オウム

「きみは 変わったね」

オウムが言った。

オウムは 以前のままの

つやのある白い羽をしているけれど

目がうつろで 悲しそうだ。

・・・オウムといえば

暑い夏の日に

むき出しの私の腕に とまりに来て

爪を立てられて痛かったことを 思い出した。

痛くても 楽しかったこと

一緒に たくさん笑ったことも。

「ヒトは 変わるものだから・・・」

少し 申しわけない気持ちで

そう言ってはみたけど

オウムは 暗い目で

私をみつめるだけ。

せめて その羽をなでようと

手をのばしたら

ビクッと 後ずさりして

止まり木から落ちそうになって 羽をばたつかせていた。

「雨が 降りそうだから もう帰る」

鼻の奥がつうんとして 私は その場を立ち去った。

オウムとは それっきりだ。

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