私の大好きな曲②                 Mr.Childrenとの出会い

 私がMr.Childrenを初めて意識して聴いたのは、2008年。夏季五輪のNHKテーマソングやドラマ主題歌などのタイアップソングが多く流れており、M-onやラジオなどでよく聴くようになった。勿論、何も考えずに生活をしていても、Mr.Childrenを全く知らない人は少ないだろうし、それからも、聴こうとしなくても有名な曲は多いから、なんとなく知ってるよといった感じのニュアンスであった。

 時が流れ、YouTubeでネットサーフィンをしていると、「名もなき詩」にたどり着いた。この曲にはPVが存在しないため、なかなか名前を見たことがあっても実際に聴いたことはなかった。この曲を聴いて、度肝を抜かれた。Aメロ⇒Aメロ⇒Bメロ⇒Aメロ⇒サビ⇒Aメロ⇒Bメロ⇒Aメロ⇒サビ⇒Cメロ⇒Cメロ(早口パート、コードはBメロと同じ)⇒(転調)⇒ラスサビ⇒A’メロ。不思議な感覚で何度もリピートした。シンプルなイントロ、曲の構成、早口パート、桜井さんの歌い方、少し刺激的な歌詞。これほど衝撃的な曲を聴いたことはなく、自分の人生の中でもターニングポイントとなり得る出合いの1つである。

 この曲を聴いてから、情緒不安定という言葉も知り、転調に注目して歌を聴くようになった。(「終わりなき旅」は勿論、最近で言うとOfficial髭男dism「cry baby」などの転調が多い曲が好きなのも結局この曲に聴き入ってしまったからである。)2番のサビが名言ともいわれるが、私は、単純に1番のサビが1番好きである。結局は誰か人のせいにして逃げてしまっている。でも、誰もが、そういう側面を持っているのだと、桜井さんが言ってくれているのが、とても励みになる。この詩を書いたときの桜井さんの精神状態は悪かったようだが、私が壁にぶつかったり、情緒不安定になってしまったときにこの詩を読むと、気がすごく楽になった。高校時代も浪人時代も救ってくれた曲第1位は結局「名もなき詩」になる。

 披露するごとに全く感じが異なる曲もまた珍しい。個人的には1996年の「FAN」のテイクが1番好きである。5thアルバム「深海」の流れで「Making Songs」~「名もなき詩」~「So Let's Get Truth」で聴くとまた何か言葉で言い表せないが違った良さを感じることができる。いい歌は時代を超え、世代を超える。

 スピッツ「魔法のコトバ」とMr.Children「名もなき詩」の2曲が、それぞれのバンドに出会うことができたという意味でも、自分の中では永遠に2トップである。

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