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波濤の果てに見えた源流/「イースI&II クロニクルズ」感想

夏のRTAinJapan2024、イースⅧおもしろかったですね~!


この作品でany%かつEST1時間弱とか絶対悪さするでしょ…と身構えてたら開始早々にとんでもない光景が繰り広げられて笑い転げたし、永きに渡るテオス・デ・エンドログラムとの因縁に決着を付けるべく過去から来て3人に分身したダーナには涙が止まりませんでした。電王の侑斗ゼロノスと桜井ゼロノスが共闘した回みたいな絵面してんな。

それはそうと、前回Ⅷの感想を書いた際にフォロワーさんからこんな情報をいただきました。

>時系列的に8より後の作品(6、7、9)って「理」とか「仕組み」とかを乗り越えて打倒する話が多くなってくる。
>ジャンダルムを超えて古代種の跋扈する地に足を踏み入れたときに流れるBGMが「Next Step Toward the Unknown」なんですよ。 この曲名、イース1の「First Step Towards Wars」に対応しているわけですね。
>曲名から、アドルが立ち向かうものが「戦い」から「未知」に変わったと読めるわけで。その象徴が、キルゴール先生があっさり喰われたあのシーンだと思うんですよね。

あのキルゴール先生にそんな文脈が!??確かにⅧで敵対するキャラにおいても異様な存在感を放っていたけど、あの弱肉強食なエピソードからそんな深い背景があったのか…。

そう考えると、自然の摂理が意思や善悪を超越していくキルゴール戦の構図はラクリモサとエタニアにも通じるものがあります。アドルがラクリモサという理と対峙するにあたり、ダーナの追体験ではなくアドル自身も大いなる力が蹂躙する光景を目の当たりにして、善悪や思想といった概念が敗北する様を味わう必要があったのかもしれません。超常の存在を前にして己の意思を最後まで貫くためにも…(マジでなんでキルゴール先生からⅧの読解を?)

ここでふと思いました。俺アドルさんのこともっと知りたいよ…と。たぎるほどの冒険心で地を懸け、ダーナと別れる際に「君のこと、ずっと忘れない」と声を掛けたアドルがどのような冒険を辿ったか、その足跡に触れてみたくなったのでした。

steamになかったのでvitaのPSStoreを使うしかないかなぁと思ったらDMMやDLsiteに置いてあって助かりました。というかPSの方でリメイク前のⅢとかⅣも遊べるの凄くない?妙に検索性が悪いのが残念としてもそれ以上に価値があるしレトロゲーアーカイブとしてずっと生きていてほしい。ベアルファレスとかはここがなくなったら布教できないんや。


イース


歴史にのみその名をのこす伝説の王国イース。エステリアと名を変えたその土地で銀が採掘されたことで島は発展を遂げたが、いつしか魔物が跋扈するとともに島の周囲は嵐が取り囲まれて呪われた島と恐れられるようになった──。そこに乗り込む新人冒険家のアドル・クリスティン17歳!彼の活躍が古代国家イースの命運を左右する!!

王道なシリーズは最初から王道だった第一作。さすがにアドル若いなとかこの頃から遭難してたんですねとか色々な感慨があったけど、そもそもイースって国の名前だったんだ!?と驚いた。てっきりシリーズで意味のある造語なんかなとか思ってたから…。
OPのしょっぱなから遭難するアドル!髪が青っぽいヒロイン!仮面で顔を隠した暫定イケメンのボスキャラ!とイースの概念全開のムービーで滋養が高い。ファルコム君この頃から男前の敵キャラに仮面付ける癖があったの?

