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数年前に、お金を集めてお遍路回った話

はじめに

42東京のアドベントカレンダー"42tokyo Advent Calendar 2020" の24日目の投稿です。

テックな内容じゃないカレンダーが個人的に好きだったので、その方針に合わせてみました。アドベントカレンダーのポケモンの話がとても好きです。

zapierって数年前に比べて力強くなりすぎてて(postgreSQLとか使える)、便利を超えてちょっと怖いって記事を書こうと思っていたのですが、「zapier」とGoogleで調べたらいっぱいいい記事があったので昔にやったお遍路について書きます。

お遍路はいいぞ と伝えられたらこの記事の目的は果たせたこととします。

※ご注意ください
ここから先、人様からお金をもらいその金でお遍路を周るというご利益すれすれの過去について記載があります。気分を害される可能性ありますので自己責任でお願いします。

(改めて)はじめに

インターネットでお金を集めてお遍路に行った話をします。

・4年前、クラウドファンディングに魅せられたきっかけ
・お金集めとデザインをボロクソフィードバックを受けた話
・お遍路のおもしろさ

こんなところについて書いてみたいと思いますので、
ぜひお付き合いください。

そもそもお遍路とは

まず、お遍路の説明をします。
お遍路とは、四国にある88カ所のお寺を巡礼することを指します。四国以外にも回るところはあるのですが、一番ポピュラーなのが四国88カ所巡りです。

諸説ありますが、弘法大師が開いた四国の寺々を弟子が巡ったことが始まりで、巡っているうちに煩悩等が消えていく、と言われてます。


...お寺を巡るだけで煩悩が消える?と思いますよね。
以下の地図をご覧ください。

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これが88ヶ所のお寺の配置図です。

絶妙に四国の縁に満遍なく配置されているのがわかりますか? 

これを徒歩お参りしていたのが昔のお遍路です。
総歩行距離1200km程度、埼玉県3周分。

そりゃ煩悩も消えます。

お遍路は現代でも、白装束を来てお参りするのですが、それは、死と隣合わせの巡礼でいつ死んでもいいように装束を来ていた名残と言われてます。

-現代-いろんな「〇〇お遍路」

とはいえ、現代に入るとお遍路の楽しみ方も変わり、
今や、「マイカーお遍路」「バスお遍路」「タクシーお遍路」などいろいろな型でお遍路を楽しめます。

〇〇お遍路氾濫しすぎてて、ご利益薄れるんじゃないのかなと、お寺の人に気になって聞いたところ、

「お参りにくる気持ちが大事だから、ご利益は変わらないよ」

とのことでした。仏様は本当に寛大ですね。😇


お遍路にいくきっかけ お金集めで自己表現

お遍路を知ってもらったところで、話を戻します。

当初はお遍路に行く予定もありませんでした。

きっかけはこのクラウドファンディングを見た時でした。

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「iphone6を洗濯してしまったので、修理代金を集めたい...」
目標金額は37,000円。

Twitterでふと心に引っかかって開いたプロジェクトページの支援金額の欄が数分で2万円増えました。

TEDの有名動画のファーストフォロワーがついた瞬間のようでした。

どんどん金額が上がっていきワクワクしてしまって、自分も乗っかりたい!乗っからないと恥ずかしい、そう思って5000円寄付しました。

あっという間に58,000円集まり終了。

人の携帯の修理代金を出したことなんてなかったし、それも見ず知らずのひと。しかも予定金額よりも全然集まりすぎちゃってる。

けれどもなんだか楽しい。


...自分もやりたい。

自己表現という文脈で(当時の人はそんなつもりじゃないかもしれないけれど)お金集めをしていて、いいなあいいなあ自分もやってみたい!とムンムンになっていきました。

やりたかったので、自分もやってみた

という経緯で、
4年前の2016年にクラウドファンディングをしたのがお遍路のきっかけ。

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当時、私は大学中退して寿司屋修行に入って挫折し、挫折続きで心を癒すために激安シェアハウスでモンスターハンターをやる生活を続ける青年で、

お金を集めるネタがこれっきりもありませんでした。

そこで絞り出した自分の要素が「ゆとり」。

みなさん「究極のゆとり世代」という言葉をご存知でしょうか。
これは、1995年生まれの日本の教育を受けてきた世代を指します。

小学校入学と共にゆとり教育が始まり、一個下の世代から脱ゆとり教育が始まるという最初にして最後のどっぷりゆとり教育に浸かった世代とされているのです。

自信のない当時の自分から絞りだされたものは、ゆとり、それしかありませんでした。笑

「ゆとりでどうやってお金を集めようか...。ゆとりが悟ったらどうだろう」

あまりにも短絡的な思考ですが、これで行こうと決めて

ゆとり -> さとり -> 修行 -> お遍路

こうやってお遍路にいくことを決めました。 
そしてクラウドファンディングのページを作成して、以下の説明を加えました。

▼なぜお遍路なのか?
ぼくにもわかりません。理由はまだ分かりません。
なぜお遍路に行きたくなったのか
なぜゆとりが四国八十八箇所に惹かれたのか、
人生にまよっているからなのか、
社会からまだ離れていたいからなのか、わからないです。

ただ、行きたいことだけは、たしかです。
行きたい理由を知るために、
行った先になにがあるのかを知るために
ゆとりの聖地になるかもしれないお遍路に
ぼくを行かせて欲しいのです。

