見出し画像

8歳のモデル、Wakanaちゃんと私


私の作品を良く見てくださる方
そして、私の個展に来てくださる方は

本日誕生日を迎えた8歳!
小学生のモデル Wakanaちゃんを目にした事が多々あるかと思います
そして、彼女を良く使うようになったからか
キッズモデルの親御さんや、キッズモデルの子達から、頻繁に問い合わせをうけるようになりました


今回は、彼女の事について話してみたいと思います


彼女との最初の出会いは
「オーディション」でした

作品製作に、少女が必要と言うことで行ったオーディション
100名以上の中から
直接、面接する5名を決めました

「蔵の中」という作品です

清水真理さん、月夜乃散歩さんというアーティスト達とのコラボ作品

画像1

暗く、重い話です


たった1名を選ぶために、応募してくれた100名以上の応募者

最終的に面接まで行った5名

その中に、彼女がいたのです

正直、他の4名に比べて実績、経験
彼女は全くありませんでした


最終の5名を決める際も

彼女を推したのは、私ひとり

他のスタッフ達は、見向きもしない中

私だけは、彼女の頭蓋骨を見て

そして、前髪を見て


画像2「この子は化ける!」


そう思って5名の中に、強引にねじ込みました


オーディションに来た彼女

お母さんと一緒です


線が細く、体力的に不安

歯が揃ってない


それが彼女の最初の印象

一通りの面接が終わり
彼女の帰り際

私は、声をかけました


「他にも面接するから、これで決定ではありません。他の人になる可能性もあります」

と、まぁオーディションでは当たり前の、当たり障りの無い挨拶と、お断りを入れました


普通の「子役」ならば


「大丈夫です。HASEOさんにお会いできただけで嬉しいです。落ちてもまた、機会があればお願いします」


などと、定型文のように言うものです


しかし。。。


彼女は違いました

私の想像を「超えて」いました

画像3

私を、きっ!と睨むと
本当に嫌な顔をしたのです


その時の彼女を見て、電撃が走りました

私は、この子しかいない
その時に確信しました


他の子の面接を取りやめ、会社やスタッフの反対も無視して
彼女に決めました


あの、一瞬がなかったら
私は、彼女に決める事はなかったでしょう。


自分以外を認めない唯我独尊
これは、いまの社会では認められないかもしれません
しかし、モデルは多かれ少なかれ
そんな気持ちが無いとダメだと思っています


私は、彼女に決め
そして、その後も使い続けました


他のオーディションでは、ハワイ旅行の予定を変更して来たこともあります

どんな展示にも顔を出し

いつ撮られてもいいようにメイクして個展に来ていました

当然、毎回撮ってあげるわけではありません

でも、ずっと来てました

その都度、少しだけのアドバイスをし

それを彼女は理解し自分のものにしていました

画像4

作品展の解説を聞き

物語を読み

一生懸命理解しようとしていました


いつしか、撮影の頻度は高くなり


結果、毎回撮影の度に美しく変化し
そして、彼女の弱弱しい雰囲気が
自信に満ち溢れてくるようになったのです。


彼女は、撮って貰う存在から

一緒に作品を創っていく仲間に変わっていったのだと思います


人は同じでいられない

人は必ず死ぬし、老いるし、心も変わる


私は、変わり行くものこそ写真を撮るべきだと信じています。

またとない、その一瞬を永遠にするため、写真を撮っています



彼女の一日は、大人の一日より遥かに長く
そして、その成長は葦よりも早い


少女の時にしか、できない事は

大人になったら絶対にできない


人生のうちで、わずか一瞬の

少女の美しい瞬間(とき)を私は撮らせていただいているのだと思います


こうして、その美しく変わる様を撮影出来た事は、私自身が幸運であったと思わずにはいられないのです


「世界」を変えたい

「美しく」なりたい

「自分」を変えたい


人は願うけれど、その努力をしない


彼女が綺麗になっていった「結果」には

必ず、「理由」があり



自分のとりまく世界を変えたいのなら

自分が変わればいい


そんな事を、彼女から学びました



皆様も、彼女の成長を暖かく見守ってくだされば幸いです

画像5


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?