初代に関する知識は体当たりで敵を倒すことしかなかったから「どういうことなの…」となっていたけど、遊んでみると攻撃も会話もオブジェクトを調べるのも全て体当たり!というシンプルさで、見下ろし型アクションを最大限シンプルにするとこういう作りになるのか、とある種の感動すらありました。当時の高難易度化するゲームに対してクリアできる喜びを知ってほしいというコンセプトにしたと聞いたことがあり、個人的にカービィシリーズの成り立ちを思わせてかなり好感度が高いです。
体当たりと言っても真正面から当たるとダメージを受けて普通に打ち負けるので、背後や横から狙う、敵のドットから体半分ずらして当たるなどテクニックがあるのもシンプルさの中に戦略を生んでいて良い。立ち止まってるだけで回復というシリーズのお約束もこの時点で確立してたんですねぇ。


(いつものSE)

実際かなりゲーム初心者にやさしい作りで、先に進むのに「話の続きは剣と盾と鎧を揃えてからします」と実質レベリングと強化をストーリー攻略に組み込むことでプレイの筋道を立ててる辺りが特に顕著です。
というか先に進むのに特定までのレベリングが強要される流れ、どっかでみたことあると思ったらドラゴンスレイヤー英雄伝説だこれ!!!!生まれて初めてやったRPGは父が買ってきたドラスレで、皆がドラクエやFFの話をしてた時にもひたすらスライムいじめしていた記憶がまざまざと蘇ります。BGMを昔のやつに変えてもなんか脳に馴染むのはこのためか…。俺にとってのスライムはマスコットみたいな可愛いキャラじゃなくて不気味な粘性生物だし、序曲やプレリュードのポジションを占めるのは英雄行進曲なんだよ!!とファルコム作品にゲームの情操教育を施されたのを思い出して熱くなってしまうな。


こうしたレトロ感のある作品で容量も大きくないものの、作りの丁寧さは目を見張るものがあります。NPCとの会話ひとつとっても二回話しかけると内容が少し変わるのは当たり前だし、イベントをちょっと進めただけで話題がさらに変わるなど、細かな部分で冒険の楽しみを与えてくれるのが嬉しい。NPCとの会話への意識は後の軌跡シリーズの片鱗を伺わせて嬉しくなりますね。俺もかつてはクロスベルの住民との会話に奔走したことがあるから…。ほかにもNPCはもちろん敵の図鑑などもあり、突進しかしてこない敵でも生態や攻撃方法が記されてディテールの修飾に寄与されてえらい。

また、見下ろし型の視点ながら背景によってマップに奥行きを感じさせるのが没入感を高めてて感心しました。序盤から見えるダームの塔は「魔物が作り上げた塔」という設定に加えて異様な高さと造形をしていて不気味さと共に高揚を高められて好きだし、実際に攻略すると階層を進めるごとに景色の変化や時間経過を演出していてこちらも好き。



俺も女神(になった少女)が治める美しい国の崩壊する様を見せつけられたことあるよ

直近でⅧをプレイした身としては、回復薬がジギタリスを原料にしていたり遭難したアドルが野犬のモンスターに襲われてたりと初代をオマージュしてたと思しき部分が見て取れたのも嬉しかったです。ピッカードが村で守られてるの可愛い~ってなったと思いきや、村の外だと敵キャラとして出てくるわ触れると一撃で爆散するわで度肝を抜かれたしファルコムはこいつをどうしたいの?


ただこのゲームがやさしいかと言われると割と疑問で、確かに1レベル上げするとステータスが異様に上昇する昔のゲームあるあるを備えていながらも10レベルまでしか上がらなかったり、雑魚敵の容易さに比べてボスが明らかに強いのに慄きました。
なんで雑魚相手だとダメージでノックバックするのにボス戦ではしないんだよ!!無敵時間が一切ないので一度攻撃につかまると瀕死になるまで体力を減らされるし、アドルもボス戦では回復アイテムを一切使えない男気を発揮するので毎回のごとく大苦戦。歯ごたえがあるのはいいとはいえ、なんなら最初のボスから詰みそうになったからな…。アドルさんマジで若気の至りがすぎるよ。




ヒロインが青髪!しかもフィーナとレアとで二人いる贅沢仕様!!出番は少ないけど立ち絵の差分が割とあったりドキッとするくらい美しいカットがあって印象に残ります。ダーナといい青髪すきなんすねえとか微笑ましく感じてたけどもう一人おかわりはちょっと癖が濃すぎるよ。
髪色が青くて記憶を失ったフィーナは過去を思い出そうとすると頭痛を起こすようですが、俺もそれを見て頭痛を起こしてるんだよな。

フェルガナもプレイ済みなので「イースのヒロインは…”青”だけではないぜ!」と言いたいのは山々なんだけど、このゲームにおいて破邪の力をもつキーアイテムが二種類あり、そのどちらも青色なのが「青はこの世で最も清浄なる存在の象徴なんだよ」と言わんばかりの圧を放っているし、対比するように最強の武器が燃えるような炎の剣でアドルの髪色と照応してるのが文脈を完全に補強しててダメだった。このゲーム”思想”の原液すぎてちょっと怖いって!なんならアドルを窮地から救うドギも青髪なのもなんらかの意図を感じられるの何???