最初は、もっともらしい理由を書いていたのですが、campfireの方に、正直に書いた方がいいですよと、ストレートにフィードバックを受けてもっと正直に書きました。

こう続きます。

▼1人で行くなら行かない
このプロジェクトが成功しなかったら、
ぼくはお遍路には行きません。
あくまで
クラウドファンディングでお遍路に行きたいです。
 
1人で行くのはこわいです。 
誰かに見守っていて欲しい。
 
完全ゆとり世代が
絵に描いたように大学を中退、
見事にその後の就職も
自分の弱さで失敗していく。
助けて下さった方々に
少しの恩も返せないばかりで、
我ながら、完ぺきなゆとり。
 
こんなぼくを見守ってくれる人がいるのか知りたいし、
いてくれるならその気持ちと一緒にお遍路に行きたい。
これがクラウドファンディングをやるもう一つの理由です。

びっくりするほど正直に書いてて笑っちゃいますね。

あとから支援者の方から聞いた話で、この文が正直で、頼りないけど応援したくなったらしく、正直っていいなとこの頃気付きました。

15万円も集まった...!

この内容で公開したところ、15万円ほどお金が集まりました。
一言でいうとただそれだけなんですが、1支援1支援集まるごとに胸がきゅんきゅんしました。

見ず知らずの汚い青年にお金を投げてくれる。支援者の方々には今でも感謝がやまないです。。本当にありがとうございました。

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「雑に見えるデザインと、雑にデザインするのは違うよ?」

この言葉は、このプロジェクトのことを思い出す度に出てくる言葉で、
それはプロジェクトページに対して、当時働いていた建築士事務所の空間デザイナの上司に言われた一言です。

ゆとりをテーマに作っていたのでゆるくゆるくしようと思って

手書きのサムネや、激安シェアハウスの近くの公園で早朝寝起きで撮ったPR動画。ユニクロのテロッテロの化繊の服に、バサバサと響く風切音。

とにかく、ゆるく力を抜いて素材を作成していました。

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...今見ると本当に恥ずかしいのですが、当時はこれがベストと思い込み(尖っていた)敢えてこのクオリティで公開をしました。

プロジェクトが終わったあとに、上司に「あれはデザインじゃなくて、雑なだけだよね、」と言われ顔が赤くなったのを覚えています。

そこから数時間、あそこはこうした方がもっとよかったねと反省会が続き、もう二度とデザインで勘違いをするものかと誓った記憶があります。

とっても恥ずかしいんですが、忘れないように恥を晒します。笑

お遍路はいいぞ

肝心のお遍路ですが、とってもつらく、とっても楽しかったです。

1日平均20kmを歩いて、お寺についたら般若心経を二回。息つく間もなく次のお寺へGO。日が暮れたら屋根がある平らな地面を探して野宿。

これを1ヶ月続けました。

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こんな道や

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こんな海沿いをずーっと日がくれるまで1人で歩き続けます。

最初は足がまめだらけで痛いとか携帯の充電が気になるとか余計なことを考えているのですが、
途中からは、疲労と孤独で雑念が消えていき、ずっと黙々と歩き続けることができました。

道後温泉に入ったり

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かつお食べたり

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えぐしぶなお寺に感動したり

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どんどんこころが満たされていきました...。

途中からゆとりが

しかし、お遍路の旅路のちょうど中間地点で事件がおきます。

コンビニに入ったときに、ATMでお金を引出そうとしたところ...

残高:数百円

猛暑の影響で、水を買いすぎて全財産を使い切ってしまっていました。

どうしよう。と思い、クラウドファンディングの支援者の方のグループLINEで聞くと、バイトしたらおもろいんじゃないかと回答が。

たしかにおもろいと思って、Facebookでバイト募集すると、高知の山奥で古屋を建てる手伝いバイトが見つかりました。

...

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迷わずやりました。

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無事お金をもらえるだけでなく、泊めてまでもらえ、

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たくさんのお酒までいただき、

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レーザーディスクのシャカタクを爆音で聞かせてもらえたりしました。

そんな社会の優しさに触れてしまったがために、
その後のお遍路の方針は変わり....


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ヒッチハイクお遍路が開始し、

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ときには人におごってもらい

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そのままホテルを奢ってもらったりと、甘えに甘える結果となりました。

ご利益が薄れたかどうかでいうと、薄れるどころかいろいろな方の優しさに触れて、数倍になっていると思っています。毎回唱える念仏に、加わる思いが増えて、最後の方は、自然と心が籠もってきて不思議な気持ちになりました。

こんなこと当初はするつもりなかったのですが、
結局ゆとりお遍路になってしまいました。(完)

この型のお遍路を真似する方はいらっしゃらないと思いますが、こんな変形型なやつも許されるのがお遍路の素晴らしいところなので、時間があって自然が恋しい方はぜひおすすめです。

結局なんの話だったのか分からないですが、アドベントカレンダー24日の記事と返させていただきます。

次回は25日最終日のこの記事です!(URL追加あとでします。)

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宣伝

記事に出ている上司の空間デザイナーが只石さんという方なんですが、
ちょうどこの記事を書いている次の日が関わっている映画の公開ということなので宣伝しておきます。(密を避けてぜひ見てみてください!)

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