをフリーに使用することができます(#3に列記された例外があります)。フリーとはどういうことかというとフ リ ーということです。
・あなたのファンコンテンツにアクセスする際に、金銭の支払い、まとめや調査、定期購読への加入、電子メールの登録などを要求することはできません。
・いかなる第三者にも、どのような形態の報酬であろうとも、あなたのファンコンテンツを売ったり使用許諾を与えたりはできません。
・あなたのファンコンテンツは、他者(ウィザーズ社を含む)が、視聴したり、アクセスしたり、シェアしたり、使用する際には、あらゆる支払い、あなたからの許可、クレジット表記を必要としないものでなければなりません。
 しかしながら、コミュニティがあなたのファンコンテンツにアクセスすることを妨げない限り、スポンサー契約や広告収入、寄付などを通して利益を得ることが可能です。
2.コミュニティに非公式のものであると伝える
 あなたのファンコンテンツが、ウィザーズ社の承認や後援のもとにはない事、つまり、非公式のものである事を明確にしてください。どうか、あなたのファンコンテンツに以下の内容を説明する注意書きを含むようにお願いします。
"[あなたのファンコンテンツの題名] はファンコンテンツ・ポリシーに沿った非公式のファンコンテンツです。ウィザーズ社の認可/許諾は得ていません。題材の一部に、ウィザーズ・オブ・ザ・コースト社の財産を含んでいます。©Wizards of the Coast LLC."

 この文章の要点は3つです。

①購入者しか読めない形式である有料記事や,動画サイトのメンバー限定配信などでウィザーズのIPを使用することは禁止されている。

②誰もが閲覧できる形式であれば,投げ銭や広告収入,スポンサー契約で収入を得ることは認められている。

③記事や動画などの創作物には必ず"〇〇はファンコンテンツ・ポリシーに沿った非公式のファンコンテンツです。ウィザーズ社の認可/許諾は得ていません。題材の一部に、ウィザーズ・オブ・ザ・コースト社の財産を含んでいます。©Wizards of the Coast LLC."と示さなければいけない。

 さっきからIPIPってなんだよってなってる人がいるかもしれないので説明しますが,IPとは”知的財産”のことです。ウィザーズはIPを

よくある質問
で、ウィザーズ社のIPって正確にはなに?
ウィザーズ社のIPは、カード、クリーチャー、書籍、ゲーム、ゲームプレイ、画像、物語、ロゴ、アニメーション、アートワーク、プロット、場所、歴史、キャラクター、グラフィック、ファイル、文章、その他、ウィザーズ・オブ・ザ・コースト社によって発行された素材のことです。

と定義しています。さらに

よくある質問
ウィザーズ社のIPを全て使うことができるのですか?
残念ながら違います。ウィザーズ社の特許、ゲームのメカニズム(D&D Open Game Licenseに基づいて作成されたものは除きます)、ロゴ、商標を、私たちの事前の許可なくあなたのファンコンテンツに使用することはできません。以下に、ウィザーズ社に問い合わせが多い商標とロゴを列挙しておきます。これらをファンコンテンツに含むことはできません。

の項目にデュエルマスターズのロゴが含まれているため,ウィザーズ社がデュエルマスターズに対してIPを主張していることは明確なので,このファンコンテンツ・ポリシーはデュエルマスターズにも適応されると考えられます。

 カードの話をしないでデュエルマスターズの記事を書くことはどう考えても不可能なので,デュエルマスターズに関する記事を書く場合はこのルールに縛られることになります。


 とりあえず,自分が今まで書いてきた記事は全て投げ銭形式もしくは無料なので,ポリシーに違反していないようで安心しました。しかしながら許諾を得ていない云々の文章については書いていないのでこれからは気を付けなければなりません。

 ファンコンテンツ・ポリシーでひとつ気になることがあります。それは

最終更新日:2017年11月15日

古い......

このポリシーを書いた当初と現在では状況が異なっていると思うので,このルールを貫くのか,それとも改定するのか,ウィザーズの判断が求められていると感じます。

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