終盤の大ダンジョンとなるダームの塔では塔を上に下にと謎解きしながら駆け巡って攻略する過程がボリューミーで、比較的長いダンジョンながら退屈しません。様々なキャラの手助けで攻略していくのも、短いながらこれまでの総決算的なフレーバーがありますしね。
ボスもBGMが変わることでより豪華な趣があるし攻撃が苛烈になるのも強敵との戦いで手に汗握るのでとても楽しい。楽しいんだけど多段ヒット攻撃から弾を波状攻撃してきてSTGが始まるの凄くない??ってなるし、ラスボスに至っては四方八方から弾幕を放ってくる上に床破壊に巻き込まれると一撃死とかいうこれまでになかったことしてきて、コントローラーを握る力がドンドン強くなってきました。お前そういうゲーム性じゃなかったよなあ!!
戦闘でSTGしだす敵の元締めが弾幕STGをしかけてくるの、納得しかないんだけどせめてあの弾幕の濃さと数の多さに対抗するのにアドルの当たり判定は大きすぎるんだわ。

イース王国や古の神官の血縁を巡る戦いのわりにその辺の掘り下げがあっさりめだったり、ラスボスのダルク=ファクトが「銀の採掘を諫めた両親が民衆に殺害されて闇に堕ちた」美味しい設定を持つのに説明書でしか分からなかったりなのがやや惜しいかなといった感じですが、シンプルに冒険ものとして面白かったし終わり方もすっきりしてたので、こういう直感的なアクションもいいものでしたねというか。


明らかにⅡへ続いてるーー!ダームの塔を攻略中に薄々感じてはいました。「なんか地味に唐突感あるしこれ容量不足じゃね?」と…!フィーナやレアはおろかイース王国についても明かされないままだったし、これⅠ・ⅡじゃなくてFC・SCだって!ああそういえばエンディングで真実も嘘もなく夜が明けて朝がきてるわ。イースだけじゃなくて軌跡シリーズの芸風だよこれ~~~~!?


イースⅡ


ⅡもといSC。Ⅰからどう展開するのかと思ったらエンディングの直後に空中都市イースに打ち上げられて遭難してるの笑ってしまった。海がなければ空に遭難すればいいじゃない!プロの漂流者アドルさん堂々のエントリーだ!

伝説の古代都市が空中に存在していた!というロマンの濃い設定がすばらしいほか、前作のキーアイテムであるイースの書を神官の像に還すところから始まるのが直接の続編である立ち位置を活かしてて上手い。

あと前作でぼかされ気味だったフィーナとレアの正体も序盤から匂わせてきたり、NPCとの会話の端々から存在が感じられてるのも、ふたりが超常の存在になったことを伺わせてⅠの物語が完結するんだと実感させます。

もう隠す気なくて笑う

システムはⅠとほぼ同じながら、今作で追加された魔法によって謎解きの幅が広がりました。攻撃方法やアクションの拡張という点では実質ファイアのみのため物足りなさがあるものの、ライトの魔法が周囲を照らすだけでなく隠し通路やオブジェクトを発見する機能があったり、テレパシーでモンスターと会話できるなど探索に新しい要素を生んでるのが応用・発展的な印象を受けます。
特にテレパシーが面白く、モンスター1体ごとに思想や趣味趣向が読み取れたり、部屋内のアイテムをとったか否かで会話差分が発生するのが前作の丁寧さをさらに伸ばしたといった感じですね。町やNPCが少ないならモンスターとの会話でヒントとかを与えればよい。なんて合理的な判断なんだ。

