2030年、消費税率が15%!?

「2030年までに消費税率が15%に上がるかも知れない!?」という話題がちまたをにぎわせています。以下はNHKニュースからの引用です。

IMF=国際通貨基金は、日本の経済状況を分析する最新の報告書を発表し、高齢化による財政悪化を食い止めるため、2030年までの消費税率の15%への引き上げや富裕層の資産に対する課税制度の導入を改めて提案しました。
IMFは10日、日本の経済状況と今後の課題を分析する最新の報告書を公表しました。
この中でIMFは、日本経済の長期的なリスクとして少子高齢化と人口減少を挙げ、この影響で40年後のGDP=国内総生産は25%下振れする可能性があるとしています。
そのうえで社会保障費の増加による財政悪化に対処するためには、歳出の削減に加えて、2030年までに消費税率を今の10%から15%に、2050年までに20%に段階的に引き上げることや、富裕層の資産に対する新たな課税制度を導入することが必要だと提案しています。
引用:NHK NEWS WEB 2020年2月13日付

消費税率は2019年10月、10%に上がったばかり。10%の消費税率になじみを感じない、というか不満を感じる中、早々と次の消費増税の議論が始まっているって、あまりにも気が早すぎるんじゃないの? というのが率直な印象です。

ネット上では「IMFは日本を壊滅させたいんだろ」という意見や「IMFには財務省から出向している。IMFに消費増税のことを言わせて、消費増税が確実に行われるように仕向けているんだな」という意見もみられます。

個人的にはむやみに消費税率を上げることについては反対です。なぜなら、消費税率を上げたとしても、消費が伸び悩めば税率を上げたにもかかわらず消費税収も伸び悩んでしまうからです。

それに加え、消費が低迷すれば、メーカーや小売店の売り上げも落ち込んでしまい、売上の低迷に耐えられなくなれば企業の倒産も十分にありえます。

消費増税後、山形の老舗百貨店「大沼」が倒産し、今年1月末に自己破産申請をしました。負債総額は約30億円です。企業が倒産すれば従業員が路頭に迷うなど、社会的な損失も大きくなってしまいます。もし、消費増税に伴って倒産する企業が増えれば法人税収も減少します。新型肺炎(COVID-19)関連で経済が低迷し、経営が苦しくなる企業が増えなければ良いのですが。

消費税率が10%に上がったことにより、家庭も企業も苦しい経営を強いられている状況ですが、そのような状況であるにもかかわらず消費税率を上げることは、もはや日本経済にとどめを刺すことにもつながりかねません。

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しかし、IMFが報告書に記載した内容を良く読んでみると、消費税率を上げなければならない背景として「少子高齢化と人口減少によるGDP(国内総生産)の減少」をあげています。

今後、高齢化率がますます高まってゆけば、現時点以上に社会保障費が増大することは避けられません。その状況で消費税率を据え置いたままにすれば、現役世代の税負担、社会保険料負担はますます重くのしかかってきます。

とはいえ、消費税の増税は禁じ手のようにしか感じられません。というのも、景気の良い時期であれば消費税を増税することで景気の過熱を防ぐ効果が期待できますが、日本のように長い間景気の伸び悩みが続いている状態で消費税率を上げてしまうと、先ほど述べたとおり、日本経済にとどめを刺すことにもなりかねないからです。

仮に、消費税率を上ることで消費税収が増えたとしても、景気の冷え込みで所得税と法人税が伸び悩んだらもはや本末転倒となってしまいます。

理想的な形は、消費者のひもがゆるみ自然な流れで消費が増えることです。これが実現すれば、企業の利益がアップして法人税収が増加し、企業の利益が増えることによって社員の収入増が見込めるため、所得税収の増加も見込まれます。

消費者のひもが緩むためには、消費税の減税に限らず「お金を払ってでも欲しい」と感じられる商品やサービスを生み出すことが必要ですが、今後、消費税率の引き上げを阻止するためには、既存のアイデアの枠を超えた新しくて奇抜な発想が求められます。その発想は、これからの私たちが考えていかなければなりません。



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