なんでちょっとニーアのサブイベみたいな後味の悪さだしてくるんだよ


そしてなんといってもプレゼントですよ!林檎や花などのアイテムを渡すことで好感度が上昇して特殊な会話がみれるのがキャラ愛を思わせるし、こういう要素は後世の作品でも散見されるので「これ後のファルコムそのものに与えた影響デカいのかもしれん…」と遠い目になる。

かわいいね

ヒロインのリリアがとにかく健気で良い。オープニングでアドルを助けてくれたり重い病気を患いその薬が必要になるなど序盤は特にリリアを中心に動くので印象に残るし、アドルを心配する会話が多くて凄くヒロインしているな…!
中盤以降は失踪してしまうけど、終盤にかけて再登場してさらにアドルに助けられつつ手助けになるムーブをするし、最後に渡されるアイテムが指輪なのでこれってぇ!!と興奮してしまうよね。

今回はドギはほぼ出演しない感じですが、冒険の要所要所で魔物のキースが影からアドルを助けてくれるので、実質彼が今回の相棒枠です。Ⅰのドギみたいに壁をぶち破ってくるの確信犯ですよね?



真ヒロインです。Ⅰに比べて驚くべき程に出番が少ないのにド終盤で存在感を最大限に高めてくるから参った。前作でアドルとの思い出の一幕だったであろうハーモニカ演奏シーンが、ここにきてフィーナとレアを助けるために使う(しかもⅠのOP曲!)構図でグッとくるし、終盤しか話せないとはいえプレゼント会話もちゃんと用意してるので愛され方が凄い。


レベル上限がかなり上がったもののレベルアップ自体はしやすく、ダンジョンが割と複雑なのも相まって沼ってればそのうちボスの適性レベルまで上がるのは大分親切ではあったが、それを差し引いてもヤバかったのは最終ダンジョンである「サルモンの神殿」。古代の女神を祀り、神官の名を冠した区画に分かれた長大な神殿という設定に極上のロマンを湛えつつ、同じような景色が延々と続くだけでなく階段で上下の階層に別れ、さらには各所で複雑なフラグ管理がされてるので探索するのが途方もなさすぎた。なんであんな広くて視認性の悪い下水道が3マップに渡ってあるんですか?
確かにⅠのダームの塔でファストトラベルを用意しろとは言ったが、ファストトラベルを実装したらラスダンで何をしてもいいわけではないぞファルコム君!プレイ時間の1/3はここを彷徨った気がするし、数えきれないくらいに床を嘗めさせられた。Ⅱがリメイクされたら各区画ごとにファストトラベルのポイントが用意されると思う。

そんな感じで色々強化されたⅡだけど、ボス戦の様相も思い切って変化していました。今までのように剣では歯が立たない敵に対して神官が用いた魔法で対抗するというのは筋が通っており、なんでかんで今作も雑魚敵との戦闘は変わらず体当たりなので魔法でのボス戦には特別感がありました。

唯一問題があるとすれば今回もまた多段ヒットしてくること!!!ノックバックしないのは当たり前、体当たりでHP半分持ってかれたり、触手に壁際ハメされて一撃死なんてのも日常の世界。Ⅰの頃からSTGだの弾幕だの言ってたら終盤のボスであるザバが複数のホーミングするビットを展開した上に奇数弾をばら撒くという見下ろし型アクションでは許されない挙動をしてくるのでブルーアミュレットを嚙み砕いてしまった。一定サイクルが終わったら本体が動き出すのも含めてSTGすぎない?

それらを逆手に取って上手かったのが終盤ボスのダレス戦。ダレスは何度もアドルの前に現れるライバル・因縁キャラ的な立ち位置ですが、「お前の魔法など児戯に等しい」と宣う通りこれまでと逆に魔法が一切通じず剣で戦うことになり、それがお互いの最も得意とする土俵で相対する雰囲気を放っていて少ない描写ながら燃え上がる戦闘を演出します(と同時に体当たりがシンプル強いから、ああこの方向性で攻略させようとすると高速移動とか弾幕を張るでもしないとヌルゲーになっちゃうんだなと理解もできるというか…)



ラスボスのダームは苛烈な攻撃がまさしくⅠ、Ⅱと続いた物語の最終戦にふさわしいものの、ラスダンで入手できるシールドの魔法があまりにも強力なのと、高速移動や床を破壊して一撃死してきたⅠのダルクに比べて理不尽感がないのもあって割と楽に倒せてしまった。シールドがダルクの先祖の魔法なのも合わせて残酷なんだよな。
ダーム戦はむしろ撃破後が最高でした。ボスを倒すと大抵はレベルアップしてそれに伴いHPとMPが全回復しますが、ダームは魔法を司る「黒い真珠」そのものであるため、撃破後に回復したMPが一気に0まで下がることで「世界から魔法が消失した」とシステムで表現し、MPが無くなってゆく時間がエンディングまでの余韻として働くという、なんとも洒落た演出が素晴らしい。こういうゲームだからこその表現、演出って好きなんですよね…。



ダーナをきっかけに嵐のような時代のクロニクルを遡ったので終盤のフィーナとレアの会話でどえらい声がでた。これ蒼き波濤の果ての原点、源流、アーキタイプすぎてびっくりしちゃったよね。女神だけど一人の少女としての思い出を胸にして旅立ち、それでも少女として記憶に残りたい心情をこぼす辺りでダーナを想起せずにはいられなかったし、イースⅧに「おまえ初代のことが好きだったのか…?」と惚れた相手の所作の端々から初恋だったであろう異性の名残を見出すみたいな質感を感じてしまうのだった。


でもリリア結構可愛かったしエンディングでアドルとの会話とか補完してほしかった気持ちはあるなぁ。リリアからしたら命の恩人で外界から来た勇者で格好いい青年で惚れない理由がないし外堀を埋めても何も言われないだろうに、サルモンの神殿を見つめるアドルの横顔から「あ…この人の横に私の居場所はないんだな」と察したみたいなエンディングの画像で呻くし、生来のものであろう控えめさと気遣い体質から強く引き止めたり出来なかったんじゃないかなぁと。作中の活躍は正統派ヒロインなのに背負ってるものの違いでほかの少女に一歩譲ってしまうあたり、これラクシャのアーキタイプにもなってしまってない?

前作Ⅰに伝わる因縁の決着という壮大なストーリーは面白かったけど、今作独自の背景は駆け足だったような印象もあり。ラストもラストで神官の血筋がどんどん明かされるのとか、キースが魔物と化してその悲哀に触れるのとか2.3の会話で済ませていいやつではないからね。それは本来サブイベントとかで掘り下げるやつだからね。



Ⅰ・Ⅱとさすがにレトロゲーではあるものの当時として画期的だったのは十分見て取れたし、背景設定を含めると冒険譚として完成度の高さに納得の出来でした。

プレイして驚いたのはこの頃からNPCの死が卑近であること。Ⅰでは占い師のサラが呆気なく死んでいるし、Ⅱのマリアのように助かった人物もいますがあれはアドルが助けたわけではなく、後のシリーズを見ても世界を救う活躍をするのに対してアドルの指の間から零れる命は意外にも多い。
アドルは英雄的な行為をするけれどこれはあくまで副産物で、彼個人は一介の冒険者であり過酷な世界を生きる青年でしかなく、それでも過ぎ去った思い出と飽くなき好奇心を抱いて旅をするのが、アドル・クリスティンという冒険者なのかもしれない。初代の冒険からはそんな風味がありました。

イースの書とかにほかの地方の名前が出てくるのワクワクすしましたね

そして何より遭難するアドルとか青髪のヒロインが上位存在となり人々を見守るENDといったストーリーからはシリーズの文脈を、プレゼントによる好感度や細かな会話差分といったシステムからは後のファルコム作品に通じるものを感じて、イースのみならずファルコムという会社におけるものづくりの源流がここにあったのでないでしょうか。

Ⅷを契機にして始めたら思った以上に初代の影響下にあったと気付いて微笑ましくなったのも良い発見でした。Ⅷで負ったダメージが柔らかいかさぶたになってきた今日この頃、そろそろ優しい思い出になる日も近いのかもしれません。




俺たちの蒼い波はまだ終わりそうもない。



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